<蝶の写真館>

狭山丘陵の蝶(埼玉県)

2006年以降、狭山丘陵の埼玉県側(埼玉県所沢市・入間市)で撮った写真です。(現在54種)

・あげはちょう科  ホソオチョウ ウスバシロチョウ オナガアゲハ アゲハチョウ
キアゲハ  クロアゲハ  カラスアゲハ  アオスジアゲハ 
・しろちょう科 キタキチョウ モンキチョウ ツマキチョウ モンシロチョウ
スジグロシロチョウ
・しじみちょう科  ゴイシシジミ ウラギンシジミ ムラサキシジミ アカシジミ
ウラナミアカシジミ ミズイロオナガシジミ   ミドリシジミ  コツバメ 
トラフシジミ ベニシジミ ウラナミシジミ ヤマトシジミ
ルリシジミ  ツバメシジミ     
・たてはちょう科 オオウラギンスジヒョウモン メスグロヒョウモン ミドリヒョウモン ツマグロヒョウモン
イチモンジチョウ  ミスジチョウ   コミスジ キタテハ 
ヒオドシチョウ ルリタテハ ヒメアカタテハ アカボシゴマダラ
・じゃのめちょう科 ヒメウラナミジャノメ ヒカゲチョウ クロヒカゲ サトキマダラヒカゲ
コジャノメ クロコノマチョウ
・てんぐちょう科 テングチョウ
・せせりちょう科 ミヤマセセリ ダイミョウセセリ コチャバネセセリ ヒメキマダラセセリ
チャバネセセリ イチモンジセセリ キマダラセセリ オオチャバネセセリ

最近の蝶の観察記録は、下記のブログを参照ください。

ガウスの蝶のブログ(狭山丘陵の蝶)へ

 狭山丘陵は、関東平野西方、埼玉県と東京都の都県境に東西11km、南北4km、総面積約3,500haの規模で広がる丘陵で、周囲は武蔵野台地となっています。埼玉県所沢市・入間市から、東京都東村山市・東大和市・武蔵村山市・西多摩郡瑞穂町に跨っていて、狭山湖(山口貯水池)・多摩湖(村山貯水池)の水源保護林があったために、広域の里山の環境が保持されています。

狭山丘陵の地図

ホソオチョウ(あげはちょう科)

ホソオチョウ(細尾蝶)
学 名 Sericinus montela
科 名 あげはちょう科 
時 期 年3〜4回、4月〜9月
分 布 本州、九州
大きさ (前翅長)26-32mm
(開張)30-35mm
生育地 草原、河川敷など
<特徴>
 年3〜4回、春から秋に、本州や九州の草原や河川敷などで部分的に見られますが、本来は日本にいなかった種で、人為的に持ち込まれたものが繁殖したと思われます。アゲハチョウの仲間で、翅の表側は、オスでは、前翅に白地に太い黒条が目立ち、メスでは、黄白地に前後翅に黒条が発達して黒ずんでいます。オス、メスとも、後翅には中央に赤斑列があり、尾錠突起が細くて長いのが特徴です。ふわふわとゆるやかに飛翔し、時々花や葉に止まるので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)を食するので、それらの生えている河川敷や草地などで見ることが出来ます。

<名前の由来>
 尾錠突起がが発達して、細くて尾のように見えることから命名されました。

<備考>
 春型と夏型があり、春型は夏型より小型で、尾錠突起は短めです。

ホソオチョウ夏型♂(あげはちょう科) 2014年7月6日午後、比良の丘(所沢市)で撮影 
ホソオチョウ夏型♀(あげはちょう科) 2014年7月6日午後、比良の丘(所沢市)で撮影

 2014年7月6日午後、比良の丘(所沢市)で撮影しましたが、たくさんの数で乱舞していました。


ウスバシロチョウ(あげはちょう科)

ウスバシロチョウ(薄羽白蝶)
学 名 Parnassius glacialis
科 名 あげはちょう科 
時 期 年1回、4月〜5月
寒冷地では7月〜8月
分 布 北海道、本州、四国
大きさ (前翅長)26-38mm
(開張)50-65mm
生育地 林縁、草地、畑地など
<特徴>
 年1回春に、林縁、草地、畑地など見られますが、寒冷地では夏に見られることがあるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側は、白地に黒い筋が目立ちます。翅の表側も同様に白地に黒い筋が目立ちますが、体毛がはっきり見えるのが特徴です。頭部近くに黄褐色の毛があることで、ヒメウスバシロチョウと識別されます。ふわふわとあまり羽ばたかずにゆっくりと飛んでいます。幼虫は、ケシ科植物(ムラサキケマン、ジロボウエンコグサ、ヤマエンゴサクなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽が薄く陽光に透けるように見える白い蝶という意味で命名されました。

<備考>
 オスと比べ、メスは体の毛が少ないです。別名:ウスバアゲハ

ウスバシロチョウ(あげはちょう科) 2014年5月18日午後さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年5月18日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、ふわふわとゆったり飛んでいて、時々葉に止まったところを接写しました。

ウスバシロチョウ(アゲハチョウ科) 2016年5月5日午後、「さいたま緑の森博物館」(入間市)で撮影

 2016年5月5日午後、「さいたま緑の森博物館」(入間市)で撮影しましたが、花に止まったところを接写しました。


オナガアゲハ(アゲハチョウ科)

オナガアゲハ(尾長揚羽)
学 名 Papilio macilentus
科 名 アゲハチョウ科 
時 期 年2〜3回、4月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)47-58mm
(開張)90-120mm
生育地 森林、林縁
<特徴>
 普通寒冷地では年2回、暖地では年3回の発生で、春から秋まで、北海道から九州の主に丘陵地からら山地の渓流沿いなどで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒色ですが、後翅外縁に弦月形の赤斑が並んでいます。また、尾状突起が長く、湾曲しているのが特徴です。ゆるやかに飛んでいますが、時々ツツジやアザミなどの花に止まるので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ミカン科植物(コクサギ、カラスザンショウ、サンショウなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、尾状突起が長い(オナガ)ので、名付けられました。

<備考>
 オスは、後翅表の前縁に長楕円形の白斑があるので、識別できます。
オナガアゲハ♀(アゲハチョウ科) 2016年5月5日午後、「さいたま緑の博物館」(入間市)で撮影

 2016年5月5日午後、狭山丘陵の「さいたま緑の博物館」(入間市)で撮影しましたが、ツツジの花で吸蜜していました。


アゲハチョウ(あげはちょう科) 

アゲハチョウ(揚羽蝶)
学 名 Papilio xuthus
科 名 あげはちょう科
時 期 年2〜5回、3月〜10月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)35-60mm
(開張)65-110mm
生育地 庭や公園、畑地など
<特徴>
 お馴染みのチョウの一つで、都市部から山岳地帯まで、いろいろな所で観察することが出来ます。しかし、よく見ると結構きれいなのです。春にはツツジ類、夏以降にはヤブガラシ、アザミ類、ヒガンバナなどで吸蜜しているのを見かけます。幼虫は、ミカン類の葉を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるので、そこから名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。他のアゲハチョウと区別するために、ナミアゲハと呼ばれることもあります。

アゲハチョウ(あげはちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

アゲハチョウ(あげはちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


キアゲハ(あげはちょう科) 

