<蝶の写真館>

春日井市東部丘陵の蝶(愛知県)

2019年以降、春日井市東部丘陵(愛知県)で撮った写真です。(現在56種)

・あげはちょう科 ギフチョウ ジャコウアゲハ アゲハチョウ キアゲハ
クロアゲハ ナガサキアゲハ モンキアゲハ カラスアゲハ
アオスジアゲハ
・しろちょう科 キタキチョウ ツマグロキチョウ モンキチョウ ツマキチョウ
モンシロチョウ スジグロシロチョウ
・しじみちょう科  ウラギンシジミ ムラサキシジミ ウラゴマダラシジミ ミズイロオナガシジミ
アカシジミ ウラナミアカシジミ コツバメ トラフシジミ
ベニシジミ ウラナミシジミ ヤマトシジミ ルリシジミ
ツバメシジミ     
・たてはちょう科  ミドリヒョウモン ツマグロヒョウモン ウラギンヒョウモン アサマイチモンジ
コミスジ ホシミスジ キタテハ ヒオドシチョウ
ルリタテハ アカタテハ ヒメアカタテハ
・じゃのめちょう科 ヒメウラナミジャノメ ジャノメチョウ ヒカゲチョウ クロヒカゲ
サトキマダラヒカゲ ヒメジャノメ コジャノメ クロコノマチョウ
・まだらちょう科 アサギマダラ
・てんぐちょう科 テングチョウ
・せせりちょう科 ダイミョウセセリ コチャバネセセリ ホソバセセリ チャバネセセリ
イチモンジセセリ  キマダラセセリ  オオチャバネセセリ

 春日井市東部丘陵は、かなりの部分が愛知高原国定公園に含まれ、岐阜県多治見市との県境部分の尾根筋を東海自然歩道が通っています。この地域には、春日井三山といわれる弥勒山(標高437m)・道樹山(標高429m)・大谷山(標高425m)、さらには築水池を中心に豊かな里山里地が残されてきました。そこに、東海地区特有の自然環境に依存した多様な動植物が生息し、市民の憩いの場ともなっています。自然豊かな森を巡る、散策モデルコースも作られていて、春の山野草、夏の新緑、秋の紅葉と豊かな四季の自然を楽しむことができ、休日ともなると訪れる人も結構増えてきました。

春日井市東部丘陵の地図

ギフチョウ(あげはちょう科) 

ギフチョウ(岐阜蝶)
学 名 Luehdorfia japonica
科 名 あげはちょう科 
時 期 年1回、3月〜4月
寒冷地では5月〜6月
分 布 本州(秋田県〜山口県)
大きさ (前翅長)28-35mm
(開張)50-60mm
生育地 平地〜山地の落葉広葉樹林など
<特徴>
 早春に年1回だけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、平地〜山地の落葉広葉樹林などで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の表側も裏側も、黄白色地に黒い縞模様が目立ちます。後翅の亜外縁や肛角部近くに赤色や青色の斑紋があり、尾状突起もあります。よく似ているのにヒメギフチョウがいますが、ヒメギフチョウの方がやや小さく、後翅外縁ぶに橙色の斑紋があるのがギフチョウで、黄色の斑紋はヒメギフチョウとなって識別されます。森林の低い位置ではややゆるやかに飛びますが、高いところでは早く飛ぶ傾向があります。幼虫は、カンアオイ類、ウスバサイシンなど(ウマノスズクサ科)を食べます。

<名前の由来>
 最初、岐阜(ギフ)県で発見されたので、その地名をとって命名されました。

<備考>
 オスと比べ、メスは丸みがあり、胸部と腹部の長毛が少ないです。環境省レッドデータブック絶滅危惧U類、愛知県レッドリスト絶滅危惧U類、春日井市指定希少野生動植物種

ギフチョウ(あげはちょう科) 2019年4月5日午後、大谷山頂付近で撮影

 2019年4月5日午後、大谷山頂(標高425m)付近で撮影しましたが、1頭だけ飛んでいて、花や地表に止まったりしていました。

ギフチョウ(あげはちょう科) 2019年5月3日午後、内津峠付近で撮影

 2019年5月3日午後、内津峠付近で撮影しましたが、1頭だけ飛んでいて、葉上や地表に止まったりしていました。


ジャコウアゲハ(あげはちょう科) 

ジャコウアゲハ(麝香揚羽)
学 名 Atrophaneura alcinous
科 名 あげはちょう科 
時 期 年3回、4月〜9月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)42-60mm
(開張)90-110mm
生育地 河川敷、樹林内など
<特徴>
 体に有毒成分を含んでいて、鳥に襲われる危険性が少ないせいか、悠々と飛んでいるような気がします。国内でもいくつかの亜種がありますが、関東ではオスは黒色で後翅に赤色紋列が見られます。また、メスは黄灰色で後翅に黄色紋列があります。幼虫は、ウマノスズクサとオオバウマノスズクサを食するので、それらの生えている河川敷や草地などで見ることが出来ます。

<名前の由来>
 オスを捕らえると,強い麝香(じゃこう)の様な芳香を出すことから命名されました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土亜種、屋久島亜種、奄美・沖縄亜種、宮古亜種、八重山亜種があります。

ジャコウアゲハ♀(あげはちょう科)本土亜種 2019年7月2日午後、道樹山麓で撮影

 2019年7月2日午後、道樹山麓で撮影しましたが、花に止まっていました。


アゲハチョウ(あげはちょう科) 

アゲハチョウ(揚羽蝶)
学 名 Papilio xuthus
科 名 あげはちょう科
時 期 年2〜5回、3月〜10月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)35-60mm
(開張)65-110mm
生育地 庭や公園、畑地など
<特徴>
 お馴染みのチョウの一つで、都市部から山岳地帯まで、いろいろな所で観察することが出来ます。しかし、よく見ると結構きれいなのです。春にはツツジ類、夏以降にはヤブガラシ、アザミ類、ヒガンバナなどで吸蜜しているのを見かけます。幼虫は、ミカン類の葉を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるので、そこから名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。他のアゲハチョウと区別するために、ナミアゲハと呼ばれることもあります。

アゲハチョウ春型♀(あげはちょう科) 2019年5月8日午後、西高森山麓で撮影

 2019年5月8日午後、西高森山麓で撮影しましたが、しばらく花で吸蜜していたので接写できました。

アゲハチョウ春型(あげはちょう科) 2019年5月10日午後、西尾町で撮影

 2019年5月10日午後、西尾町で撮影しましたが、しばらく花で吸蜜していたので接写できました。


キアゲハ(あげはちょう科) 

キアゲハ(黄揚羽)
学 名 Papilio machaon
科 名 あげはちょう科 
時 期 年1〜4回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)36-70mm
(開張)90-120mm
生育地 河川敷、畑地、草地など
<特徴>
 初春から晩秋まで、海岸から高山帯の河川敷、畑地、草地などで普通に見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黄色地に、黒い帯と線できれいな模様があり、後翅には、青または赤の紋も見られます。飛翔力が強く、元気に飛びまわるので、追いかけて撮影するのはたいへんです。幼虫は、セリ科植物(ニンジン、セリ、シシウドなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、黄色っぽいので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がかなり大きいのです。

キアゲハの夏型♂(あげはちょう科) 2019年7月25日午前、弥勒山頂で撮影 

 2019年7月25日午前、弥勒山頂で撮影しましたが、活発に飛んでいたものの、葉上で休止したところを望遠で捉えました。


クロアゲハ(あげはちょう科) 

クロアゲハ(黒揚羽)
学 名 Papilio protenor
科 名 あげはちょう科 
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)45-70mm
(開張)90-110mm
生育地 山地から都市の公園、樹林周辺、草地、人家付近など
<特徴>
 春から夏まで、山地から都市周辺の公園、樹林、草地、人家付近など様々な場所で見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒色ですが、後翅にオレンジ色の斑紋が見られ、オスには、白帯もあります。幼虫は、ミカン科植物(カラタチ、カラスザンショウなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、全体に黒(クロ)っぽいので、名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土・奄美亜種と沖縄・八重山亜種があります。

クロアゲハ♂(あげはちょう科)本土・奄美亜種 2019年5月22日午後、玉野町で撮影

 2019年5月22日午後、玉野町で撮影しましたが、しばらく吸蜜していたので、何回もシャッターが切れました。

クロアゲハ♀(あげはちょう科)本土・奄美亜種 2020年6月24日午前、西尾町で撮影

 2020年6月24日午前、西尾町で撮影しましたが、しばらく葉上に止まっていたので、何回かシャッターが切れました。


ナガサキアゲハ(あげはちょう科) 

