秘湯めぐりの旅(30)

<栗駒山周辺の3湯めぐり−岩手県>

2000.5.19-20

インデックス
5/19 祭畤温泉 5/19 真湯温泉 5/20須川温泉


*2000年5月19日(金) 金成町温泉→真湯温泉

磐井川沿いに栗駒山麓を目指す 

 自宅を出て、東北自動車道の久喜インターへと向かった。平日の朝のこととて、多少のラッシュにぶつかったものの、それほどの遅れもなく、10時半過ぎには、東北自動車道に乗ることが出来た。その後は、休日の高速道とはちがい、渋滞は全くなく、スイスイと車を走らせ、12時半過ぎには、福島県のあだたらサービスエリアで、昼食休憩をとる。豚ショウガ焼き定食(900円税別)を食べ、30分ほど休んでから再び出発し、北へ、北へと走った。14時50分頃、宮城県の若柳金成インターで下り、近くのガソリンスタンドで給油する。その後は、金成町で少し寄り道をしてから、再び車を北上させ、一関市から、左折して、国道342号線を西へと進んでいった。時間がないので、厳美渓も一関市立博物館も通過して、磐井川沿いに、ひたすら栗駒山(岩手県では須川岳、秋田県では大日岳)麓を目指した。当初は、宿泊候補地の一つとして考えていた奥厳美温泉は、インターネットの情報通り、今は、建物すらなく、分譲別荘地と変わり果てていた。

・ふいに、祭畤温泉に立ち寄る

 この辺から、周辺の山がせまり、新緑がまばゆいばかりで、所々に桜も咲いている。とても良い雰囲気になってきたので、そのまま通り過ぎるのはおしいなあーと思っていたら、道路脇に、祭畤温泉の看板を見つけた。これは、何と読むのだろうかと興味を持ち、そして、入浴したいという衝動に発展していってしまった。そのまま、国道を右折し、少し入った所に、「風林火山」という和風旅館の看板があり、入浴500円と書いてある。しかし、その隣に、共同浴場「遊湯館」の建物を見つけ、そちらの方により引かれていってしまった。受付で、入浴料300円也を払って、祭畤の読み方を聞いてみると「まつるべ」と読むとのこと。廊下を通って、中へと入っていくと、木造りの感じの良い浴室がある。これはなかなかのものだと思って、すぐに、浴槽に入ろうとしたが、けっこう湯が熱い。源泉52℃の掛け流しとのことで、先に入っていた浴客に聞くと、今日はまだぬるい方だとの返事。泉質はナトリウム・カルシウム−硫酸塩泉のはずなのだが、掲示してあった温泉分析書には、誤ってナトリウム・カルシウム−硫黄泉と書いてあった。誰も気づく人はいなかったのだろうか?とにかく良い湯で、飲んでみたが、なかなかおいしい。飲泉の効き目もありそうだ。じっくり入浴していたかったが、湯が熱いので、そう長湯も出来ず、宿への到着時間も気になっていたので、早々に切り上げて、出てきてしまった。

★祭畤温泉共同浴場「遊湯館」に入浴する。<入浴料 300円>

祭畤温泉「遊湯館」の外観 祭畤温泉「遊湯館」の男性用浴槽




源泉名 祭畤温泉(祭りの湯)
湧出地 岩手県一関市厳美町祭畤
湧出量
知覚 無色澄明、無味、微硫黄臭
泉質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
泉温分類 52℃(高温泉)
pH値 8.5
液性分類 アルカリ性
溶存物質総量 2,603r/s
浸透圧分類 低張性
ラドン含有 4.41マッヘ/s
*一般的適応症(浴用)
 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
*泉質別適応症(浴用)
 
動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病






祭畤温泉共同浴場「遊湯館」のデータ
入浴料金 大人 300円、小人200円
営業時間 午前6時〜午後9時
住所、電話 〒021-0101 岩手県一関市厳美町祭畤
交通 JR東北本線一ノ関駅より須川温泉行バス45分「祭畤温泉」下車徒歩3分

・真湯温泉「真湯山荘」に到着 

真湯温泉「真湯山荘」の外観

 再び車に乗って、今日の宿へと向かったが、ものの数分で、真湯温泉「真湯山荘」へ到着した。国道沿いにはあるものの、ブナの原生林と磐井川の渓谷に囲まれた、大自然の真っただ中にあり、キャンプ場、テニスコート、ゲートボール場、コテージなどが周辺にある、公営の施設だ。真湯山荘は、敷地が充分にあるので、横に細長く連なって、平屋中心の建物が配置されている。玄関ロビーは、ホテルのような感じで、受付をすると部屋へ案内してくれた。聞くと、浴室は温泉センター、露天風呂、内湯と離れて3つあり、どれに入っても良いが、入浴時間が異なっていると言う。温泉センターと露天風呂には時間制限があるが、内湯は24時間入れるとのことなので、まず温泉センターから行ってみることにした。