キアゲハ(黄揚羽)
学 名 Papilio machaon
科 名 あげはちょう科 
時 期 年1〜4回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)36-70mm
(開張)90-120mm
生育地 河川敷、畑地、草地など
<特徴>
 初春から晩秋まで、海岸から高山帯の河川敷、畑地、草地などで普通に見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黄色地に、黒い帯と線できれいな模様があり、後翅には、青または赤の紋も見られます。飛翔力が強く、元気に飛びまわるので、追いかけて撮影するのはたいへんです。幼虫は、セリ科植物(ニンジン、セリ、シシウドなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、黄色っぽいので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がかなり大きいのです。

キアゲハの夏型(あげはちょう科) 2012年8月26日午前に撮影、荒幡富士市民の森(所沢市)付近で撮影 

 2012年8月26日午前に撮影、荒幡富士市民の森(所沢市)付近で撮影しましたが、吸蜜していました。

キアゲハの夏型(あげはちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


クロアゲハ(あげはちょう科) 

クロアゲハ(黒揚羽)
学 名 Papilio protenor
科 名 あげはちょう科 
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)45-70mm
(開張)90-110mm
生育地 山地から都市の公園、樹林周辺、草地、人家付近など
<特徴>
 春から夏まで、山地から都市周辺の公園、樹林、草地、人家付近など様々な場所で見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒色ですが、後翅にオレンジ色の斑紋が見られ、オスには、白帯もあります。幼虫は、ミカン科植物(カラタチ、カラスザンショウなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、全体に黒(クロ)っぽいので、名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土・奄美亜種と沖縄・八重山亜種があります。

クロアゲハ♀(あげはちょう科) 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、しばらく花から花へ飛びまわっていたので、いろいろな角度からシャッターが切れました。


カラスアゲハ(あげはちょう科)

カラスアゲハ(烏揚羽)
学 名 Papilio bianor
科 名 あげはちょう科 
時 期 年2回、4月〜9月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)45-80mm
(開張)75-120mm
生育地 平地から亜高山帯まで広く分布
<特徴>
 春から秋まで、平地から亜高山帯まで、日本全土で普通に見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側は、黒っぽく、後翅にオレンジ色の三日月模様が並んでいます。翅の表側は、青っぽい輝きが感じられ、後翅にオレンジ色または青色の三日月模様が並びます。林の中を敏速に飛びまわっているのを見かけます。幼虫は、ミカン科植物(カラスザンショウ、コクサギ、イヌザンショなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、黒っぽいので烏(カラス)に例えて名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。本土亜種、八丈島亜種、トカラ列島亜種、奄美亜種、沖縄亜種、八重山亜種がありますが、沖縄亜種を別種の「オキナワカラスアゲハ」として分類する場合もあります。

カラスアゲハの春型(あげはちょう科)本土亜種 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、本土亜種です。


アオスジアゲハ(あげはちょう科)

アオスジアゲハ(青筋揚羽)
学 名 Graphium sarpedon
科 名 あげはちょう科 
時 期 年3〜4回、4月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)32-45mm
(開張)65-90mm
生育地 公園、山地の照葉樹林、海岸付近など
<特徴>
 春から秋まで、公園、山地の照葉樹林、海岸付近などで見られるアゲハチョウの仲間です。翅の裏側も表側も黒褐色地に青緑色の帯が目立ちます。飛翔力が強く、元気に空高く飛んでいくのを見かけます。幼虫は、クスノキ科植物(クスノキ、ヤブニッケイ、タブノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 花にとまって、密をすう時、羽を揚(あ)げてとまるアゲハチョウの仲間で、羽に青緑色の筋(アオスジ)が目立つので、名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方が大きいのです。
アオスジアゲハの夏型(あげはちょう科) 2014年9月28日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年9月28日午後に撮影しましたが、花で吸蜜していたので、望遠でとらえました。

アオスジアゲハの春型(アゲハチョウ科) 2016年5月5日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年9月28日午後、「さいたま緑の森博物館」(入間市)で撮影しましたが、ハルジョオンの花で吸蜜していました。


キタキチョウ(しろちょう科) 

キタキチョウ(北黄蝶)
学 名 Eurema mandarina
科 名 しろちょう科 
時 期 年4〜5回、5月〜10月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)18-27mm
(開張)35-45mm
生育地 林縁、河原など
<特徴>
 春から秋まで、低山地から平地の林縁や河原などで普通に見られる黄色っぽいチョウです。翅の裏側は、黄色地に小さな点のような模様が見られます。翅の表側は、黄色で黒い縁が見られますが、前翅の方が黒い部分が多く見られます。幼虫は、マメ科植物(メドハギ、ネムノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 黄色いチョウという意味で命名されましたが、その後沖縄県産のキチョウと区別するために、その北(キタ)に生息しているのでこの名前になりました。

<備考>
 夏型と秋型があり、成虫で越冬します。

キタキチョウの夏型(しろちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


モンキチョウ(しろちょう科)

モンキチョウ(紋黄蝶)
学 名 Eurema hecabe
科 名 しろちょう科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)22-33mm
(開張)40-50mm
生育地 公園、畑地、河原など
<特徴>
 早春から晩秋まで、畑地、草原、河原、公園などで、一般的に見られる黄色っぽいチョウですが、メスには白っぽいのがいて、一見モンシロチョウと見間違えることもあります。各種の花で蜜を吸っていますが、動きが活発で、なかなか撮れない時があります。幼虫はアカツメクサシロツメクサ、クサフジなどを食べます。

<名前の由来>
 羽に紋のある黄色いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。

モンキチョウの春型♀(しろちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

モンキチョウの春型♂(しろちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

モンキチョウ♂と♀(しろちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、オスとメスがカップルで飛んでいました。


ツマキチョウ(しろちょう科)

ツマキチョウ(褄黄蝶)
学 名 Anthocharis scolymus
科 名 しろちょう科 
時 期 年1回、3月〜5月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)40-50mm
生育地 平地から山地の河川沿い、林縁など
<特徴>
 早春に年1回だけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、北海道〜九州の平地から山地の河川沿い、林縁等の開けたところで見られます。翅の裏側は、木の葉っぱのような迷彩色をしていて、目立たなくなっています。翅の表側は、白色で前翅に黒点があり、オスでは端が黄色になっていて、メスとの識別が容易です。飛び方は、他のシロチョウと比べて直線的で、翅を半開きにして花にとまります。幼虫は、アブラナ科植物(ハタザオ、タネツケバナ、イヌガラシ、ナズナ、ダイコンなど)の花や果実を食べます。

<名前の由来>
 白色で前翅の端を意味する褄(ツマ)が黄(キ)色になっているチョウということで名付けられています。

<備考>
 季節型はありません。

ツマキチョウ♂(しろちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


モンシロチョウ(しろちょう科) 

モンシロチョウ(紋白蝶)
学 名 Pieris rapae
科 名 しろちょう科 
時 期 年6〜7回、3月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)44-46mm
生育地 キャベツ畑など
<特徴>
 春から秋まで、日本中で普通に見られるチョウで、最もなじみの深いものの一つです。野原や畑などを白っぽいチョウがフワフワと飛んでいて、いろいろな花にとまって蜜を吸ったりしています。幼虫は、キャベツや大根の葉を食するので、害虫にされています。モンキチョウのメスやスジグロシロチョウと見間違えることがあります。

<名前の由来>
 羽に紋のある白いチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、春型は小型で黒っぽい感じがします。

モンシロチョウの夏型♀(しろちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

モンシロチョウの春型♂(しろちょう科) 2008年3月30日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年3月30日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

モンシロチョウの春型♂(シロチョウ科) 2016年5月5日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2016年5月5日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