ナガサキアゲハ(長崎揚羽)
学 名 Papilio helenus
科 名 あげはちょう科 
時 期 年2〜5回、5月〜9月
分 布 本州(関東地方以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)60-80mm
(開張)100-140mm
生育地 主に平地の人家周辺など
<特徴>
 年2〜5回の発生で、南に行くに従って発生回数が増し、春から秋まで、本州の関東地方以西から沖縄の主に平地の人家周辺などで見られるアゲハチョウの仲間です。オスとメスでは紋様が異なり、オスは翅の裏側も表側も一様に黒色ですが、クロアゲハとは普通尾状突起がないことで識別できます。メスは、前翅の黒色が淡く、基部に橙赤斑が目立ち、後翅に大きく明瞭な白斑があります。ゆるやかに飛んでいますが、なかなかとまらないので、撮影には苦労します。幼虫は、ミカン科の栽培植物(ウンシュウミカン、ナツミカン、ユズ、ザボン、ハッサク、キンカンなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、シーボルトが長崎(ナガサキ)で発見したので、この名が付けられました。

<備考>
 夏型は大きくなります。

ナガサキアゲハ♀(あげはちょう科) 2019年9月14日午前、外之原町で撮影

 2019年9月14日午前、外之原町で撮影しましたが、しばらく花で吸蜜していたので、接写できました。


モンキアゲハ(あげはちょう科) 

モンキアゲハ(紋黄揚羽)
学 名 Papilio helenus
科 名 あげはちょう科 
時 期 普通年2回、4月〜10月
分 布 本州(関東地方以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)50-75mm
(開張)100-130mm
生育地 低山地の常緑樹林など
<特徴>
 普通年2回の発生で、春から秋まで、本州の関東地方以西から沖縄の低山地の常緑樹林などで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒色ですが、後翅に白黄色の大きな斑紋があり、外縁部にはオレンジ色の弦月紋が見られます。ゆうゆうと飛んでいますが、時々木々にとまるので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ミカン科植物(キハダ、カラタチ、カラスザンショウ、サンショウなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、後翅の白黄紋(モンキ)が目立つので、名付けられました。

<備考>
 メスはオスより大きく、褐色となります。

モンキアゲハ(あげはちょう科) 2019年6月11日午前、西尾町で撮影

 2019年6月11日午前、西尾町で撮影しましたが、一瞬葉上に止まったところを望遠で捉えました。


カラスアゲハ(あげはちょう科)

カラスアゲハ(烏揚羽)
学 名 Papilio bianor
科 名 あげはちょう科 
時 期 年2回、4月〜9月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)45-80mm
(開張)75-120mm
生育地 平地から亜高山帯まで広く分布
<特徴>
 春から秋まで、平地から亜高山帯まで、日本全土で普通に見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側は、黒っぽく、後翅にオレンジ色の三日月模様が並んでいます。翅の表側は、青っぽい輝きが感じられ、後翅にオレンジ色または青色の三日月模様が並びます。林の中を敏速に飛びまわっているのを見かけます。幼虫は、ミカン科植物(カラスザンショウ、コクサギ、イヌザンショなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、黒っぽいので烏(カラス)に例えて名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土亜種、八丈島亜種、トカラ列島亜種、奄美亜種、沖縄亜種、八重山亜種がありますが、沖縄亜種を別種の「オキナワカラスアゲハ」として分類する場合もあります。

カラスアゲハの春型♂(あげはちょう科)本土亜種 2019年6月4日午前、外之原峠付近で撮影

 2019年6月4日午前、外之原峠(標高約250m)付近で撮影しましたが、本土亜種です。


アオスジアゲハ(あげはちょう科)

アオスジアゲハ(青筋揚羽)
学 名 Graphium sarpedon
科 名 あげはちょう科 
時 期 年3〜4回、4月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)32-45mm
(開張)65-90mm
生育地 公園、山地の照葉樹林、海岸付近など
<特徴>
 春から秋まで、公園、山地の照葉樹林、海岸付近などで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒褐色地に青緑色の帯が目立ちます。飛翔力が強く、元気に空高く飛んでいくのを見かけます。幼虫は、クスノキ科植物(クスノキ、ヤブニッケイ、タブノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、羽に青緑色の筋(アオスジ)が目立つので、名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。

アオスジアゲハの春型♀(あげはちょう科) 2019年5月25日午後、西尾町で撮影

 2019年5月25日午後、西尾町で撮影しましたが、クスノキの葉上で産卵していました。


キタキチョウ(しろちょう科) 

キタキチョウ(北黄蝶)
学 名 Eurema mandarina
科 名 しろちょう科 
時 期 年4〜5回、5月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)18-27mm
(開張)35-45mm
生育地 林縁、河原など
<特徴>
 春から秋まで、低山地から平地の林縁や河原などで普通に見られる黄色っぽいチョウですが、成虫で越冬するので、冬から早春に見られることもあります。翅の裏側は、黄色地に小さな点のような模様が見られます。翅の表側は、黄色で黒い縁が見られますが、前翅の方が黒い部分が多く見られます。幼虫は、マメ科植物(メドハギ、ネムノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 黄色いチョウという意味で命名されましたが、その後沖縄県産のキチョウと区別するために、その北(キタ)に生息しているのでこの名前になりました。

<備考>
 夏型と秋型があります。

キタキチョウの秋型(しろちょう科) 2019年4月5日午後、弥勒山で撮影

 2019年4月5日午後、弥勒山で撮影しましたが、飛翔いているところはうまく撮れませんでした。

キタキチョウの秋型(しろちょう科) 2019年4月13日午後、道樹山麓で撮影

 2019年4月13日午後、道樹山麓で撮影しましたが、花で吸蜜しているところや飛翔しているところを捉えました。

キタキチョウの夏型♂(しろちょう科) 2019年7月25日昼、道樹山麓で撮影

 2019年7月25日昼、道樹山麓で撮影しましたが、地表に止まっているところや飛翔しているところを捉えました。


ツマグロキチョウ(しろちょう科) 

ツマグロキチョウ(褄黒黄蝶)
学 名 Eurema laeta
科 名 しろちょう科 
時 期 年3〜4回、5月〜11月
分 布 本州(南東北以西)〜九州
大きさ (前翅長)16-22mm
(開張)37mm前後
生育地 草原、農地、河原など
<特徴>
 春から秋まで、低山地から平地の林縁や河原などで見られる黄色っぽいチョウですが、成虫で越冬するので、冬から早春に見られることもあります。翅の裏側は、黄色地に2本の互いに並行した黒条が見られます。翅の表側は、黄色で黒い縁が見られますが、前翅の方が黒い部分が多く見られます。幼虫は、マメ科植物(カワラケツメイ、アレチケツメイ)を食べます。

<名前の由来>
 前翅の端を意味する褄(ツマ)が黒(クロ)色になっている黄色いチョウという意味で命名されました。

<備考>
 夏型と秋型があります。環境省レッドデータブック絶滅危惧TB類

ツマグロチョウの秋型(しろちょう科) 2019年10月5日午後、東部丘陵で撮影

 2019年10月5日午後、東部丘陵で撮影しましたが、飛翔しているところはうまく撮れませんでした。


モンキチョウ(しろちょう科)

モンキチョウ(紋黄蝶)
学 名 Eurema hecabe
科 名 しろちょう科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)22-33mm
(開張)40-50mm
生育地 公園、畑地、河原など
<特徴>
 早春から晩秋まで、畑地、草原、河原、公園などで、一般的に見られる黄色っぽいチョウですが、メスには白っぽいのがいて、一見モンシロチョウと見間違えることもあります。各種の花で蜜を吸っていますが、動きが活発で、なかなか撮れない時があります。幼虫はアカツメクサ、シロツメクサ、クサフジなどを食べます。

<名前の由来>
 羽に紋のある黄色いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。

モンキチョウの春型♂(しろちょう科) 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影

 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。

モンキチョウの夏型♀(しろちょう科) 2019年6月17日午後、道樹山麓で撮影

 2019年6月17日午後、道樹山麓で撮影しましたが、アカツメグサの花で吸蜜していました。


ツマキチョウ(しろちょう科)

