<岬と灯台写真館>

観音崎と観音埼灯台(神奈川県)

2000年1月29日午前に観音崎(神奈川県)で撮った写真です。


 神奈川県を巡る1泊2日の旅に出て、三浦半島の最東端にある観音崎(かんのんさき)に立ち寄りました。周辺は、観音崎公園となっていて、自然が保護され、磯が広がり、白亜の灯台が立っていました。灯台周辺からの眺望も良く、浦賀水道をはさんで、約5.6km先の房総半島西岸の富津岬がよく見えます。戦前は東京湾を守る砲台が設置された軍事拠点で、一般人は立入禁止となっていたため、自然が残されることにもなったようです。1975年(昭和50)県立の都市公園に指定され、現在は、灯台を中心として、遊歩道や施設などが整備されています。

☆観音埼灯台 地図
観音埼灯台 (2000年1月29日撮影)
観音埼灯台の概要
番号 2030 [F6360]
位置 北緯 35度15分22秒 
東経 139度44分43秒
塗色 白色  
構造 塔形(八角形) コンクリート造
レンズ 第4等フレネル式
灯質 群閃白光 13秒間隔に2秒間2閃光
光度 7万7千カンデラ(実効光度)
光達距離 19海里(約35km) 
明弧 152度から17度まで
灯塔高 19m(地上〜塔頂)
標高 56m(平均海面〜灯火)
初点灯 1869年(明治2)2月11日
所在地 神奈川県横須賀市鴨居4-1187
<特徴>
 観音埼灯台は、神奈川県三浦半島の最東端の岬に立つ、白色八角形の中型灯台です。周辺は、県立の観音崎公園として、自然が保護されていて、浦賀水道を一望の下にすることも出来、すばらしい景観です。

<歴史>
 この灯台は、幕末の1866年(慶応2)5月に、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ「改税条約」(別名「江戸条約」)によって建設することを約束した8ヶ所の灯台の一つです。これらを条約灯台とも呼び、日本で最初に建設された一群の洋式灯台でもあります。これらが順次建設されていったのですが、 1869年(明治2)2月11日<旧暦では1月1日>に、フランス人技師F・L・ヴェルニー等の設計によって建設され、日本で最初に初点灯した洋式灯台が観音埼灯台なのです。このように、観音崎は東京湾に出入りする船舶に とっては、昔からの要衝だったのです。建設当初は、レンガ造りの四角い洋館建てで、 屋上に灯塔を設けたフランス風白色八角形のレンガ造灯台でした。地上から灯火までが12.12mの高さで、フランス製の第3等フレネル式レンズを使用し、3重心灯器で1,750カンデラ、光達距離14海里(約26km)だったそうです。しかしながら、1922年(大正11)4月26日の地震で倒壊してしまいました。すぐに、二代目の灯台が建設され、翌年コンクリート造りのものに生まれ変わったものの、関東大震災で被災し、また建て替えられたものなのです。現在の三代目は、1925年(大正14)6月1日に完成した白色塔形(八角形)コンクリート造りのものです。

<現況>
 灯塔高19m(地上から塔頂まで)、標高56m(平均海面〜灯火)で、第4等フレネル式レンズを使い、光度7万7千カンデラ(実効光度)、光達距離は19海里(約35km)です。一般公開(有料大人150円、小人20円)されている参観灯台で、上まで登ることができますが、灯台上からは、浦賀水道や対岸の房総半島までが見渡すことが出来ます。また、灯台資料展示室が併設されていて、初代の灯台を造ったフランス人F.L ヴェルニーの胸像や灯台レンズなどの貴重な資料も展示されています。

☆観音崎周辺の海

東京湾海上交通センター 観音崎周辺の海

 灯台周辺の岬一帯は、観音崎公園となっていて、自然が保たれ、磯が広がっています。遊歩道を散策することも出来、野鳥も生息し、魚釣り、磯遊びにも適し、いろいろな楽しみ方のできる所なのです。また、丘の上には、船舶通行信号所の一つ「東京湾海上交通センター」がありますが、これは、東京湾の船舶航行の安全を図るため、海上交通情報の提供と航行管制の業務を行っているところです。


☆観音崎の風景

観音崎の風景

 観音崎灯台周辺の海には、鳥が飛び交い、船が行き来して、磯では釣り人が糸を垂れていました。その風景を望遠レンズで、カメラに収めておきました。


☆観音崎砲台跡

観音崎の砲台跡

 観音崎には、江戸時代に会津藩が幕府の命により台場を設けて、大筒(大砲)5門を設置したことがあるように、昔から東京湾を守る要衝でした。明治時代になってからは陸軍の砲台が設置され、東京湾防備の要塞として使用されていました。その砲台跡が今でも残っていて、見学することが出来ます。


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