スジグロシロチョウ(しろちょう科) 

スジグロシロチョウ
(筋黒白蝶)
学 名 Pieris melete
科 名 しろちょう科 
時 期 年4〜5回、3月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-35mm
(開張)50-60mm
生育地 低地の林周辺、耕作地、市街地など
<特徴>
 初春から秋まで、低地の林周辺、耕作地、市街地など、一般的に見られる白色っぽいチョウですが、一見モンシロチョウエゾスジグロシロチョウと見間違えることもあります。翅の裏側は、白色で黒斑と黒い筋があります。翅の表側は、白色地に黒斑と黒い筋があります。幼虫は、アブラナ科植物(イヌガラシ、ハタザオなど)を食べます。

<名前の由来>
 シロチョウの仲間で、羽に黒い筋があるチョウという意味で命名されています。

<備考>
 春型と夏型があり、夏型の方がやや大きいのです。

スジグロシロチョウ夏型♀(しろちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

スジグロシロチョウ夏型♀(しろちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

スジグロシロチョウ夏型♀(しろちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。

スジグロシロチョウ夏型♂(しろちょう科) 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上に止まっていました。


ゴイシシジミ(しじみちょう科)

ゴイシシジミ (碁石小灰)
学 名 Taraka hamada
科 名 しじみちょう科 
時 期 年2〜5回、5月〜10月
分 布 北海道西部〜九州
大きさ (前翅長)10-17mm
(開張)約20mm
生育地 雑木林から亜高山帯

<特徴>
 春から秋まで、北海道西部〜九州の雑木林から亜高山帯で見られるシジミチョウの一種です。翅の裏側は白地に黒斑が目立ちます。表側は茶褐色地に黒斑が見られます。竹藪周辺をチラチラと飛んでいて、なかなかとまりませんが、葉の裏側にとまってアブラムシの分泌液を吸っている時にはシャッターチャンスがあります。幼虫は純肉食で、ササやタケ類に寄生するササコナフキツノアブラムシ、タケノアブラムシを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏の黒斑が碁石(ゴイシ)を置いたように見えることから名付けられました。

<備考>
 季節差はあまりありませんが、メスは大きく、翅が丸味を帯びています。

ゴイシシジミ (しじみちょう科) 2012年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、1頭だけが笹の葉にとまっていました。

ゴイシシジミ (しじみちょう科) 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ゴイシシジミ (しじみちょう科) 2015年5月17日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年5月17日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、笹の葉の上に止まっていました。。


ウラギンシジミ(しじみちょう科)

ウラギンシジミ (裏銀小灰)
学 名 Curetis acuta
科 名 しじみちょう科 
時 期 年2〜5回、6月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)19-27mm
(開張)37-40mm
生育地 林縁、市街地など

<特徴>
 初夏から秋まで、林縁や市街地などで見かけるモンシロチョウより少し小さいくらいのシジミチョウです。翅の裏側は銀白色をしていますが、表側はオスが茶褐色地にオレンジ色の紋、メスは茶色地に青灰色の紋を持っています。幼虫は、マメ科植物(フジ、クズ、クララなど)の花やつぼみを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏が白っぽく銀色に見えることから名付けられました。

<備考>
 シジミチョウの仲間では大型です。

ウラギンシジミ♀ (しじみちょう科) 2012年7月16日午前、西武遊園ゴルフ場脇(所沢市)で撮影

 2012年7月16日午前、西武遊園ゴルフ場脇(所沢市)で撮影しましたが、羽を開いてとまらなかったので、表側が撮影できませんでした。しかし、表側の白色を見せながら飛んでいきました。


ムラサキシジミ(しじみちょう科)

ムラサキシジミ(紫小灰)
学 名 Narathura japonica
科 名 しじみちょう科
時 期 年2〜4回、6月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)14-22mm
(開張)30-40mm  
生育地 常緑林など
<特徴>
 初夏から秋まで、常緑林周辺などで見られる、シジミチョウの一種ですが、成虫で越冬するので、冬から春に見られることもあります。翅の表側は紫藍色部分を囲むように外縁黒帯がありますが、メスの方が広くなります。裏側は、目立たない黒褐色で、黒っぽい斑と帯が見られます。林の中をすばやく飛翔しますが、たまに低木で羽を休めてくれるので撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(アラカシ、アカガシ、イチイガシなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が紫(ムラサキ)色に輝いて見えることから名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。

ムラサキシジミ♀(しじみちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上で動かなかったので、接写できました。

ムラサキシジミ♀(しじみちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上で翅を開いてくれました。


アカシジミ(しじみちょう科)

アカシジミ
(赤小灰)
学 名 Japonica lutea
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、5月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)16-22mm
(開張)35-42mm
生育地 平地、低山のコナラ、クヌギの雑木林等
<特徴>
 年1回、晩春から初夏に平地、低山のコナラ・クヌギの雑木林などで見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、赤っぽい橙色で、裏側は橙色の地に銀白色の条線が見られます。オスは夕方になると盛んに飛びまわりますが、日中は林の中等で休んでいるので、撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(クヌギ、コナラ、カシワ、ミズナラなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、表側も裏側も赤(アカ)っぽく見えるところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。

アカシジミ(しじみちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、樹上の葉の上でじっとして動かなかったので、表側は撮影できませんでした。

アカシジミ(しじみちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

アカシジミ(しじみちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、栗の花で吸蜜していました。

アカシジミ(しじみちょう科) 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上に止まっていました。


ウラナミアカシジミ(しじみちょう科)

ウラナミアカシジミ
(裏波赤小灰)
学 名 Japonica saepestriata
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜四国
大きさ (前翅長)16-23mm
(開張)40mm前後
生育地 平地、低山の雑木林等
<特徴>
 年1回、初夏に平地、低山の雑木林などで見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、赤っぽい橙色で、裏側は黄色地に黒色の波模様が目立ちます。オスは夕方になると盛んに飛びまわりますが、日中は林の中等で休んでいるので、撮影できる場合があります。幼虫は、ブナ科植物(クヌギ、コナラ、アベマキなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の裏(ウラ)側に波(ナミ)模様があり、表側が赤(アカ)っぽく見えるところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。埼玉県レッドリスト絶滅危惧U類

ウラナミアカシジミ(しじみちょう科) 2008年6月15日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年6月15日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上を動き回っていました。

ウラナミアカシジミ(しじみちょう科)  2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影が、栗の花で吸蜜していました。

ウラナミアカシジミ♂(しじみちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、栗の花で吸蜜していました


ミズイロオナガシジミ(しじみちょう科)

ミズイロオナガシジミ
(水色尾長小灰)
学 名 Antigius attilia
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)11-18mm
(開張)25-35mm  
生育地 平地の雑木林周辺
<特徴>
 年1回初夏に、北海道〜九州の平地の雑木林周辺などで普通に見られるシジミチョウの一種です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の仲間で、翅の表側は、黒褐色で、後翅の外縁に小さな白色斑があります。裏側は白色地ですが、後翅の外縁に水色の斑紋が見られ、中央部には黒帯が目立ちます。また、しっぽ(尾状突起)が長いのが特徴です。夕方は、木々の間を飛びまわっていますが、昼間は木葉や草の上で休んでいますので、撮影のチャンスがあります。幼虫は、ブナ科植物(コナラ、ミズナラ、カシワ、クヌギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、飛ぶと水色(ミズイロ)っぽく見え、尾状突起が長い(オナガ)ところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。