ツマキチョウ(褄黄蝶)
学 名 Anthocharis scolymus
科 名 しろちょう科 
時 期 年1回、3月〜5月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)40-50mm
生育地 平地から山地の河川沿い、林縁など
<特徴>
 早春に年1回だけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、北海道〜九州の平地から山地の河川沿い、林縁等の開けたところで見られます。翅の裏側は、木の葉っぱのような迷彩色をしていて、目立たなくなっています。翅の表側は、白色で前翅に黒点があり、オスでは端が黄色になっていて、メスとの識別が容易です。飛び方は、他のシロチョウと比べて直線的で、翅を半開きにして花にとまります。幼虫は、アブラナ科植物(ハタザオ、タネツケバナ、イヌガラシ、ナズナ、ダイコンなど)の花や果実を食べます。

<名前の由来>
 白色で前翅の端を意味する褄(ツマ)が黄(キ)色になっているチョウということで名付けられています。

<備考>
 季節型はありません。

ツマキチョウ♂(しろちょう科) 2019年4月8日午後、西高森山麓で撮影 

 2019年4月8日午後、西高森山麓で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

ツマキチョウ♂♀(しろちょう科) 2019年4月22日午後、道樹山麓で撮影 

 2019年4月22日午後、道樹山麓で撮影しましたが、数頭が飛び交っていました。


モンシロチョウ(しろちょう科) 

モンシロチョウ(紋白蝶)
学 名 Pieris rapae
科 名 しろちょう科 
時 期 年6〜7回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)44-46mm
生育地 キャベツ畑など
<特徴>
 春から秋まで、日本中で普通に見られるチョウで、最もなじみの深いものの一つです。野原や畑などを白っぽいチョウがフワフワと飛んでいて、いろいろな花にとまって蜜を吸ったりしています。幼虫は、キャベツや大根の葉を食するので、害虫にされています。モンキチョウのメスやスジグロシロチョウと見間違えることがあります。

<名前の由来>
 羽に紋のある白いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、春型は小型で黒っぽい感じがします。

モンシロチョウの春型♂(しろちょう科) 2019年4月1日午後、筑水の森付近で撮影

 2019年4月1日午後、筑水の森付近で撮影しましたが、菜の花で吸蜜しているところを接写しました。

モンシロチョウの春型♂(しろちょう科) 2019年4月13日午後、道樹山麓で撮影

 2019年4月13日午後、道樹山麓で撮影しましたが、タンポポの花で吸蜜しているところを接写しました。

モンシロチョウの夏型♂♀(しろちょう科) 2019年7月30日午前、道樹山麓で撮影

 2019年7月30日午前、道樹山麓で撮影しましたが、オスとメスが交尾しているところを接写しました。


スジグロシロチョウ(しろちょう科) 

スジグロシロチョウ
(筋黒白蝶)
学 名 Pieris melete
科 名 しろちょう科 
時 期 年4〜5回、3月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-35mm
(開張)50-60mm
生育地 低地の林周辺、耕作地、市街地など
<特徴>
 初春から秋まで、低地の林周辺、耕作地、市街地など、一般的に見られる白色っぽいチョウですが、一見モンシロチョウやエゾスジグロシロチョウと見間違えることもあります。翅の裏側は、白色で黒斑と黒い筋があります。翅の表側は、白色地に黒斑と黒い筋があります。幼虫は、アブラナ科植物(イヌガラシ、ハタザオなど)を食べます。

<名前の由来>
 シロチョウの仲間で、羽に黒い筋があるチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。

スジグロシロチョウ春型♀(しろちょう科) 2019年6月4日午前、玉野町で撮影

 2019年6月4日午前、玉野町で撮影しましたが、葉上に止まっていたので接写しました。


ウラギンシジミ(しじみちょう科)

ウラギンシジミ (裏銀小灰)
学 名 Curetis acuta
科 名 しじみちょう科 
時 期 年2〜5回、6月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)19-27mm
(開張)37-40mm
生育地 林縁、市街地など

<特徴>
 初夏から秋まで、林縁や市街地などで見かけるモンシロチョウより少し小さいくらいのシジミチョウです。翅の裏側は銀白色をしていますが、表側はオスが茶褐色地にオレンジ色の紋、メスは茶色地に青灰色の紋を持っています。幼虫は、マメ科植物(フジ、クズ、クララなど)の花やつぼみを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏が白っぽく銀色に見えることから名付けられました。

<備考>
 シジミチョウの仲間では大型です。

ウラギンシジミ♂ (しじみちょう科) 2019年6月4日午前、外之原町で撮影

 2019年6月4日午前、外之原町で撮影しましたが、葉上で翅を開いたところを接写しました。


ムラサキシジミ(しじみちょう科)

ムラサキシジミ(紫小灰)
学 名 Narathura japonica
科 名 しじみちょう科
時 期 年2〜4回、6月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)14-22mm
(開張)30-40mm  
生育地 常緑林など
<特徴>
 初夏から秋まで、常緑林周辺などで見られる、シジミチョウの一種ですが、成虫で越冬するので、冬から春に見られることもあります。翅の表側は紫藍色部分を囲むように外縁黒帯がありますが、メスの方が広くなります。裏側は、目立たない黒褐色で、黒っぽい斑と帯が見られます。林の中をすばやく飛翔しますが、たまに低木で羽を休めてくれるので撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(アラカシ、アカガシ、イチイガシなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が紫(ムラサキ)色に輝いて見えることから名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。
ムラサキシジミ♀(しじみちょう科) 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影

 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影しましたが、しばらく葉上に止まっていたので、接写できました。

ムラサキシジミ♀(しじみちょう科) 2019年6月17日午後、道樹山麓で撮影

 2019年6月17日午後、道樹山麓で撮影しましたが、しばらく葉上に止まっていたので、接写できました。

ムラサキシジミ♂(しじみちょう科) 2020年6月20日午前、玉野町で撮影

 2020年6月20日午前、玉野町で撮影しましたが、葉上に止まって翅を開いたところを接写しました。


ウラゴマダラシジミ(しじみちょう科)

ウラゴマダラシジミ
(裏胡麻斑小灰)
学 名 Artopoetes pryeri
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、5月〜6月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)17-25mm
(開張)40-45mm  
生育地 平地から山地の山沿いの樹林周辺等
<特徴>
 年1回、晩春〜初夏に平地から山地の山沿いの樹林周辺などで見られる、シジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は青白色分を囲むように外縁黒帯があります。裏側は白地に黒小点(胡麻斑)列が目立ちます。オスは表側の白斑がメスより広くなることで識別できます。林の中をぬうように緩やかに飛翔しますが、たまに低木で羽を休めてくれるので撮影できます。幼虫は、モクセイ科植物(イボタノキ、ミヤマイボタ、オオバイボタ、サイゴクイボタなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の裏側に胡麻斑(ゴマダラ)が見られることから名付けられました。

<備考>
 各地で微妙な地理的な変異があります。

ウラゴマダラシジミ(しじみちょう科) 2019年6月4日午後、玉野町で撮影

 2019年6月4日午後、玉野町で撮影しましたが、翅は開いてくれませんでした。


ミズイロオナガシジミ(しじみちょう科)

ミズイロオナガシジミ
(水色尾長小灰)
学 名 Antigius attilia
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)11-18mm
(開張)25-35mm  
生育地 平地の雑木林周辺
<特徴>
 年1回初夏に、北海道〜九州の平地の雑木林周辺などで普通に見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、黒褐色で、後翅の外縁に小さな白色斑があります。裏側は白色地ですが、後翅の外縁に水色の斑紋が見られ、中央部には黒帯が目立ちます。また、しっぽ(尾状突起)が長いのが特徴です。夕方は、木々の間を飛びまわっていますが、昼間は木葉や草の上で休んでいますので、撮影のチャンスがあります。幼虫は、ブナ科植物(コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、飛ぶと水色(ミズイロ)っぽく見え、尾状突起が長い(オナガ)ところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。
ミズイロオナガシジミ(しじみちょう科) 2019年6月11日昼、内津峠付近で撮影

 2019年6月11日昼、内津峠付近で撮影しましたが、葉上で止まっていたところを接写しました。

ミズイロオナガシジミ(しじみちょう科) 2020年6月9日午前、五ヶ村池付近で撮影

 2020年6月9日午前、五ヶ村池付近で撮影しましたが、葉上で止まっていたところを接写しました。


アカシジミ(しじみちょう科)

アカシジミ
(赤小灰)
学 名 Japonica lutea
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、5月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)16-22mm
(開張)35-42mm
生育地 平地、低山のコナラ、クヌギの雑木林等
<特徴>
 年1回、晩春から初夏に平地、低山のコナラ・クヌギの雑木林などで見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、赤っぽい橙色で、裏側は橙色の地に銀白色の条線が見られます。オスは夕方になると盛んに飛びまわりますが、日中は林の中等で休んでいるので、撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(クヌギ、コナラ、カシワ、ミズナラなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、表側も裏側も赤(アカ)っぽく見えるところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。

