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私の旅日記

秘湯の旅日記(7)湯ノ沢温泉(栃木県)
1996.12.14-15

*1996年12月14日(土) 一路、湯ノ沢温泉へ

・地図で発見し、興味を持つ

 北関東の方で1泊2日位で行ける近場の温泉はないかと地図を見ていたら、栃木県足利市の北の方に温泉マークを見つけた。湯ノ沢温泉と書いてあるが、聞いたことのない名前だ。しかも、地図にはその温泉に行く道路が描かれていない。ということは、よほど細い道しかないということだろう。はたして車は通れるのか?宿泊施設はあるのだろうか?と興味がわいてきた。そこで、日本交通公社発行の「温泉宿泊情報」を開いてみたが、該当する温泉は見あたらない。宿泊できる温泉はたいてい載っているはずなのだが、よほど小さいか、宿泊施設がないかだが....。こういうときはアサヒ出版発行の「全国版宿泊表」が役に立つ。はたして、さがしている温泉が出ていた。宿屋は1軒だけしか載っていないが、「湯ノ沢温泉 松泉閣 室数16 料金6,500〜 山菜料理 散策に最適」と出ていた。こういうのを発見すると想像がかき立てられる。“あまり知られていない、山中の1軒宿の湯治場”そんな雰囲気ではないかと....。これは、一度いってみるしかないなと思い。さっそく電話をかけてみたら、2つ返事でOKとのこと。料金も1泊2食付6,500円でよいとのことだし、車の入れる道路もあ るとのことで、予約することにした。

・道に迷いながらも、到着する

 途中、久喜、羽生、館林と寄り道をしながら車を走らせてきたが、冬の日は短く、もう暮れようとしてきたので、宿への道を急ぐことにした。足利市内へ入り、渡良瀬川を川崎橋で越え、名草川沿いにどんどん山の中に入っていったが、途中で道を間違えたらしく、農家の庭先で道が途切れてしまった。しかたないので、車を降り、その家のおじいさんに「湯ノ沢温泉に行くのはどういったらいいのですか?」と聞いてみた。ところが、「温泉なんてこのへんにはないなー。」との返事。一瞬困ってしまったが、気を取り直して「松泉閣って言うんですが。」と再び聞いてみた。そうしたら、わかったみたいで「道を戻って左へ行き、峠を越えた向こうだと。」教えてくれた。もうすでにあたりは真っ暗で、細い道を曲がりくねりながら藤阪峠を越え、松田の集落から北に道をとり、看板が出ていたので、右に折れて、山中の細い道へ分け入った。途中からは未舗装で、周りに人家もなくひたすら、森の中を進む。ほんとうにこんな所に旅館があるのだろうかと不安になり出した頃、前方に灯りが見えた。行き当たった建物の前に車をとめ、見上げてみると、つげ義春著の「貧困旅行記」にでも出てきそうな位 、古びた建物だ。

・昔ながらの湯治場のたたずまい

 中に入ると、想像以上で階段はぎしぎしいうし、通された部屋の壁も一部はげ落ちていて、隠すために古新聞が貼ってある。しかし、昔ながらの湯治場という雰囲気があって、私好みではあるが.....。まず、入浴することにして、浴場にいってみたが、引き戸がなかなか開かないし、傾いていて、ぴったり合っていない。でも、戸を開けてみて驚いた。とても広々としたタイル張りの楕円形の浴槽で、猛宋竹の太いので、湯が注ぎ込まれている。中央に円筒形の構築物があって、往時を彷彿とさせる立派なものだ。入っているのは私一人しかいない。ゆっくり湯に浸かりながら足を延ばした。湯は少しぬるめだが、この位がちょうど良い。旅の疲れがとれていく感じがして少し長湯をした。

・夕食後のんびりと

 湯から上がり、部屋でくつろいでいたら、夕食を運んできた。最近はどの旅館でも固形燃料を使うか、カセットコンロで鍋をする。しかし、女中さんが、大きなプロパンボンベ付きのコンロを持ってきたのには驚いた。こういう時代から取り残されたような宿で一夜を送るのもたまにはいいだろう。おでん鍋、天ぷら、イカ刺、手打ちそばなど豪華なものではないが、ボリュームもたっぷりでお酒を飲みながら、おいしくいただいた。向かいの部屋では建築工事関係の人が数人泊まっていて酒宴をはっている。後は、のんびりとテレビをみたり、本を読んでから床につく。

☆松泉閣に泊まる。<1泊2食付 6,500円(込込)>
 すでに廃業し、現在は建物も撤去されています。

松泉閣の外観
松泉閣のデータ (すでに廃業しています)
標準料金 1泊2食付 6,500円(込込)〜 
住所、電話 〒960-21 栃木県足利市湯ノ沢 TEL(0284)61-1228
交通 JR両毛線足利駅から車30分
温泉名 湯ノ沢温泉
泉温と成分 冷鉱泉の硫黄泉?
温泉の効能 万病に効くとのこと
松泉閣の夕食 松泉閣の朝食

*1997年12月15日(日) 帰途につく。

・朝の散歩の後、朝風呂へ

 朝6時過ぎに起床し、7時頃から散歩に出る。周囲はまだ薄暗く、造林した林ばかりが目に付いた。林道を少し上ってみたが、同じような景色ばっかりなので、すぐに引き返してきてしまい、7時半過ぎから朝風呂に入る。まだ、少しぬるめの湯だったが、気持ちよく入浴でき、とても気分がいい。

 8時過ぎから朝食となったが、聞くと、江戸時代に侍が傷をなおすために使っていた鉱泉で、裏に源泉があるイオウ泉とのこと。 

・出発前のエピソード

 さて、出発するにあたって困った。酒代含め7,200円の支払いに1万円札を出したら、先客の支払いに小銭を出してしまい、おつりがないと言うのである。山中の1軒宿とのこと、両替をしてくれる所もないとのこと。しかし、こちらにも小銭の持ち合わせがない。しばし、やりとりしていたら、従業員からお金を借りてもらうことになり、なんとか支払いが出来たが、これも旅のエピソードか?宿を9時頃に出て、桐生に向かう。

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