・温泉を堪能する 

 部屋に荷物を置き、タオルをぶらさげて、玄関ロビーの脇を抜け、階段を下りると別棟につながっていて、そこが温泉センターとなっている。浴室への入口には飲泉場が設けてあり、温泉分析表があった。こういうものが、目立つところに掲げてある温泉は、その泉質に自信があるところだ。源泉56.5℃、pH8.1の弱アルカリ性のナトリウム・カルシウム−硫酸塩泉で、ほとんど澄明、飲むととても美味しい。飲泉の効能は、胆石症、便秘、糖尿病、痛風などと書いてあった。浴室は大きく、うたせ湯、圧注浴、泡沫浴等いろいろな入浴法が楽しめるが、箱蒸しが面白い。秋田県の後生掛温泉にもあったが、個人サウナとでも言うべきユニークなもので、一人一人が箱の中に入る蒸し風呂だ。次々と試みてみたが、実に心地よくて、お湯もやわらかくて入りやすい。パンフレットには、この先にある須川温泉の直し湯、上がり湯と出ていたが、なるほどと思った。酸性泉や硫黄泉の刺激性の強い温泉で、長期の湯治をする人が、それを終えて最後に入浴し、刺激を緩和して体調を整える温泉なのだ。草津温泉で言うところの沢渡温泉の役割だ。体と頭を洗い、満足して出てきて衣服を付け、今度は少し離れた露天風呂へと向かった。こちらは、ぶなの原生林を眼前に望めるすばらしいロケーションで、岩風呂も心地よい。 先の浴客とこの湯をほめながらの入浴となった。上がってきて、ほどなくして、食堂での夕食となり、お酒を冷やで2合ほどたのんで、腹を満たし、酔い心地となった。食後は部屋で横になってテレビを見ていたら寝てしまった。

 ☆真湯温泉「真湯山荘」に泊まる。<1泊2食付 7,170円(込込)>

真湯温泉「温泉センター」の男性用浴室 真湯温泉「真湯山荘」の露天風呂




源泉名 真湯温泉(真湯2号)
湧出地 岩手県一関市厳美町字真湯
湧出量 210g/分
知覚 淡黄褐色、殆ど澄明、殆ど無味、微硫化水素臭
泉質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
泉温分類 56.5℃(高温泉)
pH値 8.1
液性分類 弱アルカリ性
溶存物質総量 1,811r/s
浸透圧分類 低張性
ラドン含有 0.98マッヘ/s
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
宿


真湯温泉「真湯山荘」のデータ
標準料金 1泊2食付 6,970円〜(込込) 
入浴料金 大人390円、小人150円(2時間以内)
外来入浴時間 午前10時〜午後4時
宿泊定員 平屋建 和室10室 62名
住所、電話 〒021-0101 岩手県一関市厳美町字真湯1 TEL(0191)39-2713
交通 JR東北本線一ノ関駅より須川温泉行バス45分「真湯温泉」下車すぐ
真湯温泉「真湯山荘」の夕食 真湯温泉「真湯山荘」の朝食

*2000年5月20日(土) 真湯温泉→須川温泉→泥湯温泉へ
真湯温泉周辺のブナ原生林の新緑

・朝、ブナの原生林を散策

 朝6時前に起床したが、もう、あたりは明るくなっていた。旅の日記をしたためてから、6時半頃、恒例の朝の散歩に出かけることにした。ブナの原生林の中に遊歩道がつくられていて、広角と望遠のズームレンズをつけた2台のカメラをぶらさげて、歩き出した。新緑がまばゆいばかりだが、その下層に可憐な高山植物が見られ、時々足を止めては、マクロを使って接写を試みてみる。ツツジやアジサイも彩りを添え、渓谷の水音も響いてきて心地よい。広角レンズを使って、森林全体を写し込んだり、望遠レンズで遠方の花をアップで撮ったりして、時間を忘れて夢中になってしまった。気が付いたら、朝食の時間が迫っている、心残りではあったが、ひとまず撮影を終えて、宿へと戻っていった。朝食と朝風呂を楽しんだ後は、9時前に宿を立って、再び車で須川温泉へと上っていった。
みごとな新緑と桜と残雪