アカシジミ(しじみちょう科) 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影

 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影しましたが、葉上にしばらく止まっていたので接写出来ました。

アカシジミ(しじみちょう科) 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影

 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影しましたが、葉上や地表にしばらく止まっていたので接写出来ました。


ウラナミアカシジミ(しじみちょう科)

ウラナミアカシジミ
(裏波赤小灰)
学 名 Japonica saepestriata
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜四国
大きさ (前翅長)16-23mm
(開張)40mm前後
生育地 平地、低山の雑木林等
<特徴>
 年1回、初夏に平地、低山の雑木林などで見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、赤っぽい橙色で、裏側は黄色地に黒色の波模様が目立ちます。オスは夕方になると盛んに飛びまわりますが、日中は林の中等で休んでいるので、撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(クヌギ、コナラ、アベマキなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の裏(ウラ)側に波(ナミ)模様があり、表側が赤(アカ)っぽく見えるところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。

ウラナミアカシジミ(しじみちょう科) 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影

 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影しましたが、葉上にしばらく止まっていたので、接写できました。


コツバメ(しじみちょう科)

コツバメ (小燕)
学 名 Callophrys ferrea
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、3月〜4月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)11-16mm
(開張)20-25mm
生育地 雑木林周辺など
<特徴>
 早春に年1回だけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、雑木林の周辺で見られる小型のシジミチョウの一種です。翅の裏側は茶褐色で、胴体が毛深いのがわかります。表側は、青色ですが、オスは黒みがかり、メスは鮮やかさがあります。また、尾状突起がないのも特徴です。飛ぶときは敏捷で、オスは占有行動をとります。幼虫はツツジ科やバラ科、スイカズラ科などの各種植物の花穂を食します。

<名前の由来>
 黒っぽくて敏捷に飛ぶので、まるで小さなツバメのようだと命名されました。

<備考>
 季節差はありません。

コツバメ(しじみちょう科) 2019年4月5日午後、大谷山頂付近で撮影

 2019年4月5日午後、大谷山頂(標高425m)付近で撮影しましたが、葉や地表に止まったりしていました。


トラフシジミ(しじみちょう科)

トラフシジミ (虎斑小灰)
学 名 Rapala arata
科 名 しじみちょう科
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)18-21mm
(開張)32-40mm
生育地 平地から高原
<特徴>
 ふつう年2回成虫が出現し、春〜夏に平地から高原で見られるシジミチョウの一種です。翅の裏側は褐色で、白帯が縞模様のように見えます。表側は、藍色ですが、オスは後翅基部に三角形の性標が現れます。飛ぶときは素早いのですが、すぐ葉の上にとまるのでシャッターチャンスがあります。幼虫はマメ科やツツジ科、ユキノシタ科などの植物の花や実を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、褐色と白帯の縞模様を虎斑(トラフ)に見立てて、命名されました。

<備考>
 春型は夏型に比べ、白帯がはっきりしてコントラストが強くなります。

トラフシジミの春型(しじみちょう科) 2019年5月6日午後、外之原町で撮影

 2019年5月6日午後、外之原町で撮影しましたが、逆光で4カット撮らせてくれただけで、飛んでいってしまいました。

トラフシジミの夏型(しじみちょう科) 2019年6月26日午後、西高森山麓で撮影

 2019年6月26日午後、西高森山麓で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。


ベニシジミ(しじみちょう科)

ベニシジミ(紅小灰)
学 名 Lycaena phlaeas
科 名 しじみちょう科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-19mm
(開張)27-35mm
生育地 草地、荒地、畑地、湿地など
<特徴>
 早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られ、小型ですが、オレンジ色が目立つためにしばしば目を引きます。特に、春型が鮮やかで、近づいて観察するととても愛らしいのです。地面近くを忙しそうに飛び、各種の花にとまって蜜を吸ったりしていますが、あまり動かない時もあって、よくカメラに収まってくれます。幼虫は、スイバ、ギシギシ、ノダイオウなどを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、紅色をしているので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、春型の方が色が鮮やかです。

ベニシジミの春型(しじみちょう科) 2019年4月1日午後、筑水の森付近で撮影

 2019年4月1日午後、筑水の森付近で撮影しましたが、地表の枯草の上に止まっていました。

ベニシジミの春型♂(しじみちょう科) 2019年4月20日午後、西高森山麓で撮影

 2019年4月20日午後、西高森山麓で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。


ウラナミシジミ (しじみちょう科)

ウラナミシジミ (裏波小灰)
学 名 Lampides boeticus
科 名 しじみちょう科 
時 期 年5〜6回、7月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)13-18mm
(開張)28-34mm
生育地 耕作地、河川敷など

<特徴>
 夏から秋まで、本州から沖縄の耕作地や河川敷などで見られるシジミチョウの仲間です。翅の裏側は、白と褐色のさざ波模様があり、後翅隅に2つの黒斑と橙色の部分が見られます。表側は、青紫色ですが、メスではまわりの黒縁取りが大きくなります。幼虫は、マメ科植物(フジマメ、アヅキ、クズなど)のつぼみ、花、実を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏(ウラ)側にさざ波(ナミ)模様があるので、この名が付きました。

<備考>
 食草を求めて北へ北へと移動する習性を持っています。

ウラナミシジミ (しじみちょう科) 2019年10月1日昼、道樹山麓で撮影 

 2019年10月1日昼、道樹山麓で撮影しましたが、花や葉上に止まっていました。


ヤマトシジミ (しじみちょう科) 

ヤマトシジミ (大和小灰)
学 名 Pseudozizeeria maha
科 名 しじみちょう科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)9-16mm
(開張)20-28mm
生育地 道端、野原、庭など

<特徴>
 早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られる、小型のシジミチョウです。翅の裏側には、灰色地に黒い斑紋列が見られます。表側は少し光沢のある空色ですが、メスは黒っぽいものが見られます。地表近くを忙しげに飛んで、シロツメクサなどで吸蜜していますが、動きが速いのでなかなかシャッターを切らせてくれません。幼虫はカタバミを食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、日本(ヤマト)に広く分布していることから名付けられました。

<備考>
 カタバミのあるところに出没します。

ヤマトシジミ♀ (しじみちょう科) 2019年4月18日午後、玉野町で撮影

 2019年4月18日午後、玉野町で撮影しましたが、葉上に止まっていたところを接写しました。

ヤマトシジミ♂ (しじみちょう科) 2019年4月20日午後、西高森山麓で撮影

 2019年4月20日午後、西高森山麓で撮影で撮影しましたが、葉上に止まっていたところを接写しました。

ヤマトシジミ♂ (しじみちょう科) 2019年5月22日午後、玉野町で撮影

 2019年5月22日午後、玉野町で撮影しましたが、石の上に止まっていたところを接写しました。

ヤマトシジミ♂♀ (しじみちょう科) 2019年7月28日午後、西高森山麓で撮影

 2019年7月28日午後、西高森山麓で撮影しましたが、葉の上でオスとメスが交尾しているところを接写しました。


ルリシジミ(しじみちょう科)

ルリシジミ(瑠璃小灰)
学 名 Celastrina argiolus
科 名 しじみちょう科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本各地
大きさ (前翅長)12-19mm
(開張)27-33mm
生育地 草地、雑木林周辺、人家周辺など
<特徴>
 春から秋まで、雑木林や人家の周辺を忙しげに飛んでいる、白っぽいシジミチョウです。翅の裏側は、灰色地に小さい黒斑が並んでいます。表側は青色ですが、メスでは薄く縁の黒っぽい部分が広くなります。幼虫は、マメ科、ミズキ科、バラ科など、各種の植物の花やつぼみを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が瑠璃(ルリ)色をしているので名付けられました。

<備考>
 季節差はほとんどありません。

ルリシジミ (しじみちょう科) 2019年6月4日午後、玉野町で撮影

 22019年6月4日午後、玉野町で撮影しましたが、地表や葉上に止まっていたものの、表側は撮れませんでした。


ツバメシジミ (しじみちょう科)

ツバメシジミ (燕小灰)
学 名 Everes argiades
科 名 しじみちょう科
時 期 年4回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)9-19mm
(開張)25mm前後
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 春から秋まで、草地や河原で普通に見られる小型のシジミチョウです。後翅の裏側には、オレンジ色の紋があり、表側はオスは、青紫色ですが、メスは黒っぽくなります。また、後翅に糸のような短い尾(尾状突起)があるのが特徴です。地表近くを軽々と飛んでいて、時々各種の花や地表にとまります。幼虫は、マメ科植物(シロツメクサ、ゲンゲ、ナンテンハギ、ヤマハギ、コマツナギなど)を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、後羽にツバメの尾のような細長い突起があることから名付けられました。