ミズイロオナガシジミ(しじみちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ミズイロオナガシジミ♀(しじみちょう科) 2008年6月15日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年6月15日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、珍しく開翅したものが撮れました。


ミドリシジミ(しじみちょう科)

ミドリシジミ(緑小灰)
学 名 Neozephyrus japonicus
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)16-23mm
(開張)35-40mm  
生育地 湿地、田畑の畦、雑木林など
<特徴>
 年1回、初夏に湿地、田畑の畦、雑木林などで見られるシジミチョウの仲間です。きらめく羽を持つゼフィルス(ラテン語で西風の意味)の一種で、翅の表側は、オスは金緑色、メスは黒褐色となります。裏側は茶褐色の地に白線とオレンジ色の紋が目立ちます。幼虫は、カバノキ科植物(ハンノキ、ケヤマハンノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、オスの翅の表側が緑(ミドリ)色に輝いて見えるところから名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。埼玉県レッドリスト準絶滅危惧、1991年(平成3)11月「埼玉県の蝶」に指定

ミドリシジミ(しじみちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前に撮影しましたが、蜘蛛の巣にかかって、弱っていたのを手のひらにとって撮影しました。

ミドリシジミ♀(しじみちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、ハンノキの葉上に止まっていました。


コツバメ(しじみちょう科)

コツバメ (小燕)
学 名 Callophrys ferrea
科 名 しじみちょう科
時 期 年1回、3月〜4月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)11-16mm
(開張)20-25mm
生育地 雑木林周辺など
<特徴>
 早春に年1回だけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、雑木林の周辺で見られる小型のシジミチョウの一種です。翅の裏側は茶褐色で、胴体が毛深いのがわかります。表側は、青色ですが、オスは黒みがかり、メスは鮮やかさがあります。また、尾状突起がないのも特徴です。飛ぶときは敏捷で、オスは占有行動をとります。幼虫はツツジ科やバラ科、スイカズラ科などの各種植物の花穂を食します。

<名前の由来>
 黒っぽくて敏捷に飛ぶので、まるで小さなツバメのようだと命名されました。

<備考>
 季節差はありません。

コツバメ(しじみちょう科) 2013年4月9日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2013年4月9日午後に撮影しましたが、しばらくじっとしていてくれたので接写が出来ました。


トラフシジミ(しじみちょう科)

トラフシジミ (虎斑小灰)
学 名 Rapala arata
科 名 しじみちょう科
時 期 年2回、4月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)18-21mm
(開張)32-40mm
生育地 平地から高原
<特徴>
 ふつう年2回成虫が出現し、春〜夏に平地から高原で見られるシジミチョウの一種です。翅の裏側は褐色で、白帯が縞模様のように見えます。表側は、藍色ですが、オスは後翅基部に三角形の性標が現れます。飛ぶときは素早いのですが、すぐ葉の上にとまるのでシャッターチャンスがあります。幼虫はマメ科やツツジ科、ユキノシタ科などの植物の花や実を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、褐色と白帯の縞模様を虎斑(トラフ)に見立てて、命名されました。

<備考>
 春型は夏型に比べ、白帯がはっきりしてコントラストが強くなります。

トラフシジミの夏型(しじみちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、栗の花で吸蜜していました。

トラフシジミの春型(しじみちょう科) 2015年5月17日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年5月17日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、ハルジョオンの花で吸蜜していました。


ベニシジミ(しじみちょう科)

ベニシジミ(紅小灰)
学 名 Lycaena phlaeas
科 名 しじみちょう科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-19mm
(開張)27-35mm
生育地 草地、荒地、畑地、湿地など
<特徴>
 早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られ、小型ですが、オレンジ色が目立つためにしばしば目を引きます。特に、春型が鮮やかで、近づいて観察するととても愛らしいのです。地面近くを忙しそうに飛び、各種の花にとまって蜜を吸ったりしていますが、あまり動かない時もあって、よくカメラに収まってくれます。幼虫は、スイバ、ギシギシ、ノダイオウなどを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、紅色をしているので名付けられました。

<備考>
 春型と夏型があり、春型の方が色が鮮やかです。

ベニシジミの夏型♀(しじみちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ベニシジミの春型(しじみちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、熱心に吸蜜していました。


ウラナミシジミ (しじみちょう科) 

ウラナミシジミ (裏波小灰)
学 名 Lampides boeticus
科 名 しじみちょう科 
時 期 年5〜6回、7月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)13-18mm
(開張)28-34mm
生育地 耕作地、河川敷など

<特徴>
 夏から秋まで、本州から沖縄の耕作地や河川敷などで見られるシジミチョウの仲間です。翅の裏側は、白と褐色のさざ波模様があり、後翅隅に2つの黒斑と橙色の部分が見られます。表側は、青紫色ですが、メスではまわりの黒縁取りが大きくなります。幼虫は、マメ科植物(フジマメ、アヅキ、クズなど)のつぼみ、花、実を食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、羽の裏(ウラ)側にさざ波(ナミ)模様があるので、この名が付きました。

<備考>
 食草を求めて北へ北へと移動する習性を持っています。

ウラナミシジミ♂ (しじみちょう科) 2012年10月8日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影 

 2012年10月8日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ヤマトシジミ (しじみちょう科) 

ヤマトシジミ (大和小灰)
学 名 Pseudozizeeria maha
科 名 しじみちょう科 
時 期 年数回、3月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)9-16mm
(開張)20-28mm
生育地 道端、野原、庭など

<特徴>
 早春から晩秋まで、草地や人家周辺で普通に見られる、小型のシジミチョウです。翅の裏側には、灰色地に黒い斑紋列が見られます。表側は少し光沢のある空色ですが、メスは黒っぽいものが見られます。地表近くを忙しげに飛んで、シロツメクサなどで吸蜜していますが、動きが速いのでなかなかシャッターを切らせてくれません。幼虫はカタバミを食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、日本(ヤマト)に広く分布していることから名付けられました。

<備考>
 カタバミのあるところに出没します。

ヤマトシジミ♂と♀ (しじみちょう科) 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、交配中でした。

ヤマトシジミ♂(しじみちょう科) 2012年10月8日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年10月8日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上で羽を休めているところを接写しました。


ルリシジミ(しじみちょう科)

ルリシジミ(瑠璃小灰)
学 名 Celastrina argiolus
科 名 しじみちょう科 
時 期 年4〜5回、3月〜11月
分 布 日本各地
大きさ (前翅長)12-19mm
(開張)27-33mm
生育地 草地、雑木林周辺、人家周辺など
<特徴>
 春から秋まで、雑木林や人家の周辺を忙しげに飛んでいる、白っぽいシジミチョウです。翅の裏側は、灰色地に小さい黒斑が並んでいます。表側は青色ですが、メスでは薄く縁の黒っぽい部分が広くなります。幼虫は、マメ科、ミズキ科、バラ科など、各種の植物の花やつぼみを食べます。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、翅の表側が瑠璃(ルリ)色をしているので名付けられました。

<備考>
 季節差はほとんどありません。

ルリシジミ (しじみちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、羽を開かなかったので、表側は撮れませんでした。


ツバメシジミ (しじみちょう科)

ツバメシジミ (燕小灰)
学 名 Everes argiades
科 名 しじみちょう科
時 期 年4回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)9-19mm
(開張)25mm前後
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 春から秋まで、草地や河原で普通に見られる小型のシジミチョウです。後翅の裏側には、オレンジ色の紋があり、表側はオスは、青紫色ですが、メスは黒っぽくなります。また、後翅に糸のような短い尾(尾状突起)があるのが特徴です。地表近くを軽々と飛んでいて、時々各種の花や地表にとまります。幼虫は、マメ科植物(シロツメクサゲンゲ、ナンテンハギ、ヤマハギ、コマツナギなど)を食します。

