<岬と灯台写真館>

石廊崎と石廊埼灯台(静岡県)

2004年2月21日午後に石廊崎(静岡県)で撮った写真です。


 伊豆半島を一周する岬巡りの1泊2日の旅に出て、伊豆東海岸を国道135号線に沿って、南下していきました。まず、稲取崎へ立ち寄って、灯台と海の写真を撮り、下田を通過して、伊豆半島最南端の石廊崎(いろうさき)へと至ったのです。ここには、昔「ジャングルパーク」という大温室があったのですが、もう営業していませんでした。それでも、突端の石廊埼灯台付近から見た海は素晴らしかったのです。ほんとうに、ここが最果てと思われるような岩壁の上に立つことが出来るのですが、眼下には、紺碧の海と白い波飛沫が見て取れて、カメラのシャッターを切りまくりました。

☆石廊埼灯台 地図
石廊埼灯台 (2004年2月21日撮影)
石廊埼灯台の概要
番号 2448 [F6270]
位置 北緯 34度36分10秒 
東経 138度50分43秒
塗色 白色
構造 塔形(円形) コンクリート造 
灯器 LB-H40型灯器
灯質 単閃白赤互光 毎16秒に白1閃光、赤1閃光
光度 白光6万カンデラ
赤光6万7千カンデラ(実効光度)
光達距離 18海里(約33km) 
明弧 241度から98度まで
灯塔高 11.38m(地上〜塔頂)
標高 59.54m(平均海面〜灯火)
初点灯 1871年(明治4)10月5日
所在地 静岡県加茂郡南伊豆町
<特徴>
 石廊埼灯台は、静岡県伊豆半島の最南端、石廊崎に立つ、白亜の塔形をした中型灯台で、「日本の灯台50選」にも選ばれています。周辺は、富士箱根伊豆国立公園に指定されていて、壮大な太平洋のパノラマが展開しています。

<歴史>
 この灯台は、かの、「灯台の父」と呼ばれるR・H・ブラントンの設計による八角形の木造灯台として建設され、1871年(明治4)10月5日<旧暦では8月21日>に初点灯しました。日本では、10番目に古い洋式灯台なのです。このように、昔から石廊崎は航海の難所で、この沖の岩礁で座礁、難破する船も多くありましたので、灯台が求められていたのです。しかし、1932年(昭和7)11月14日の暴風で大破し、翌年3月31日に現在のコンクリート造に建て替えられています。

<現況>
 灯塔高(地上〜塔頂)11.38m、標高(平均海面〜灯火)59.54m、LB-H40型灯器を使い、光度6万カンデラ(白光)、6万7千カンデラ(赤光)で、光達距離は18海里(約33km)です。残念ながら、内部は一般公開されていないので、通常は外観のみの見学となります。

☆石廊崎周辺の海

石廊崎周辺の海 (2004年2月21日撮影)

 石廊崎ほど突端にまで来たという感慨に浸れるところは少ないと思います。それほど、岬の先端に突きだした断崖の上まで、遊歩道が続いているのです。そこからは、正面に広大な太平洋、左右に鋸歯状に入り組んだ入江と岬、眼下に白波の砕け散る岩礁と、すばらしい光景が展開しています。よく晴れていれば、沖に神子元島(みこもとしま)、遠景に伊豆七島までもが見渡せます。


☆石廊崎周辺の岩礁

石廊崎周辺の岩礁 (2004年2月21日撮影)

 石廊崎周辺は高さ100mほどの隆起海食台で、海食崖(がい)、海食洞などの浸食海岸地形が発達しています。 それが、鋸歯状に入江と岬の交錯を成し、変化に富んだ地形を現出しているのです。そこに、安山岩質集塊岩からなる尖塔(せんとう)状の奇岩などもあって、白い波が砕け散っています。これらの岩礁は、船舶航行上は難所ですが、釣り人にとっては、格好のポイントともなっています。


☆石廊崎の河津桜

石廊崎の河津桜 (2004年2月21日撮影)

 今回の伊豆半島一周では、いたるところで河津桜が開花していましたが、石廊埼灯台へ向かう遊歩道の脇にもきれいな花を見ることが出来ました。河津桜は、開花時期が早く、例年1月下旬から蕾をつけだし、2月上旬から3月上旬までほぼ1ヶ月の長期にわたって咲くそうです。花が大きくピンク色なのが特徴で、緋寒桜と早咲き大島桜の自然交配種と言われていて、樹形は広卵状で樹皮は紫褐色で光沢があります。この桜は、伊豆半島の河津町に原木があることから、1974年(昭和49)に河津桜と命名されたとのことです。


☆石室神社

石室神社の鳥居と社殿 (2004年2月21日撮影)

 伊豆半島の南端、石廊埼灯台から少し下った海沿いの岩壁に挟まれるようにして石室神社(いろうじんじゃ)は建っています。祭神は伊波例命(いわれのみこと)、701年(大宝元)の創立で、現在の社殿は1901年(明治34)の建築とのことです。絶壁の窪みに祭られる社殿の床を支えているのは、なんと千石船の帆柱なのです。社殿の床の一部が、ガラス張りになっていて、この帆柱(長さ11m、76cm角)を見ることができますが、どのようにして運ばれてきたのか、「伊豆の七不思議」の一つとなっています。


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