<備考>
 日当たりの良い場所を好みます。

ツバメシジミの春型♂(しじみちょう科) 2019年4月8日午後、筑水池付近で撮影

 2019年4月8日午後、筑水池付近で撮影しましたが、葉上や花に止まっていました。

ツバメシジミの春型♀(しじみちょう科) 2019年4月13日午後、道樹山麓で撮影

 2019年4月13日午後、道樹山麓で撮影しましたが、葉上に止まっていたので結構接写が出来ました。


ミドリヒョウモン(たてはちょう科)

ミドリヒョウモン(緑彪紋)
学 名 Argynnis paphia
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)31-40mm
(開張)65-75mm
生育地 平地から亜高山帯の雑木林周辺など
<特徴>
 年1回の発生で、6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動するタテハチョウの一種です。翅の裏側は、薄緑色の地に銀白色の帯が3本見られます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られます。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅の裏側が緑(ミドリ)色ぽくなっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 オスには前翅の表側に性標が3本みられます。

ミドリヒョウモン♂(たてはちょう科) 2019年10月10日午前、西尾町で撮影

 2019年10月10日午前、西尾町で撮影しましたが、夏眠後のものと思われ、翅が痛んでいました。

ミドリヒョウモン♀(たてはちょう科) 2020年9月28日午前、玉野町で撮影

 2020年9月28日午前、玉野町で撮影しましたが、木の幹に止まっていたところを接写しました。


ツマグロヒョウモン(たてはちょう科)

ツマグロヒョウモン(褄黒彪紋)
学 名 Argyreus hyperbius
科 名 たてはちょう科
時 期 多化性、4月〜11月
分 布 本州(近畿以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)27-38mm
(開張)70-80mm
生育地 河原、畑地、草原、市街地など
<特徴>
 多化性で、春から晩秋に、本州(近畿以西)から沖縄の河原、畑地、草原、市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に斑模様がありますが、前翅には赤色部分が表れます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、メスの前翅の先は黒紫になり、白い帯があります。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 メスの前翅の端を意味する褄(ツマ)が黒(クロ)色になっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 季節型はありませんが、オスとメスでかなり模様が異なります。

ツマグロヒョウモン♀(たてはちょう科) 2019年5月8日午後、西高森山麓で撮影

 2019年5月8日午後、西高森山麓で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。

ツマグロヒョウモン♂(たてはちょう科) 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影

 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。


ウラギンヒョウモン(たてはちょう科)

ウラギンヒョウモン(裏銀彪紋)
学 名 Fabriciana adippe
科 名 タテハチョウ科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)27-36mm
(開張)55mm前後
生育地 本州では山地など
北海道では平地など
<特徴>
 年1回の発生で、成虫は6月〜7月頃あらわれますが、低地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動します。本州以西では主に山地、北海道では平地でも見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、緑がかった褐色の地に白銀の斑模様が見られますが、後翅亜外縁には褐色の紋が並んでいます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られます。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽の裏(ウラ)側に、銀(ギン)色に見える斑模様を持つ、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 オスよりメスの方がやや大きく、オスには、前翅表に2本の性標がみられます。
ウラギンヒョウモン♀(たてはちょう科) 2019年10月15日午前、八池付近(玉野町)で撮影

 2019年10月15日午前、八池付近(玉野町)で撮影しましたが、地表に止まっているところを望遠で捉えたものの、翅がそうとう傷んでいました。

ウラギンヒョウモン♀(たてはちょう科) 2020年9月28日午前、鯏川沿い(木附町)で撮影

 2020年9月28日午前、鯏川沿い(木附町)で撮影しましたが、ヒャクニチソウの花で吸蜜しているところを望遠で捉えました。


アサマイチモンジ(たてはちょう科)

アサマイチモンジ(浅間一文字)
学 名 Limenitis glorifica 
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、5月〜10月
分 布 本州
大きさ (前翅長)27-38mm
(開張)45-55mm
生育地 雑木林周辺、都市郊外など
<特徴>
 年2〜3回発生し、春から初秋にかけて本州の雑木林周辺、都市郊外などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に、白帯と黒の斑模様が見られます。翅の表側は、黒褐色の地に白い帯が目立ち、羽を開いているときには、1本の帯のように見えます。イチモンジチョウと酷似していますが、前翅第3室の白斑が明瞭なことと、外縁の白色斑紋がはっきりと現れないことで区別します。あまり羽をはばたかずに滑空するように飛翔しますが、比較的低いところを飛び、時々枝や葉にとまるので撮影出来ます。幼虫は、スイカズラ科植物(スイカズラ、ヒョウタンボク、タニウツギ、ハコネウツギ、ニシキウツギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開くと、前翅と後翅の模様が繋ながって、白い帯が、一(イチ)の文字(モンジ)のように見え、最初に浅間山で発見されたのでこの名が付きました。

<備考>
 季節型はありません。

アサマイチモンジ(たてはちょう科) 2019年7月12日午後、西尾町で撮影

 2019年7月12日午後、西尾町で撮影しましたが、葉上に止まっていたところを望遠で捉えました。

アサマイチモンジ(たてはちょう科) 2019年8月5日午前、内津町で撮影

 2019年8月5日午前、内津町で撮影しましたが、葉上に止まって翅を開閉していました。

アサマイチモンジ(たてはちょう科) 2020年5月20日午前、玉野町で撮影

 2020年5月20日午前、玉野町で撮影しましたが、フェンスに止まっているところを望遠で捉えました。

 

コミスジ(たてはちょう科)

コミスジ(小三筋)
学 名 Neptis sappho
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-30mm
(開張)45-54mm
生育地 都市郊外、山地、林縁
<特徴>
 春から秋まで、林縁や都市郊外などでも普通に見られる小さめのタテハチョウです。翅の裏側は茶色地に白線が入り、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。羽をパタパタさせながら、スーッと飛ぶ独特な飛翔を見せますが、ちょっと鈍感なのか、近づいても動かないことがあるので、結構カメラに収まってくれます。幼虫はマメ科植物(クズ、フジ、ヤマハギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されたのですが、その中では小型なので頭に「コ」がつきました。

<備考>
 オスとメスが似ています。

コミスジ(たてはちょう科) 2019年5月6日午後、外之原町で撮影

 2019年5月6日午後、外之原町で撮影しましたが、しばらく葉上に止まっていたので接写できました。

コミスジ(たてはちょう科) 2019年7月12日午後、西尾町で撮影

 2019年7月12日午後、西尾町で撮影しましたが、地表や葉上にしばらく止まっていたので接写しました。


ホシミスジ(たてはちょう科)

ホシミスジ(星三筋)
学 名 Neptis pryeri
科 名 たてはちょう科
時 期 通常年1回、6月〜7月
西日本は年2〜3回、5月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)23-34mm
(開張)60mm前後
生育地 樹林周辺、草地、露岩地、市街地
<特徴>
 通常年1回初夏に、西日本では年2〜3回、春から秋に成虫が発生し、樹林周辺、草地、露岩地、市街地などで見ることができるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は茶色地に白線が入り、後翅基部に星のような黒斑あるので、コミスジやミスジチョウなどと識別できます。また、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。軽やかに飛び、なかなかとまらないので、撮影には苦労します。幼虫は、バラ科植物(シモツケ、ホザキシモツケ、イワシモツケ、アイズシモツケ、イブキシモツケ、イワガサなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されたのですが、その中でも後翅裏側の基部に星(ホシ)のような黒斑があるのでこの名が付きました。

<備考>
 メスはオスよりやや大きく、翅が丸味をおびます。

ホシミスジ(たてはちょう科) 2020年6月9日午前、西尾町で撮影

 2020年6月9日午前、西尾町で撮影しましたしましたが、木の上の方に止まったのを望遠で捉えました。

ホシミスジ(たてはちょう科) 2020年8月1日午前、筑水の森で撮影

 2020年8月1日午前、筑水の森で撮影しましたしましたが、葉上に止まったところを接写しました。


キタテハ(たてはちょう科)

キタテハ(黄立翅)
学 名 Polygonia c-aureum
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜5回、5月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-34mm
(開張)50-62mm
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 春から秋にかけて、草地、河川堤防などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしています。表側は、黄色地に黒い紋がありますが、夏型は地色が黄色っぽく、秋型は地色がオレンジっぽくなります。活発に飛び回っていますが、たまに、地上に静止することがあるので、カメラにも収まってくれます。幼虫は、クワ科のカナムグラを食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも黄色っぽいので名付けられました。