<名前の由来>
 羽を閉じている時の様子がシジミ貝の内側に似ているために命名されたシジミチョウの一種で、後羽にツバメの尾のような細長い突起があることから名付けられました。

<備考>
 日当たりの良い場所を好みます。

ツバメシジミの春型♀(しじみちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ツバメシジミの夏型♀(しじみちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上で羽を休めているところでシャッターを切りました。


オオウラギンスジヒョウモン(たてはちょう科)

オオウラギンスジヒョウモン
(大裏銀筋彪紋)
学 名 Argyronome ruslana
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)34-43mm
(開張)70mm前後
生育地 山地の樹林周辺、草地など
<特徴>
 年1回の発生で、6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動するタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に前翅には黒斑、後翅には、中央に白色斑列があり、銀色の筋のようにも見えます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、オスには前翅の表側に性標が3本あります。幼虫は、スミレ科植物(タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 大(オオ)型の彪紋(ヒョウモン)蝶で、羽の裏側に銀(ギン)色の筋(スジ)があるのでこの名前が付きました。

<備考>
 オスよりメスの方がやや大きいのです。

オオウラギンスジヒョウモン♀(たてはちょう科) 2012年10月8日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

2012年10月8日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、ノアザミの花で吸蜜していたので、接写できました。

オオウラギンスジヒョウモン♀(たてはちょう科) 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、オカトラノオの花で吸蜜していたので、接写できました。


メスグロヒョウモン(たてはちょう科)

メスグロヒョウモン(雌黒彪紋)
学 名 Damora sagana
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)30-40mm
(開張)65-75mm
生育地 平地の雑木林から山地の樹林周辺
<特徴>
 年1回の発生で、6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠、9月頃再び活動し、平地の雑木林から山地の樹林周辺で見られるタテハチョウの一種です。雄と雌では色合いが大きく異なり、雄の翅の裏側は、後翅に薄黄色地に茶色の線と赤褐色の帯が見られます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)がはっきりしています。しかし、雌では、翅の裏側は緑がかった地色に黒帯と白帯、翅の表側は、黒褐色の地色に白帯と白斑が目立ち、全く別種かと見間違えるほどです。幼虫は、スミレ科植物を食べます。

<名前の由来>
 雌(メス)の翅が黒(クロ)ぽくなっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 オスには前翅の表側に性標が3本みられます。埼玉県レッドリスト準絶滅危惧

メスグロヒョウモン♀(たてはちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、しばらく吸蜜していたので、何枚か写真が撮れました。


ミドリヒョウモン(たてはちょう科)

ミドリヒョウモン(緑彪紋)
学 名 Argynnis paphia
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月、9月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)31-40mm
(開張)65-75mm
生育地 平地から亜高山帯の雑木林周辺など
<特徴>
 年1回の発生で、6月〜7月頃あらわれますが、低山地では真夏には一時夏眠し、9月頃再び活動するタテハチョウの一種です。翅の裏側は、薄緑色の地に銀白色の帯が3本見られます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られます。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅の裏側が緑(ミドリ)色ぽくなっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 オスには前翅の表側に性標が3本みられます。


ミドリヒョウモン♂(たてはちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ツマグロヒョウモン(たてはちょう科)

ツマグロヒョウモン(褄黒彪紋)
学 名 Argyreus hyperbius
科 名 たてはちょう科
時 期 多化性、4月〜11月
分 布 本州(近畿以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)27-38mm
(開張)70-80mm
生育地 河原、畑地、草原、市街地など
<特徴>
 多化性で、春から晩秋に、本州(近畿以西)から沖縄の河原、畑地、草原、市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に斑模様がありますが、前翅には赤色部分が表れます。翅の表側は、褐色の地に黒斑(彪紋)が見られますが、メスの前翅の先は黒紫になり、白い帯があります。幼虫は、スミレ科植物(スミレ、タチツボスミレなど)を食べます。

<名前の由来>
 メスの前翅の端を意味する褄(ツマ)が黒(クロ)色になっている、彪紋(ヒョウモン)蝶という意味で名付けられました。

<備考>
 季節型はありませんが、オスとメスでかなり模様が異なります。

ツマグロヒョウモン♂(たてはちょう科) 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ツマグロヒョウモン♀(たてはちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


イチモンジチョウ(たてはちょう科)

イチモンジチョウ(一文字蝶)
学 名 Limenitis camilla
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、5月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)24-36mm
(開張)45-55mm
生育地 雑木林周辺、都市郊外など
<特徴>
 年2〜3回発生し、雑木林周辺、都市郊外などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は、黄褐色の地に、白帯と黒の斑模様が見られます。翅の表側は、黒褐色の地に白い帯が目立ち、羽を開いているときには、1本の帯のように見えます。あまり羽をはばたかずに滑空するように飛び、時々木々にとまります。幼虫は、スイカズラ科植物(スイカズラ、ヒョウタンボク、ハコネウツギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開くと、前翅と後翅の模様が繋ながって、白い帯が、一(イチ)の文字(モンジ)のように見えるので名付けられました。

<備考>
 季節型はありません。

イチモンジチョウ(たてはちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ミスジチョウ(たてはちょう科)

ミスジチョウ(三筋蝶)
学 名 Neptis philyra
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)31-37mm
(開張)65mm前後
生育地 山地の樹林など
<特徴>
 年1回夏に、山地の樹林などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は茶色地に白線が入り、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。ゆるやかに、スーッと飛ぶ独特な飛び方をします。幼虫は、カエデ科植物(カエデ、ヤマモミジ、タカオカエデなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されました。

<備考>
 オスとメスが似ています。埼玉県レッドリスト準絶滅危惧

ミスジチョウ(たてはちょう科) 2015年5月17日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年5月17日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、地表に止まっていました。


コミスジ(たてはちょう科)

コミスジ(小三筋)
学 名 Neptis sappho
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-30mm
(開張)45-54mm
生育地 都市郊外、山地、林縁
<特徴>
 春から秋まで、林縁や都市郊外などでも普通に見られる小さめのタテハチョウです。翅の裏側は茶色地に白線が入り、表側は濃茶色地に三本の白い帯が目立ちます。羽をパタパタさせながら、スーッと飛ぶ独特な飛翔を見せますが、ちょっと鈍感なのか、近づいても動かないことがあるので、結構カメラに収まってくれます。幼虫はマメ科植物(クズ、フジ、ヤマハギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽を開いた時の模様が、白い3本の横筋線が目立つので「ミスジ」と命名されたのですが、その中では小型なので頭に「コ」がつきました。

<備考>
 オスとメスが似ています。

コミスジ(たてはちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

コミスジ(たてはちょう科) 2008年5月17日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年5月17日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


キタテハ(たてはちょう科)

キタテハ(黄立翅)
学 名 Polygonia c-aureum
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜5回、5月〜11月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)22-34mm
(開張)50-62mm
生育地 草地、河川堤防など
<特徴>
 春から秋にかけて、草地、河川堤防などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしています。表側は、黄色地に黒い紋がありますが、夏型は地色が黄色っぽく、秋型は地色がオレンジっぽくなります。活発に飛び回っていますが、たまに、地上に静止することがあるので、カメラにも収まってくれます。幼虫は、クワ科のカナムグラを食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも黄色っぽいので名付けられました。

