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伊香保温泉にあるバーデンハウス「金太夫・ベルツの湯」 |
◯正解です! |
◇問題(7)の解答
ベルツ博士が「日本鉱泉論」の中で日本の温泉場改良の例として取り上げたのは、伊香保温泉(群馬県)です。引用したように、伊香保の自然環境を絶賛していますが、逆に温泉地内の道路狭隘、上下水道不備、消火設備などの改善すべき点を指摘しています。その後、提言を受けて、温泉地の改良が行われ、日本で第一号のクアパルク(温泉保養公園)として八千代公園が完成し、浴医局(温泉療法指導医のいる取締所)が置かれたりしました。現在では、ベルツ博士にちなんでバーデンハウス「金太夫・ベルツの湯」がつくられ、日本温泉資料館が併設されています。
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【日本最古の温泉】 兵庫県の有馬温泉、和歌山県の白浜温泉、愛媛県の道後温泉は日本三古湯と言われ、『古事記』、『日本書紀』、『万葉集』などに登場します。それらには、古代の天皇や皇族が入浴したと記されていますが、以下の『日本書紀』巻第26(舒明天皇)にも牟婁の湯(白浜温泉)に、ある皇子が行かれたと記されています。その後、クーデターを企てたとされ、殺されましたが、これは何という皇子でしょうか?
九月、○○皇子、性黠し、陽り狂れて云々。牟婁の温湯に往きて、病を療むる偽して、來りて國の體勢を讚めて曰く、、纔、彼の地を觀るに、病、自にのぞ消りぬ云々。天皇聞しめし悦びて、往しまして、觀さむと思欲す。
『日本書紀』巻第26(舒明天皇)
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(現代語訳)「九月、○○皇子は性さとく狂者をよそおったところがあったと、云々。紀国の牟婁の湯(白浜の湯)に行って、病気療養をしてきたように見せて、その国の様子をほめ、『ただその場所を見ただけで、病気は自然に治ってしまいます』と、云々。天皇はこれを聞かれ喜んで、自らも行ってみたいと思われた。」