<備考>
 夏型と秋型があり、秋型は成虫で越冬し、春になると飛び出します。

キタテハの秋型(たてはちょう科) 2019年4月8日午後、西高森山麓で撮影

 2019年4月8日午後、西高森山麓で撮影しましたが、越冬した秋型です。

キタテハの夏型(たてはちょう科) 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影

 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影しましたが、夏型です。


ヒオドシチョウ(たてはちょう科)

ヒオドシチョウ(緋縅蝶)
学 名 Nymphalis xanthomelas
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)32-42mm
(開張)70mm前後
生育地 平地から山地の樹林周辺、市街地など
<特徴>
 初夏に、平地から山地の樹林周辺、市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は木肌模様で、目立ちませんが、表側は、褐色の地に黒斑と黒縁(青色が交じる)が見られ、体と翅の付け根に毛があります。幼虫は、ニレ科植物(エノキ、エゾエノキ、ハルニレなど)、ヤナギ科植物(オオバヤナギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽の表側の模様を、昔の武士が身に着けた緋縅(ヒオドシ)の鎧に見立てて名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬するので、春先に見られる場合があります。

ヒオドシチョウ(たてはちょう科) 2019年4月5日午後、大谷山頂付近で撮影

 2019年4月5日午後、大谷山頂(標高425m)付近で撮影しましたが、縄張りを張って、巡回していました。

ヒオドシチョウ(たてはちょう科) 2019年4月5日午後、弥勒山頂で撮影

 2019年4月5日午後、弥勒山頂(標高437m)で撮影しましたが、しばらく地表に止まっていたので接写しました。


ルリタテハ(たてはちょう科)

ルリタテハ(瑠璃立翅)
学 名 Kaniska canace
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-44mm
(開張)55-65mm
生育地 市街地、山地など
<特徴>
 初夏から秋まで、市街地から山地まで見ることができるタテハチョウの一種です。翅の裏側は木肌模様で、目立ちませんが、表側は黒地に瑠璃(ルリ)色の帯があり、前翅には白い模様も見られます。とても敏捷に飛びまわり、樹上や路上では羽を開いて休みますが、樹液を吸う時などは、羽を閉じるので目立たなくなります。幼虫はユリ科植物(サルトリイバラ、ホトトギスなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、翅の表側に瑠璃(ルリ)色の帯があるので、名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。また、メスがオスよりやや大きいのです。本土亜種と南西諸島亜種があります。

ルリタテハ(たてはちょう科)本土亜種 2019年4月8日午後、筑水の森で撮影

 2019年4月8日午後、筑水の森で撮影しましたが、地表に止まって翅を開閉していました。


アカタテハ(たてはちょう科)

アカタテハ(赤立翅)
学 名 Vanessa indica
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜4回、5月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)30-35mm
(開張)60mm前後
生育地 山地から平地の田畑、市街地など
<特徴>
 春から晩秋にかけて、日本各地の山地から平地の田畑や市街地などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、表側は、赤褐色地に黒い斑紋があり、前翅には白斑紋も見られます。活発に飛び回っていて、なかなかシャッターを切らせてくれません。幼虫は、イラクサ科植物(カラムシ、ヤブマオなど)、ニレ科植物(ケヤキ、ハルニレなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも赤(アカ)色っぽいので、この名前が付きました。

<備考>
 季節型はなく、成虫で越冬します。オスとメスはよく似ていて、識別が難しいのです。

アカタテハ(たてはちょう科) 2019年4月5日午後、弥勒山頂で撮影

 2019年4月5日午後、弥勒山頂(標高437m)で撮影しましたが、越冬した個体だと思われます。


ヒメアカタテハ(たてはちょう科)

ヒメアカタテハ(姫赤立翅)
学 名 Cynthia cardui
科 名 たてはちょう科
時 期 多化性、5月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-33mm
(開張)55mm前後
生育地 平地から山地の草地、畑地、市街地など
<特徴>
 春から晩秋にかけて、日本各地の平地から山地の草地、畑地、市街地などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、表側は、褐色地に黒い斑紋があり、前翅には白斑紋も見られます。活発に飛び回っていますが、時々、花や地上に静止することがあるので、結構シャッターも切らせてくれます。幼虫は、キク科植物( ヨモギ、ハハコグサ、ゴボウなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも赤(アカ)色っぽく、アカタテハに比べて、やや小さく愛らしいので姫(ヒメ)が付きました。

<備考>
 暖地では、成虫で越冬するので早春に見られることもあります。オスとメスはよく似ていて、識別が難しいのです。

ヒメアカタテハ(たてはちょう科) 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影

 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影しましたが、畑の脇のネットに止まっていたので接写しました。

ヒメアカタテハ(たてはちょう科) 2019年6月1日午後、弥勒山頂で撮影

 2019年6月1日午後、弥勒山頂(標高437m)で撮影しましたが、しばらく地表に止まっていたので接写しました。


ヒメウラナミジャノメ(じゃのめちょう科)

ヒメウラナミジャノメ
(姫裏波蛇目)
学 名 Ypthima argus
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年3〜5回、3月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)18-24mm
(開張)33-40mm
生育地 草地、林縁など
<特徴>
 早春から秋まで、草地や林縁などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に、さざ波のような模様が出ていて、蛇の目模様が前翅に1個、後翅に5個以上見られます。表側は茶色の地色に大きな蛇の目模様が前翅左右に1個ずつ、後翅左右に2個ずつが目立ちます。草の上を低空で、リズミカルに飛んで、各種の花で吸蜜します。幼虫はカヤツリグサ科・イネ科植物(チジミザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、小さく愛らしいのでヒメ(姫)、翅の裏側がさざ波のような模様になっているので(裏波)が付きました。

<備考>
 

ヒメウラナミジャノメ(じゃのめちょう科) 2019年5月10日午後、西尾町で撮影

 2019年5月10日午後、西尾町で撮影しましたが、葉上や木に止まっていたので接写しました。

ヒメウラナミジャノメ(じゃのめちょう科) 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影

 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影しましたが、葉上に止まっていたので接写しました。


ジャノメチョウ(じゃのめちょう科)

ジャノメチョウ(蛇目蝶)
学 名 Minois dryas
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年1回、7月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)28-42mm
(開張)50-70mm
生育地 草原、河川堤防、林縁など
<特徴>
 年1回夏に、草原、河川堤防、林縁などで普通に見られる大型のジャノメチョウです。翅の裏側は、茶色の地色に大小の蛇の目模様が並んでいます。表側は、オスは褐色、メスは茶褐色で、いずれも前翅に2〜3個、後翅に1個の蛇の目模様がみられますが、前翅の方が大きく見えます。比較的明るいところを好み、草原を低くリズミカルに飛んでいたりしますが、なかなかカメラには収まってくれません。幼虫は、カヤツリグサ科植物(ショウジョウスゲ、ヒカゲスゲ、ノガリヤスなど)、イネ科植物(ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い紋(蛇の目)があることで命名されました。

<備考>
 オスよりメスの方が大きいです。

ジャノメチョウ♂(じゃのめちょう科)  2019年7月2日午後、道樹山麓で撮影

 2019年7月2日午後、道樹山麓で撮影しましたが、しばらく葉上に止まっていたので、接写できました。

ジャノメチョウ♀(じゃのめちょう科)  2019年9月14日昼、隠山池付近で撮影

 2019年9月14日昼、隠山池付近で撮影しましたが、しばらく葉上に止まって、翅を開閉していたので、接写できました。

ジャノメチョウ♂(じゃのめちょう科)  2020年6月20日午前、玉野町で撮影

 2020年6月20日午前、玉野町で撮影しましたが、しばらく葉上に止まっていましたが、一瞬翅を開いたので、接写しました。


ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科)

ヒカゲチョウ(日陰蝶)
学 名 Lethe sicelis
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)25-34mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から低山地の樹林など
<特徴>
 春から初秋まで、平地から低山地の樹林などで見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は灰褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様が見られます。表側は灰褐色の地色に、後翅に小さな蛇の目模様があります。幼虫は、イネ科植物(マダケ、アズマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて、曇天や夕刻などに日陰(ヒカゲ)をよく飛びまわる蝶なので命名されました。

<備考>
 ナミヒカゲと呼ばれる場合があります。

ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科) 2019年6月1日午後、弥勒山頂で撮影

 2019年6月1日午後、弥勒山頂(標高437m)で撮影しましたが、木の幹に止まって翅を開閉させていました。

ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科) 2019年8月26日午前、道樹山頂で撮影

 2019年8月26日午前、道樹山頂(標高429m)で撮影しましたが、地表に止まって翅を開閉させていました。


クロヒカゲ(じゃのめちょう科)