<備考>
 夏型と秋型があり、秋型は成虫で越冬し、春になると飛び出します。

キタテハの夏型(たてはちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影撮影しました。

キタテハの秋型(たてはちょう科) 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年9月16日午前、狭山丘陵(入間市)で撮影しました。

キタテハの秋型(たてはちょう科) 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ヒオドシチョウ(たてはちょう科)

ヒオドシチョウ(緋縅蝶)
学 名 Nymphalis xanthomelas
科 名 たてはちょう科
時 期 年1回、6月〜7月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)32-42mm
(開張)70mm前後
生育地 平地から山地の樹林周辺、市街地など
<特徴>
 初夏に、平地から山地の樹林周辺、市街地などで見られるタテハチョウの一種です。翅の裏側は木肌模様で、目立ちませんが、表側は、褐色の地に黒斑と黒縁(青色が交じる)が見られ、体と翅の付け根に毛があります。幼虫は、ニレ科植物(エノキ、エゾエノキ、ハルニレなど)、ヤナギ科植物(オオバヤナギなど)を食べます。

<名前の由来>
 羽の表側の模様を、昔の武士が身に着けた緋縅(ヒオドシ)の鎧に見立てて名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬するので、春先に見られる場合があります。埼玉県レッドリスト絶滅危惧U類

ヒオドシチョウ(たてはちょう科) 2008年5月17日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年5月17日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒオドシチョウ(たてはちょう科) 2013年5月31日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2013年5月31日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒオドシチョウ(たてはちょう科) 2016年3月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2016年3月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、地表に止まったところを望遠で捉えました。


ルリタテハ(たてはちょう科)

ルリタテハ(瑠璃立翅)
学 名 Kaniska canace
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-44mm
(開張)55-65mm
生育地 市街地、山地など
<特徴>
 初夏から秋まで、市街地から山地まで見ることができるタテハチョウの一種です。翅の裏側は木肌模様で、目立ちませんが、表側は黒地に瑠璃(ルリ)色の帯があり、前翅には白い模様も見られます。とても敏捷に飛びまわり、樹上や路上では羽を開いて休みますが、樹液を吸う時などは、羽を閉じるので目立たなくなります。幼虫はユリ科植物(サルトリイバラ、ホトトギスなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、翅の表側に瑠璃(ルリ)色の帯があるので、名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。また、メスがオスよりやや大きいのです。本土亜種と南西諸島亜種があります。

ルリタテハ(たてはちょう科) 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、本土亜種です。

ルリタテハ(たてはちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ヒメアカタテハ(たてはちょう科)

ヒメアカタテハ(姫赤立翅)
学 名 Cynthia cardui
科 名 たてはちょう科
時 期 多化性、5月〜11月
分 布 日本全土
大きさ (前翅長)25-33mm
(開張)55mm前後
生育地 平地から山地の草地、畑地、市街地など
<特徴>
 春から晩秋にかけて、日本各地の平地から山地の草地、畑地、市街地などで普通に見られるタテハチョウの仲間です。翅の裏側は目立たない地味な色をしていますが、表側は、褐色地に黒い斑紋があり、前翅には白斑紋も見られます。活発に飛び回っていますが、時々、花や地上に静止することがあるので、結構シャッターも切らせてくれます。幼虫は、キク科植物( ヨモギ、ハハコグサ、ゴボウなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、その中でも赤(アカ)色っぽく、アカタテハに比べて、やや小さく愛らしいので姫(ヒメ)が付きました。

<備考>
 暖地では、成虫で越冬するので早春に見られることもあります。オスとメスはよく似ていて、識別が難しいのです。

ヒメアカタテハ(たてはちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒメアカタテハ(たてはちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


アカボシゴマダラ(たてはちょう科)

アカボシゴマダラ(赤星胡麻斑)
学 名 Hestina assimilis assimilis
科 名 たてはちょう科
時 期 年2〜3回、5月〜9月
分 布 関東、山梨、静岡
大きさ (前翅長)40-53mm
(開張)75-95mm
生育地 平地〜低山地の樹林
<特徴>
 年2〜3回発生し、春から秋にかけて関東、山梨県、静岡県の平地〜低山地の樹林で見られるタテハチョウの一種ですが、日本に本来から奄美諸島に生息していたものとは違い、1990年代初めごろに中国大陸から持ち込まれたと思われるもの。翅の表裏ともに、黒色地に、白斑が目立ち、口吸が鮮やかな黄色なのが特徴です。春型は白化しますが、夏型には後翅亜外縁に沿って赤斑がみられます。緩やかに飛翔していますが、時々葉上で羽を休めるので、シャッターチャンスがあります。幼虫は、ニレ科植物(エノキなど)を食べます。

<名前の由来>
 胡麻(ゴマ)のように見える斑(マダラ)模様があり、夏型には後翅亜外縁に沿って赤斑(アカボシ)のある蝶という意味で命名されました。

<備考>
 メスは翅型が幅広くなります。

アカボシゴマダラの春型(たてはちょう科) 2013年5月31日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2013年5月31日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影撮影しました。


ヒメウラナミジャノメ(じゃのめちょう科)

ヒメウラナミジャノメ
(姫裏波蛇目)
学 名 Ypthima argus
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年3〜5回、3月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)18-24mm
(開張)33-40mm
生育地 草地、林縁など
<特徴>
 早春から秋まで、草地や林縁などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に、さざ波のような模様が出ていて、蛇の目模様が前翅に1個、後翅に5個以上見られます。表側は茶色の地色に大きな蛇の目模様が前翅左右に1個ずつ、後翅左右に2個ずつが目立ちます。草の上を低空で、リズミカルに飛んで、各種の花で吸蜜します。幼虫はカヤツリグサ科・イネ科植物(チジミザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、小さく愛らしいのでヒメ(姫)、翅の裏側がさざ波のような模様になっているので(裏波)が付きました。

<備考>
 

ヒメウラナミジャノメ(じゃのめちょう科) 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒメウラナミジャノメ(じゃのめちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科)

ヒカゲチョウ(日陰蝶)
学 名 Lethe sicelis
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)25-34mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から低山地の樹林など
<特徴>
 春から初秋まで、平地から低山地の樹林などで見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は灰褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様が見られます。表側は灰褐色の地色に、後翅に小さな蛇の目模様があります。幼虫は、イネ科植物(マダケ、アズマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて、曇天や夕刻などに日陰(ヒカゲ)をよく飛びまわる蝶なので命名されました。

<備考>
 ナミヒカゲと呼ばれる場合があります。

ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科) 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、開翅したところが撮れました。

ヒカゲチョウ(じゃのめちょう科) 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、きれいに開翅したところが撮れました。


クロヒカゲ(じゃのめちょう科)

クロヒカゲ(黒日陰)
学 名 Lethe diana
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)23-33mm
(開張)50-60mm
生育地 平地から亜高山帯
<特徴>
 春から初秋まで、平地から亜高山帯などで広く見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黒褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様が見られます。表側は黒褐色の地色に小さな蛇の目模様があります。俊敏に飛ぶので、なかなかカメラには収まってくれません。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、ネザサ、クマザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、黒っぽい色をしているので命名されました。

<備考>
 メスはオスに比べて翅の表側の色がやや淡いのです。本土亜種と御蔵島亜種があります。

クロヒカゲ(じゃのめちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、本土亜種です。

クロヒカゲ(じゃのめちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、開翅したところが撮れました。

クロヒカゲ(じゃのめちょう科) 20014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉上で開翅したところが接写できました。


