<岬と灯台写真館>

御前崎と御前埼灯台(静岡県)

2003年12月19日昼に御前崎(静岡県)で撮った写真です。


 静岡県を巡る2泊3日の旅に出て、初日にまず、御前崎(おまえざき)へと向かいました。昼食後、御前埼灯台に立ち寄ったのですが、強風のため灯台の上まで上がれず、外観の写真を撮るだけになってしまったのが残念です。それでも、荒れている太平洋と灯台の写真を撮りまくったので、少しは良いのが撮れたかも知れません。当日は、荒天で風が強く、カメラを構えていても、風圧で体制を維持するのが困難なくらいだったのです。そのかわり、天気の移り変わりが激しく、短時間の間に、色々な風景を見せてくれました。その中で、角度を変え、28mmの広角から300mm望遠レンズまでを駆使し、偏光フィルターなども使って、灯台や海に向けてシャッターを切りまくりました。そこだけで、150枚ほどの写真を撮ったのです。

☆御前埼灯台 地図
御前埼灯台 (2003年12月19日撮影)
御前埼灯台の概要
番号 2495 [F6228]
位置 北緯 34度35分45秒 
東経 138度13分33秒
塗色 白色  
構造 塔形(円形) レンガ造
レンズ 第3等大型フレネル式
水銀槽回転
灯質 閃白光 毎10秒に1閃光
光度 56万カンデラ(実効光度)
光達距離 19.5海里(約36km) 
明弧 221度から104度まで
灯塔高 22.47m(地上〜塔頂)
標高 54.0m(平均海面〜灯火)
初点灯 1874年(明治7)5月1日
所在地 静岡県榛原郡御前崎町御前崎1581
<特徴>
 御前埼灯台は、静岡県御前崎の最南端に立つ、白亜の塔形をしたレンガ造大型灯台です。周辺は、御前崎遠州灘県立自然公園に指定されていて、雄大な太平洋のパノラマが展開しています。また、「日本の灯台50選」にも選ばれていますし、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの保存灯台ともなっています。

<歴史>
 この灯台は、1872年(明治5)5月26日に起工し、2年もの工期を費やして、1874年(明治7)5月1日に完成し、初点灯しました。かの、「灯台の父」と呼ばれるR・H・ブラントンの設計によるもので、当時のお金で2万5千円余りの巨費を投じているそうです。昔から、遠州灘は航海の難所で、この沖の岩礁で座礁、難破する船も多くあり、すでに、1635年(寛永12)この場所に「見尾火灯明台」が作られていました。しかし、1871年(明治4)4月8日、旧幕府が建造した軍艦が、 この沖合のセイゴ根に座礁したこともあって、洋式灯台の建設が急がれたのです。そして、回転式第1等フレネル式レンズ(フランス製)を使用した日本初の灯台でした。ところが、太平洋戦争末期、1945年(昭和20)7月24日からのアメリカ軍による艦載機と艦砲射撃によって、レンズや灯器が破壊され、 灯塔にも銃弾を浴びて、損傷してしまいます。その後、1949年(昭和24)3月24日に、戦災復旧工事が完成し、建設当初のレンガ造の灯塔を保ったまま美しい灯台に復元されましたが、レンズは、第3等大型フレネル式レンズに変わっています。

<現況>
 現在の灯塔高(地上〜塔頂)22.47m、標高(平均海面〜灯火)54.0m、第3等大型フレネル式レンズを使い、光度56万カンデラ(実効光度)、光達距離は19.5海里(約36km)です。また、無線方位信号所(レーマークビーコン)も併設されています。ここは、一般公開(有料大人150円、小人20円)されている参観灯台で、上まで登ることができますが、灯台上からは太平洋の眺望がすばらしく、地球が丸く感じられます。木下恵介監督の映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台となり、ロケが行われたことでも知られています。

☆御前崎周辺の海

御前崎周辺の海

 御前崎は日本でも有数の強風エリアで、この日も強風が吹き荒れ、大きな波が打ち寄せていました。その風を使って、一帯ではボードセイリングが行われているそうです。また、この海岸線の砂浜は、アカウミガメの格好の産卵地となっていて、毎年5月下旬から8月にかけて産卵のために上陸してくるとのことです。


☆御前崎の海岸

御前崎の海岸

 御前崎灯台が立つ台地は海成砂礫層がのる隆起海食台で、周辺の海岸低地との境は、急峻な崖となっています。写真撮影時は、満潮でしたが、干潮時には数100mの沖合いまで、岩が露出するので、灯台下の海岸では磯遊びが楽しめるそうです。


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