クロヒカゲ(黒日陰)
学 名 Lethe diana
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)23-33mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から亜高山帯
<特徴>
 春から初秋まで、平地から亜高山帯などで広く見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黒褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様が見られます。表側は黒褐色の地色に小さな蛇の目模様があります。俊敏に飛ぶので、なかなかカメラには収まってくれません。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、ネザサ、クマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、黒っぽい色をしているので命名されました。

<備考>
 メスはオスに比べて翅の表側の色がやや淡いのです。本土亜種と御蔵島亜種があります。

クロヒカゲ(じゃのめちょう科) 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影

 2019年5月27日午後、道樹山麓で撮影しましたが、葉上にしばらく止まっていました。


サトキマダラヒカゲ(じゃのめちょう科)

サトキマダラヒカゲ
(里黄斑日陰)
学 名 Neope goschkevitschii
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年1〜2回、5月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)26-39mm
(開張)60-65mm
生育地 平地から低山地の雑木林の周辺など

<特徴>
 春から夏まで、平地から低山地の雑木林の周辺などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は白と黄と黒の入り交じった文様で、蛇の目模様が並んでいます。表側は、茶褐色の地色に橙黄色の斑と線が見られます。樹木や地面に時々とまりますが、羽を閉じているので、飛翔時以外に表側を撮影するのは難しいのです。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、シナノザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、里(サト)で多く見られ、黄色の斑(キマダラ)模様があるので命名されました。

<備考>
 ヤマキマダラヒカゲとよく似ていて、識別はなかなか難しいのです。

サトキマダラヒカゲの夏型(じゃのめちょう科) 2019年7月28日午後、西高森山麓で撮影 

 2019年7月28日午後、西高森山麓で撮影しましたが、暗い木陰でシャッターを切りました。

サトキマダラヒカゲの夏型(じゃのめちょう科) 2019年8月3日午前、西尾町で撮影 

 2019年8月3日午前、西尾町で撮影しましたが、葉上にしばらく止まっていたので、接写しました。


ヒメジャノメ(じゃのめちょう科)

ヒメジャノメ(姫蛇目)
学 名 Mycalesis gotama
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 北海道(南部)〜九州
大きさ (前翅長)18-31mm
(開張)33-40mm
生育地 人家周辺、樹林周辺
<特徴>
 春から秋まで、人家や樹林周辺などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白線と大小の蛇の目模様が並んでいます。表側は茶色の地色に大小の蛇の目模様が前翅左右にそれぞれ1個ずつ目立ちますが、後翅左右の蛇の目模様は小さくてはっきりしない場合があります。林の近くを軽々とリズミカルに飛んでいますが、たまに葉や地表にとまるのでシャッターを切れるときがあります。幼虫はカヤツリグサ科・イネ科植物(チジミザサ、ススキ、アシボソ、メダケなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、小さく愛らしいのでヒメ(姫)が付きました。

<備考>
 夏型は前翅の蛇の目模様が大きいです。

ヒメジャノメ♂(じゃのめちょう科) 2019年6月6日午後、筑水の森付近で撮影

 2019年6月6日午後、筑水の森付近で撮影しましたが、葉上で小休止したところを接写しました。

ヒメジャノメ♂(じゃのめちょう科) 2019年7月28日午後、筑水の森付近で撮影

 2019年6月6日午後、筑水の森付近で撮影しましたが、葉上で小休止したところを接写しました。


コジャノメ(じゃのめちょう科)

コジャノメ(小蛇目)
学 名 Mycalesis francisca
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)40-50mm
生育地 雑木林内や周辺
<特徴>
 春から秋まで、本州から九州の雑木林内やその周辺の暗い環境を好むジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黒褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様が並んでいますが、地色が濃く、白線が少し湾曲し、やや紫がかっていることで、ヒメジャノメと区別されます。表側は茶色の地色に、前翅では大小2つの蛇の目模様が左右にあり、後翅では小さいのが左右に一つずつあります。飛び方は、比較的緩やかで、葉や地表にとまりやすいので、シャッターを切れるチャンスがあります。幼虫はイネ科植物(チジミザサ、ススキ、アシボソ、アブラススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、ジャノメチョウより小さいのでコ(小)が付きました。

<備考>
 夏型は前翅の蛇の目模様が大きくなります。

コジャノメ(じゃのめちょう科) 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影

 2019年6月1日午後、弥勒山で撮影しましたが、木の幹に止まっているところを接写しました。

コジャノメ♂(じゃのめちょう科) 2019年6月1日午後、大谷山頂付近で撮影

 2019年6月1日午後、大谷山頂(標高425m)付近で撮影しましたが、地表に止まっているところを接写しました。


クロコノマチョウ(じゃのめちょう科)

クロコノマチョウ(黒木間蝶)
学 名 Melanitis phedima
科 名 タテハチョウ科
時 期 年3〜4回、3月〜11月
分 布 本州(関東以南)〜九州
大きさ (前翅長)32-45mm
(開張)60-80mm
生育地 森林、林縁。農地、河川
<特徴>
 春から秋まで、本州(関東以南)から九州の平地〜丘陵地の樹林や農地周辺の薄暗い環境を好むジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は波状(夏型)、枯葉状(秋型)で、オスは黒褐色、メスは赤褐色です。表側は濃褐色で、前翅の先端付近に橙縁で中が白い大きめの黒斑があります。夕方主に活動し、低い位置をゆるやかに不規則に飛翔して、時々地表に止まりますし、腐果や樹液に集まるので、シャッターチャンスがあります。幼虫はイネ科植物(ススキ、ジュズダマ、ヨシ、ダンチク、アブラススキ、オギ、マコモなど)を食べます。

<名前の由来>
 黒(クロ)っぽくて、木の間(コノマ)でよく見られる蝶(チョウ)ということから名前の由来となりました。

<備考>
 夏型と秋型があり、秋型はより大型で前・後翅の凹凸が強く、裏面が枯葉状となり、成虫で越冬します。
クロコノマチョウの夏型(タテハチョウ科) 2019年6月4日午前、外之原町で撮影

 2019年6月4日午前、外之原町で撮影しましたが、地表に止まっていたところを接写しました。

クロコノマチョウの夏型(タテハチョウ科) 2019年8月12日午前、玉野町で撮影

 2019年8月12日午前、玉野町で撮影しましたが、地表に止まっていたところをストロボを使って接写しました。


アサギマダラ(まだらちょう科)

アサギマダラ(浅葱斑)
学 名 Parantica sita
科 名 まだらちょう科 
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)43-65mm
(開張)100mm前後
生育地 市街地から高山帯まで
<特徴>
 春から秋まで、市街地から高山帯までいろいろなところで見られるマダラチョウの仲間です。翅の裏側と表側は黒褐色の地に浅葱(アサギ)色の斑模様が見られますが、後翅の外縁は赤褐色になります。ほとんどはばたかず、ふわふわと舞っていますが、移動性が強く、長距離の渡りをすることが知られています。幼虫は、ガガイモ科植物(キジョラン、イケマなど)を食べます。

<名前の由来>
 葱(ねぎ)の若芽に因んだ青み勝ちの浅い緑青色(アサギ)をした斑(マダラ)模様のある蝶という意味で命名されました。

<備考>
 季節型はありません。


アサギマダラ♂(まだらちょう科) 2019年10月10日午前、西尾町(愛知県春日井市)で撮影

 2019年10月10日午前、西尾町(愛知県春日井市)で撮影しましたが、セイタカアワダチソウの花で吸蜜しているところを望遠で捉えました。


テングチョウ(てんぐちょう科)

テングチョウ
(天狗蝶)
学 名 Libythea celtis
科 名 てんぐちょう科
時 期 通常年1回、5月〜11月
分 布 日本各地
大きさ (前翅長)19-29mm
(開張)40〜50mm  
生育地 広葉樹林の周辺など
<特徴>
 春から秋まで、広葉樹林の周辺などで見られますが、成虫で越冬するので、暖かい冬の日に出てくる場合があります。系統的に古い蝶といわれており、日本で生息しているのは、1属1種のみです。翅の裏側は枯葉模様で、木の枝にとまっているとわからなくなります。表側は、茶褐色の地色に大きなオレンジ斑が見られます。また、頭部に鼻のように見える下唇ひげ(パルピ)があるのが特徴となっています。幼虫は、ニレ科植物(エノキ、エゾエノキ、クワノハエノキ)を食べます。