サトキマダラヒカゲ(じゃのめちょう科)

サトキマダラヒカゲ
(里黄斑日陰)
学 名 Neope goschkevitschii
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年1〜2回、5月〜8月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)26-39mm
(開張)60-65mm
生育地 平地から低山地の雑木林の周辺など

<特徴>
 春から夏まで、平地から低山地の雑木林の周辺などで普通に見られるジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は白と黄と黒の入り交じった文様で、蛇の目模様が並んでいます。表側は、茶褐色の地色に橙黄色の斑と線が見られます。樹木や地面に時々とまりますが、羽を閉じているので、飛翔時以外に表側を撮影するのは難しいのです。幼虫は、イネ科植物(チシマザサ、シナノザサ、ススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 陽光を避けて曇天や夕刻によく飛びまわるヒカゲチョウの中で、里(サト)で多く見られ、黄色の斑(キマダラ)模様があるので命名されました。

<備考>
 ヤマキマダラヒカゲとよく似ていて、識別はなかなか難しいのです。

サトキマダラヒカゲ(じゃのめちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

サトキマダラヒカゲ(じゃのめちょう科) 2012年8月26日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年8月26日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


コジャノメ(じゃのめちょう科)

コジャノメ(小蛇目)
学 名 Mycalesis francisca
科 名 じゃのめちょう科
時 期 年2〜3回、4月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)20-30mm
(開張)40-50mm
生育地 雑木林内や周辺
<特徴>
 春から秋まで、本州から九州の雑木林内やその周辺の暗い環境を好むジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は黒褐色の地色に白線と大小の蛇の目模様が並んでいますが、地色が濃く、白線が少し湾曲し、やや紫がかっていることで、ヒメジャノメと区別されます。表側は茶色の地色に、前翅では大小2つの蛇の目模様が左右にあり、後翅では小さいのが左右に一つずつあります。飛び方は、比較的緩やかで、葉や地表にとまりやすいので、シャッターを切れるチャンスがあります。幼虫はイネ科植物(チジミザサ、ススキ、アシボソ、アブラススキなど)を食べます。

<名前の由来>
 翅にヘビの目玉に似た丸い紋(蛇の目)があることで命名されたジャノメチョウの仲間で、ジャノメチョウより小さいのでコ(小)が付きました。

<備考>
 夏型は前翅の蛇の目模様が大きくなります。

コジャノメの春型(じゃのめちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

コジャノメの夏型(じゃのめちょう科) 2012年8月26日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年8月26日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影ましたが、夏型は眼状紋が大きくはっきりしています。


クロコノマチョウ(タテハチョウ科)

クロコノマチョウ(黒木間蝶)
学 名 Melanitis phedima
科 名 タテハチョウ科
時 期 年3〜4回、3月〜11月
分 布 本州(関東以南)〜九州
大きさ (前翅長)32-45mm
(開張)60-80mm
生育地 森林、林縁。農地、河川
<特徴>
 春から秋まで、本州(関東以南)から九州の平地〜丘陵地の樹林や農地周辺の薄暗い環境を好むジャノメチョウの仲間です。翅の裏側は波状(夏型)、枯葉状(秋型)で、オスは黒褐色、メスは赤褐色です。表側は濃褐色で、前翅の先端付近に橙縁で中が白い大きめの黒斑があります。夕方主に活動し、低い位置をゆるやかに不規則に飛翔して、時々地表に止まりますし、腐果や樹液に集まるので、シャッターチャンスがあります。幼虫はイネ科植物(ススキ、ジュズダマ、ヨシ、ダンチク、アブラススキ、オギ、マコモなど)を食べます。

<名前の由来>
 黒(クロ)っぽくて、木の間(コノマ)でよく見られる蝶(チョウ)ということから名前の由来となりました。

<備考>
 夏型と秋型があり、秋型はより大型で前・後翅の凹凸が強く、裏面が枯葉状となり、成虫で越冬します。
クロコノマチョウの秋型(タテハチョウ科) 2016年10月26日午後、「さいたま緑の森博物館」(入間市)で撮影

 2016年10月26日午後、「さいたま緑の森博物館」(入間市)で撮影しましたが、地表に止まっていました。


テングチョウ(てんぐちょう科)

テングチョウ
(天狗蝶)
学 名 Libythea celtis
科 名 てんぐちょう科
時 期 通常年1回、5月〜11月
分 布 日本各地
大きさ (前翅長)19-29mm
(開張)40〜50mm  
生育地 広葉樹林の周辺など
<特徴>
 春から秋まで、広葉樹林の周辺などで見られますが、成虫で越冬するので、暖かい冬の日に出てくる場合があります。系統的に古い蝶といわれており、日本で生息しているのは、1属1種のみです。翅の裏側は枯葉模様で、木の枝にとまっているとわからなくなります。表側は、茶褐色の地色に大きなオレンジ斑が見られます。また、頭部に鼻のように見える下唇ひげ(パルピ)があるのが特徴となっています。幼虫は、ニレ科植物(エノキ、エゾエノキ、クワノハエノキ)を食べます。

<名前の由来>
 頭部が天狗の鼻のように見えることからテングチョウと名付けられました。

<備考>
 成虫で越冬します。本土亜種と南西諸島亜種があります。

テングチョウ(てんぐちょう科) 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年10月28日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

テングチョウ♂(てんぐちょう科) 2008年3月30日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年3月30日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

テングチョウ(てんぐちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


ミヤマセセリ(せせりちょう科)

ミヤマセセリ(深山せせり)
学 名 Erynnis montanus
科 名 せせりちょう科
時 期 年1回、3月〜4月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)14-22mm
(開張)38-45mm
生育地 丘陵地から山地の雑木林
<特徴>
 早春に年1回だけ成虫が出現する「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」蝶の一つで、丘陵地から山地の雑木林(落葉広葉樹)で見られます。翅の表側の前翅は、オスではだいたい一様に暗褐色ですが、メスでは地色がオスより淡く、中央部に白っぽい帯があるので、識別できます。後翅表面は、共にだいたい一様に暗褐色の地色に橙黄色紋が目立ちます。裏側は、表とほぼ同じです。飛び方が早く、撮影するのに苦労しましたが、たまに葉や地表にとまるのでシャッターを切れるときがあります。幼虫は、ブナ科(クヌギ、コナラ、カシワ、ミズナラなど)を食べます。

<名前の由来>
  ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、山地で多く見られるので深山(ミヤマ)の名が付きました。

<備考>
 季節型はありません。埼玉県レッドリスト準絶滅危惧

ミヤマセセリ♂(せせりちょう科) 2013年3月20日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2013年3月20日午後に、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、3月下旬に早々と姿を見せてくれました。

ミヤマセセリ♀(せせりちょう科) 2013年5月3日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2013年5月3日午後に、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉上に止まっていました。

ミヤマセセリ♂(せせりちょう科) 2016年3月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2016年3月30日午後に、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、地表に止まっているところを望遠で捉えました。


ダイミョウセセリ(せせりちょう科)