・残雪と新緑の道を行く

 国道342号線の真湯温泉から須川温泉に至る部分は、昨日除雪を終わって開通したばかりで、須川高原温泉もきのう営業を再開したとカーラジオから流れている。進むにつれ道幅も狭くなり、完全な山道となって、右に左にカーブを切りながら、どんどん高度を上げていく。だんだん残雪が多くなってくるが、新緑がすばらしく、心地よいばかりだ。時々、車を停めては、車外に出て、周辺の絶景をカメラに収めていく。半道ほど来たとき、前方の谷間にみごとな桜を見つけた。残雪の白、新緑の緑、そして、桜のピンク、遠景の山並みと共に、すばらしい色彩をつくりだしている。思わず感嘆の声を上げながら、何枚もシャッターを切った。そうこうして、1時間弱かかりながら、やっと車は栗駒山の中腹、標高1,129mの須川温泉に到着した。

・須川温泉を堪能する

 温泉の前の駐車場には、除雪した雪が山のように積み上げられている。その空いているスペースに車を入れ、フロントへ行ったら、500円で露天風呂も内湯も入れるとのことなので、最初に少し離れた露天の「大日湯」の方へ向かうことにした。ここは、大きな木縁の男女別浴槽で、白濁したお湯が満々と湛えられている。源泉は、溶岩丘の下から滝となって流れ落ちるほどの豊富さで、毎分6000リットルにも及ぶ。大自然を愛でながら入浴でき、その強酸性の湯は肌にピリッとした刺激を与え、じつにすばらしい温泉なのだ。パンフレットによると、温泉が発見されたのは古く、「日本三代実録」に873(貞観15)年のこととして、酢川という名前が出て来るという。古来から色々な病気に効くとして、麓から約25qの山道を6時間半かけて、強力に荷を預けながら、湯治客が登ってきたとのこと。現在でも、多くの湯治客を向かい入れ、療養に供している。ゆっくり露天風呂を味わった後は、服を着て、本館へ行き、男女別の内湯「瀧の湯」へも入浴した。同時に50人くらいは入れそうな大浴場で、ちょっと鄙びた風情があって歴史を感じさせる。建物の裏手の遊歩道沿いに、名物の「おいらん風呂」と呼ばれる蒸し風呂があると聞いていたが、強酸性の湯に2度も浸かったし、次の予定もあるので、残念ながら、今回はパスすることにした。しかし、この温泉は栗駒国定公園の真っ直中にあり、周辺のすばらしい自然探訪の基地としても利用価値が高いと思う。ここに数日泊まりながら、山に登ったり、野山を散策すれば、自ずからリフレッシュできるというものだ。実に、良い温泉を見つけることができた、再び訪れようと胸に秘めながら山を下ることにした。

 ☆須川温泉「須川高原温泉」に入浴する。<入浴料 500円>

「須川高原温泉」の外観 「須川高原温泉」の露天風呂「大日湯」




源泉名 須川温泉(滝の湯)
湧出地 岩手県一関市厳美町須川温泉
湧出量 6,000g/分(自然湧出)
知覚 無色澄明、強い酸味、殆ど無味、強い硫化水素臭
泉質 酸性-含S・Fe(U)-Al-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)
泉温分類 48.9℃(高温泉)
pH値 2.2
液性分類 酸性
溶存物質総量 1,881r/s
浸透圧分類 低張性
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・慢性皮膚病・慢性婦人病・月経障害・糖尿病・高血圧症・動脈硬化症
宿


須川温泉「素川高原温泉」のデータ
標準料金 1泊2食付 10,000〜15,000円(込別) 冬季休業(11月中旬〜5月中旬) 
入浴料金 大人500円、小人250円(2時間以内)
外来入浴時間 午前9時30分〜午後5時
宿泊定員 2階建 和室54室 195名
住所、電話 〒021-0101 岩手県一関市厳美町須川温泉 TEL(0191)23-9337
交通 JR東北本線一ノ関駅より須川温泉行バス1時間40分終点下車すぐ
須川高原温泉の公式ホームページへ

・迂回して、泥湯温泉へと向かう

 須川温泉を堪能し、次に泥湯温泉へ向かおうとして、はたと困った。須川温泉から子安峡へ抜ける県道が、まだ雪で閉鎖されたままなのだ。どうしようかと地図を見たが、秋田県側に下るには国道342号線で増田町に出るしかない。ものすごい遠回りになるが、まだ、昼前なので、なんとかなるだろうとたかをくくり、はるかなる迂回路を行くことにした。


秘湯めぐりの旅日記へ戻る
温泉めぐりのススメへ戻る
ホームページへ戻る

*ご意見、ご要望のある方は右記までメールを下さい。よろしくね! gauss@js3.so-net.ne.jp