<名前の由来>
 頭部が天狗の鼻のように見えることからテングチョウと名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。本土亜種と南西諸島亜種があります。

テングチョウ(てんぐちょう科)本土亜種 2019年3月29日午後、筑水の森付近で撮影

 2019年3月29日午後、筑水の森付近で撮影しましたが、一瞬地表に止まったのでシャッターを切りました。

テングチョウ♀(てんぐちょう科)本土亜種 2019年4月5日午後、大谷山頂付近で撮影

 2019年4月5日午後、大谷山頂(標高425m)付近で撮影しましたが、地表に止まったので接写しました。


ダイミョウセセリ(せせりちょう科)

ダイミョウセセリ
(大名せせり)
学 名 Daimio tethys
科 名 せせりちょう科
時 期 年2〜3回、5月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)32-36mm  
生育地 山地から平地にある雑木林の林縁
<特徴>
 春から初秋まで、北海道〜九州の山地から平地にある雑木林の林縁で見られるセセリチョウの仲間ですが、関東地方では年3回の発生となります。翅の表側は黒っぽく、前翅に大きな白斑が目立ち、後翅に白帯がはっきり現れるのが「関西型」、不明瞭なのが「関東型」とされています。翅の裏側もほぼ同様ですが、常に羽を開いてとまるので、裏側を撮影するのはなかなか難しいのです。また、結構敏捷に飛んでいます。幼虫は、ヤマイモ科植物(ヤマノイモ、トコロ、ツクネイモニガガショウ、ヒメドコロなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、江戸時代の大名(ダイミョウ)家の羽織袴の紋所を連想させることから名付けられたとか...。

<備考>
 季節型はありません。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2019年5月3日午後、内津峠付近で撮影

 2019年5月3日午後、内津峠付近で撮影しましたが、後翅の白帯がやや明瞭なタイプです。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2019年9月14日昼、玉野町で撮影

 2019年9月14日昼、玉野町で撮影しましたが、葉上にしばらく止まっていたので接写できました。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2020年5月20日午前、玉野町で撮影

 2020年5月20日午前、玉野町で撮影しましたが、葉上に止まっていたのを接写しました。


コチャバネセセリ(せせりちょう科)

コチャバネセセリ
(小茶羽せせり)
学 名 Thoressa varia
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)14-19mm
(開張)30-36mm  
生育地 平地、山地など
<特徴>
 春から初秋まで、平地や山地などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は麦わら色で白斑があり、黒い脈が目立つのが特徴です。表側は、黒褐色の地色ですが、前翅には白斑が見られます。幼虫は、イネ科植物(メダケ、ミヤコザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では小型で茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 春型と夏型がありますが、夏型は羽を縁取る縁毛が白黒交互になります。

コチャバネセセリ(せせりちょう科) 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影

 2019年5月24日午後、西高森山麓で撮影しましたが、葉上に止まっていたので接写しました。

コチャバネセセリ(せせりちょう科) 2019年8月22日午前、築水の森で撮影

 2019年8月22日午前、築水の森で撮影しましたが、花で吸蜜していたので接写しました。


ホソバセセリ(せせりちょう科)

ホソバセセリ
(細翅せせり)
学 名 Isoteinon lamprospilus
科 名 せせりちょう科
時 期 普通年1回、6月〜8月
分 布 本州(東北地方南部以南)〜九州
大きさ (前翅長)16-21mm
(開張)33-40mm  
生育地 平地から低山地の雑木林周辺
<特徴>
 普通年1化で、夏の間、本州(東北地方南部以南)から九州の平地から低山地の雑木林周辺で見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は、黄褐色の地色に銀白紋が見られまますが、表側は、黒褐色の地色に前翅にだけやや大きめの白斑が目立ちます。セセリチョウの中では比較的ゆるやかに飛ぶので、撮影のチャンスがあります。幼虫は、イネ科植物(ススキ、オオアブラススキ、カリヤス、カリヤスモドキなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では翅が細く見えることから名付けられました。

<備考>
 メスは前翅が丸みをおびます。愛知県レッドリスト準絶滅危惧

ホソバセセリ♀(せせりちょう科) 2019年7月28日午後、東部丘陵で撮影

 2019年7月28日午後、東部丘陵で撮影しましたが、葉上にしばらく止まっていたところを接写しました。


チャバネセセリ(せせりちょう科)

チャバネセセリ
(茶羽せせり)
学 名 Pelopidas mathias
科 名 せせりちょう科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)13-21mm
(開張)30〜40mm  
生育地 河川堤防、公園、草地など
<特徴>
 春から秋まで、関東以西の河川堤防、公園、草地などで普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色の地色に白色の小斑点が見られますが、はっきりしない場合があります。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きめです。幼虫は、イネ科植物(チガヤ、ススキなど)、カヤツリグサ科植物を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 南西諸島では、1年中見られます。季節型はありません。
チャバネセセリ(せせりちょう科) 2019年7月28日午後、西高森山麓で撮影

 2019年7月28日午後、西高森山麓で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。

チャバネセセリ(せせりちょう科) 2019年8月3日午前、西尾町で撮影

 2019年8月3日午前、西尾町で撮影しましたが、葉上でしばらく止まっていたので、接写できました。


イチモンジセセリ(せせりちょう科)

イチモンジセセリ
(一文字せせり)
学 名 Parnara guttata
科 名 せせりちょう科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)35mm前後
生育地 市街地、山地
<特徴>
 初夏から秋まで、市街地や草原、山地などいたる所で普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白銀の斑点が見られますが、特に後翅の白銀模様が一列になった、一文字模様を見せるのが特徴です。表側は裏側より濃い茶色の地色に白銀模様が見られます。一見ガの仲間と見間違えやすく、集団で移動することが知られています。幼虫は、イネ科、カヤツリグサ科の各種を食べますが、特にイネに有害で、駆除の対象とされています。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、後羽の白色の斑紋が一列(一文字)に並んでいるところから名付けられました。

<備考>
 幼虫は、別名:イネツトムシとも呼ばれています。

イチモンジセセリ(せせりちょう科) 2019年8月27日昼、道樹山麓で撮影

 2019年8月27日昼、道樹山麓で撮影しましたが、花で吸蜜していました。


キマダラセセリ(せせりちょう科)

キマダラセセリ
(黄斑せせり)
学 名 Potanthus flavus
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、6月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-17mm
(開張)30-34mm  
生育地 河川、雑木林など
<特徴>
 初夏から初秋まで、河川や雑木林などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色と山吹色のまだら模様が目立ちます。表側は、褐色の地色に山吹色の帯が見られます。ジェット戦闘機のように敏速に飛ぶので、なかなかカメラに収まってはくれません。幼虫は、イネ科植物(ススキ、ジュズダマ、アズマネザサ、ミヤコザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、黄色地に黒っぽい斑模様が見られるところから名付けられました。

<備考>
 春型は、夏型に比べて大きくなります。

キマダラセセリ(せせりちょう科) 2019年7月12日午後、西尾町で撮影

 2019年7月12日午後、西尾町で撮影しましたが、葉上で小休止しているところを接写しました。

キマダラセセリ(せせりちょう科) 2019年8月22日午前、西高森山麓で撮影

 2019年8月22日午前、西高森山麓で撮影しましたが、葉上に止まっているところを望遠で捉えました。


オオチャバネセセリ(せせりちょう科)

オオチャバネセセリ
(大茶羽せせり)
学 名 Polytremis pellucida
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、6月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)16-21mm
(開張)33-40mm  
生育地 草原、樹林など
<特徴>
 初夏から秋まで、草原や樹林などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白銀の斑点が見られますが、イチモンジセセリでは、後翅の白銀模様が一列に並ぶのに対して、本種ではジグザクになります。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きめです。幼虫は、イネ科植物(アズマネザサ、メダケ、ヤダケカンチク、ススキ、チガヤなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では大型で茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。 

オオチャバネセセリ(せせりちょう科) 2019年6月17日午後、道樹山麓で撮影

 2019年6月17日午後、道樹山麓で撮影しましたが、葉上に止まっていたので接写しました。

オオチャバネセセリ(せせりちょう科) 2019年6月26日午後、西高森山麓で撮影

 2019年6月26日午後、西高森山麓で撮影しましたが、葉上に止まっていたので接写しました。

オオチャバネセセリ(せせりちょう科) 2020年6月20日午前、玉野町で撮影

 2020年6月20日午前、玉野町で撮影しましたが、ノアザミの花で吸蜜しているところを接写しました。


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