<岬と灯台写真館>

犬吠埼と灯台(千葉県)

2001年3月10日と2003年12月28日に犬吠埼(千葉県)で撮った写真です。

インデックス

犬吠埼灯台 灯台資料展示館と霧笛室 灯台上からの展望 犬吠埼周辺の海


 銚子の犬吠埼(いぬぼうさき)には、今まで5回以上訪れていますが、何度行っても新しい発見のある場所です。利根川の河口に発達した銚子市のはずれに位置し、日本列島では、最も早く日の出が見られる所として知られています。また、「地球の丸く見える丘展望館」や灯台上から見ると水平線が丸く見え、地球が丸いのだと実感できる場所でもあります。北には、「日本の渚・百選」にも選ばれた君ヶ浜へと続き、磯伝いには、遊歩道が整備されていて、海を眺めながらの散策も出来ます。また、海水浴、サーフィンなどマリンレジャーも盛んで多くの人が訪れる所なのです。

☆犬吠埼灯台 地図
春の犬吠埼灯台 (2001年3月10日撮影)
冬の犬吠埼灯台 (2003年12月28日撮影)
犬吠埼灯台の概要
番号 1869 [F6478]
位置 北緯 35度42分28秒 
東経 140度52分07秒
塗色 白色  
構造 塔形(円形) レンガ造
レンズ 第1等フレネル式
灯質 単閃白光 毎15秒に1閃光
光度 110万カンデラ(実効光度)
光達距離 19.5海里(約36km) 
明弧 169度から65度まで
灯塔高 31.30m(地上〜塔頂)
標高 51.80m(平均海面〜灯火)
初点灯 1874年(明治7)11月15日
所在地 千葉県銚子市犬吠埼9576
<特徴>
 犬吠埼灯台は、千葉県銚子市のはずれ、犬吠埼の突端に立つ白亜の大型灯台です。周辺は、水郷筑波国定公園の一部となっていて、太平洋に臨む景勝地です。また、世界灯台100選に選ばれた灯台 であり、「日本の灯台50選」にも選ばれている日本を代表する灯台で、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの保存灯台ともなっています。

<歴史>
 この灯台は、明治初期に、江戸条約によって建設された一群の洋式灯台(条約灯台ともいう)の中には入っていませんが、それに続く重要な灯台として建設が決まりました。というのも、この付近一帯は、小島・岩礁が多く、昔から海の難所とされてきたからです。そして、1868年(慶応4)8月21日、幕府の軍艦美加保丸が、暴風雨に遭い、ここの黒生(くろはえ)岩礁に乗り上げて座礁沈没、乗組員13名が死亡するという事故も起きていました。そのような中で、イギリスから招いた灯台技師、R・H・ブラントンの設計、施工監督のもと、1872年(明治5)9月2日に着工、1874年(明治7)11月15日に完成し、初点灯されました。 建設当初より、白色塔形(円形)のレンガ造灯台ですが、このレンガは日本製で、19万3千枚もが積み上げられているそうです。それでいて、120年以上の風雪に耐え、レンガ製の建造物としては、尻屋埼灯台に次ぐ、日本第2位の灯塔高を誇っています。

<現況>
 灯塔高(地上から塔頂まで)31.3mと高く、標高(平均海面〜灯火)51.80m、光度110万カンデラ(実効光度)、光達距離は、19.5海里(約40km) で、日本に6ヶ所しかない第1等フレネル式レンズを使用した第1等灯台です。また、霧信号所(エアサイレン)や無線方位信号所(中波標識局、レーマークビーコン)も併設されていて、いろいろな役割も担っています。一般公開(有料大人150円、小人20円)されている参観灯台で、上まで登ることができますが、螺旋階段の数が九十九里海岸にちなんで、99段となっているのが面白いです。灯台上からは、太平洋を一望の下にすることが出来、地球を丸く感じることが出来るところです。また、灯台資料展示館も併設されていて、この灯台の歴史、機能・役割などを学べますし、初代犬吠埼灯台レンズ(フレネル式第1等8面閃光レンズ)をはじめ、貴重な資料が多数展示されています。

☆犬吠埼灯台資料展示館と霧笛室

犬吠埼灯台資料展示館と展示物のフレネル式第1等8面閃光レンズ (2003年12月28日撮影)
犬吠埼灯台霧笛室 (2003年12月28日撮影) R・H・ブラントン像 (2003年12月28日撮影)

 灯台資料館も併設されていて、この灯台の歴史、機能・役割などを学べますし、初代犬吠埼灯台レンズ(フランスのソーター・ハーレー社製フレネル式第1等8面閃光レンズで、直径2m、高さ3.6m、総重量は1.7トン)、灯台建設当時に使用されたレンガをはじめ、貴重な資料が多数展示されています。 


☆犬吠埼灯台上からの眺望

灯台上から北方向の君ケ浜及び南方向の長崎鼻と中波無線標識を望む (2003年12月28日撮影)
灯台上から東方向の岩礁と太平洋を望む (2003年12月28日撮影)

 灯台上からは、太平洋を一望の下にすることが出来、地球を丸く感じられますし、北方向に君ケ浜、南方向に長崎鼻とすばらしい眺望を堪能できるところです。南側に、併設されている無線方位信号所の中波無線標識の塔も見ることが出来ます。


☆犬吠埼周辺の海

犬吠埼君ケ浜海岸 (2001年3月10日撮影)
犬吠埼灯台周辺の海 (2001年3月10日撮影)
犬吠埼灯台下の岩礁 (2003年12月28日撮影)

 君ケ浜は、白砂青松と雄大な太平洋が眺望できる1kmほどの海岸線です。ここから見る犬吠埼灯台は、なかなか絵になっていて、撮影スポットでもあります。ここは、1996年(平成8)7月、「日本の渚・百選」にも選ばれています。また、別名「関東舞子」とも呼ばれ、文人墨客にも愛されていたそうです。かの、竹下夢二の詩 「宵待草 まてど暮せど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬそうな」(宵待ち草)のモデルになった海鹿島海岸は、北側に隣接するところにあります。また、佐藤春夫の「犬吠岬旅情のうた」詩碑は、灯台後方の丘の上に立っています。


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