ダイミョウセセリ
(大名せせり)
学 名 Daimio tethys
科 名 せせりちょう科
時 期 年2〜3回、5月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)32-36mm  
生育地 山地から平地にある雑木林の林縁
<特徴>
 春から初秋まで、北海道〜九州の山地から平地にある雑木林の林縁で見られるセセリチョウの仲間ですが、関東地方では年3回の発生となります。翅の表側は黒っぽく、前翅に大きな白斑が目立ち、後翅に白帯がはっきり現れるのが「関西型」、不明瞭なのが「関東型」とされています。翅の裏側もほぼ同様ですが、常に羽を開いてとまるので、裏側を撮影するのはなかなか難しいのです。また、結構敏捷に飛んでいます。幼虫は、ヤマイモ科植物(ヤマノイモ、トコロ、ツクネイモニガガショウ、ヒメドコロなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、江戸時代の大名(ダイミョウ)家の羽織袴の紋所を連想させることから名付けられたとか...。

<備考>
 季節型はありません。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、後翅の白帯が不明瞭な「関東型」です。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年4月30日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、オカトラノオの花で吸蜜していました。

ダイミョウセセリ(せせりちょう科) 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上に止まっていました。


コチャバネセセリ(せせりちょう科)

コチャバネセセリ
(小茶羽せせり)
学 名 Thoressa varia
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)14-19mm
(開張)30-36mm  
生育地 平地、山地など
<特徴>
 春から初秋まで、平地や山地などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は麦わら色で白斑があり、黒い脈が目立つのが特徴です。表側は、黒褐色の地色ですが、前翅には白斑が見られます。幼虫は、イネ科植物(メダケ、ミヤコザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では小型で茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 春型と夏型がありますが、夏型は羽を縁取る縁毛が白黒交互になります。

コチャバネセセリ(せせりちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

コチャバネセセリ(せせりちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、地表で吸水していました。

コチャバネセセリ(せせりちょう科) 2008年5月17日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2008年5月17日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

コチャバネセセリ(せせりちょう科) 2012年7月16日午前、蝶の森(所沢市)で撮影

 2012年7月16日午前、蝶の森(所沢市)で撮影しましたが、熱心に吸蜜していたので接写できました。


ヒメキマダラセセリ(せせりちょう科)

ヒメキマダラセセリ
(姫黄斑せせり)
学 名 Ochlodes ochraceus
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、5月〜9月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)12-17mm
(開張)25-32mm  
生育地 樹林周辺、草地など
<特徴>
 春から初秋まで、樹林周辺、草地などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色で前翅に黒斑が見られます。表側は、オスでは、褐色の地色ですが、外縁に黒い帯が目立ち、前翅の性標もはっきりしています。またメスでは、全体的に黒っぽい中に黄褐色の斑模様が見られます。とても敏捷に飛ぶので、追いかけるのはたいへんです。幼虫は、イネ科植物(チヂミザサ、ヤマカモアシボソなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、オスは黄色地に黒っぽい斑模様(キマダラ)が見られ、また小さく愛らしいのでヒメ(姫)が付きました。

<備考>
 オスとメスでは翅の表側は、かなり印象が違います。

ヒメキマダラセセリ♀(せせりちょう科) 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒメキマダラセセリ♂(せせりちょう科) 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年5月27日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

ヒメキマダラセセリ♂(せせりちょう科) 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2015年6月7日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、葉の上に止まってじっとしていました。


チャバネセセリ(せせりちょう科)

チャバネセセリ
(茶羽せせり)
学 名 Pelopidas mathias
科 名 せせりちょう科
時 期 年3回、5月〜10月
分 布 本州(関東以西)〜沖縄
大きさ (前翅長)13-21mm
(開張)30〜40mm  
生育地 河川堤防、公園、草地など
<特徴>
 春から秋まで、関東以西の河川堤防、公園、草地などで普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色の地色に白色の小斑点が見られますが、はっきりしない場合があります。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きめです。幼虫は、イネ科植物(チガヤ、ススキなど)、カヤツリグサ科植物を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>
 南西諸島では、1年中見られます。季節型はありません。

チャバネセセリ(せせりちょう科) 2012年8月26日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年8月26日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


イチモンジセセリ(せせりちょう科)

イチモンジセセリ
(一文字せせり)
学 名 Parnara guttata
科 名 せせりちょう科
時 期 年2〜3回、6月〜11月
分 布 本州〜沖縄
大きさ (前翅長)15-21mm
(開張)35mm前後
生育地 市街地、山地
<特徴>
 初夏から秋まで、市街地や草原、山地などいたる所で普通に見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白銀の斑点が見られますが、特に後翅の白銀模様が一列になった、一文字模様を見せるのが特徴です。表側は裏側より濃い茶色の地色に白銀模様が見られます。一見ガの仲間と見間違えやすく、集団で移動することが知られています。幼虫は、イネ科、カヤツリグサ科の各種を食べますが、特にイネに有害で、駆除の対象とされています。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、後羽の白色の斑紋が一列(一文字)に並んでいるところから名付けられました。

<備考>
 幼虫は、別名:イネツトムシとも呼ばれています。

イチモンジセセリ(せせりちょう科) 2012年8月26日午前に撮影、荒幡富士市民の森(所沢市)付近で撮影

 2012年8月26日午前に撮影、荒幡富士市民の森(所沢市)付近で撮影しました。

イチモンジセセリ(せせりちょう科) 2012年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年9月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

イチモンジセセリ(せせりちょう科) 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。


キマダラセセリ(せせりちょう科)

キマダラセセリ
(黄斑せせり)
学 名 Potanthus flavus
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、6月〜9月
分 布 北海道〜九州
大きさ (前翅長)13-17mm
(開張)30-34mm  
生育地 河川、雑木林など
<特徴>
 初夏から初秋まで、河川や雑木林などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は黄褐色と山吹色のまだら模様が目立ちます。表側は、褐色の地色に山吹色の帯が見られます。ジェット戦闘機のように敏速に飛ぶので、なかなかカメラに収まってはくれません。幼虫は、イネ科植物(ススキ、ジュズダマ、アズマネザサ、ミヤコザサなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、黄色地に黒っぽい斑模様が見られるところから名付けられました。

<備考>
 春型は、夏型に比べて大きくなります。

キマダラセセリ(せせりちょう科) 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2012年6月24日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

キマダラセセリ(せせりちょう科) 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年6月10日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しましたが、ヒメジョオンの花で吸蜜していました。


オオチャバネセセリ(せせりちょう科)

オオチャバネセセリ
(大茶羽せせり)
学 名 Polytremis pellucida
科 名 せせりちょう科
時 期 年2回、6月〜10月
分 布 本州〜九州
大きさ (前翅長)16-21mm
(開張)33-40mm  
生育地 草原、樹林など
<特徴>
 初夏から秋まで、草原や樹林などで見られるセセリチョウの仲間です。翅の裏側は薄茶色の地色に白銀の斑点が見られますが、イチモンジセセリでは、後翅の白銀模様が一列に並ぶのに対して、本種ではジグザクになります。表側は、茶褐色の地色に白斑が見られますが、前翅ではやや大きめです。幼虫は、イネ科植物(アズマネザサ、メダケ、ヤダケカンチク、ススキ、チガヤなど)を食べます。

<名前の由来>
 ひっかいてほじくるという意味の「セセリ」から命名されたセセリチョウの一種で、その中では大型で茶色っぽい羽に見えることから名付けられました。

<備考>埼玉県レッドリスト準絶滅危惧
 

オオチャバネセセリ(せせりちょう科) 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2006年6月25日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

オオチャバネセセリ(せせりちょう科) 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2007年7月16日午前、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影しました。

オオチャバネセセリ(せせりちょう科) 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で撮影

 2014年7月6日午後、さいたま緑の森博物館(入間市)で、吸蜜しているところを撮影しました。

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