平成時代の2010年(平成22)に、日本全国に存在するため池の歴史や役割などについて、人々がより深い理解を得るための契機として、農林水産省が選定したものです。全国に約21万箇所あるため池の多くは長い歴史を有し、農業用水の水源して農業の礎を担うとともに、地域の文化にも深く携わり、周辺の農地や里山と一体となって多用な生物の生育・生息の場となってきましたが、農業者の減少、高齢化の中で管理が難しくなりつつあって、その歴史や多様な役割、保全の必要性が国民に理解される契機とするため企画されました。2009年(平成21) 4月20日〜7月10日間、ため池百選候補の募集が行われ、827件の応募があり、11月20日の第一次選定で一般投票の対象とするため池候補をため池百選選考委員会で287件選定、翌年1月8日〜2月8日まで、農業の礎、歴史・文化・伝統、景観、生物多様性、地域とのかかわり等々をポイントとして一般投票を実施し、約73,000票の投票があります。その結果をふまえ、ため池百選選考委員会で3月11日に選定され、3月25日に一般公表されました。選定されたため池は、いずれも人工的に造成されたもの(ダムなどは含まず)であり、その地域に存在する複数のため池(群)が選定されているものもあり、現在も農業に活用されているものだけとなります。
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