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私の旅日記

秘湯の旅日記(22)岐阜・石川・福井三県の7湯巡り
1998.7.18-20

7/18(土) 7/19(日) 7/20(月)
栃尾温泉 親谷の湯 中宮温泉 白峰温泉 杉山鉱泉 上河内温泉 九頭竜温泉

*1998年7月18日(土) 栃尾温泉→神岡→白川郷→中宮温泉

・中央自動車道から安房トンネルへ

 朝5時過ぎに自宅を車で出発し、6時15分頃には、八王子インターから中央自動車道にのる。やや渋滞している箇所もあったが、ほぼ順調に走り続けて、8時過ぎにみどり湖バーキングエリアで朝食休憩して、ミニカレーとラーメンセット(650円)を食べる。8時半過ぎには塩尻北インターで下りて、近くのガソリンスタンドで給油後、松本電鉄の森口駅付近で国道158号線に合流した。しかし、ものすごい渋滞に巻き込まれ、なかなか前へと進んでいかない。もう少し脇道を走って、新島々駅あたりで合流すれば良かったと後悔した。ともかくも、安曇村に入れば渓谷沿いの一本道で全く抜け道はなく、黙って渋滞の列に着いているしかないのだ。原因は、奈川渡手前の道路工事による片側交互通行と知れたが、どうすることもできなかった。幸先の悪い出だしだったが、それでもなんとか11時過ぎには安房トンネルを越えて岐阜県側へと入ってきた。

・栃尾温泉「荒神の湯」へ

 平湯温泉の街並みを抜けて、北に道をとり、穂高温泉郷の一つ栃尾温泉を目指す。この温泉の蒲田川河原に「荒神の湯」という露天風呂があるとガイドブックに出ていたからだ。この辺りは、山間の自然豊かなところで、渋滞もなく車を走らせていても気分がよい。目当ての「荒神の湯」は民宿街のはずれの河原にあった。簡易な木造の脱衣場もあって、巨石を配した、開放的なものだ。ガイドブックによると地元の民宿組合で、作ったという。すでに、先客が3人ほどいたが、どうやら湯が熱くて、入りそびれているようだ。そんなに、熱いのかと試しに足を入れてみたが、入れないこともない。思い切って、体を沈めてみたが、慣れれば、それほど苦にはならない程度で、45℃位に感じた。他の浴客も私が入り続けているのを見て、「熱くないですか?」「よく入っていられますね」などと声をかけてくる。それでも、ためらいながら続いて入浴してきたものの、熱さになじめないようで、すぐ出てしまう人もいた。河原に大きく開いたつくりで眺望は良いのだが、対岸からは丸見えだ。裸で川まで下りていくこともできるのだが....。隣の女性用露天風呂も同じ様なつくりで、高い塀で区切られているが、所々に隙間があるので、覗こうと思ったら覗けるかも知れない。まあ、そんなことをする人もいないとは思うが....。そんな感じで、露天風呂を楽しんで、再び車に乗って、神岡方面を目指して走り出した。

栃尾温泉「荒神の湯」の外観 栃尾温泉「荒神の湯」(露天風呂)

★栃尾温泉「荒神の湯」(露天風呂)に入浴する。<入浴料 寸志>







栃尾温泉「荒神の湯」のデータ
入浴料金 寸志
営業時間 24時間いつでも可
住所、電話 〒506-14 岐阜県吉城郡上宝村栃尾 <問合先>奥飛騨温泉郷観光協会 TEL(0578)9-2614
交通 JR高山本線高山駅より濃飛バス70分
温泉名 栃尾温泉
泉温と成分 源泉49度の単純温泉(緩和性低張性高温泉)
温泉の効能 神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え症など

・昼食に蕎麦を食べ神岡へ

 途中、高原川沿いの眺望の良い店で、昼食をとったが、注文したそばの味は今ひとつだった。しばし休憩の後、川の流れに沿って車を走らせていったら、前方の谷間に町並みが開けてきた。ここが、亜鉛鉱山で名高い、神岡の町なのだが、近年の鉱山不況のせいもあるのか、町は沈んで見えた。そんな中を通って、高台にある郷土資料館に立ち寄ってみることにした。ここは、中世の城跡とのことで、見晴らしの良い高所にあり、堀跡らしきものも残されている。そこには、鉱山資料館、古民家を移築した歴史民俗資料館、そして、天守閣風の郷土資料館の3つがあり、順次見学していった。10数年前にも一度来たことがあるのだが、あまり変わっていないようにも思われた。この鉱山で栄えた山間の町も不況の波をもろにかぶっているのだろうか。天守閣最上階からの眺めは、川の流れと町並みが調和して、とても落ち着きある街に見えたのだが....。城跡から下って、街中に車を走らせてみた。小さな商店が軒を連ね、シャッターを閉じている店も見られる。そこをゆっくりと、通り過ぎて国道41号線を高山方面へと向かった。しばらく、走っていくと数河高原で、スキー場を中心としたリゾート開発が進められていて、いくつかの行楽施設がみられる。私は、あまりそういうのに興味がないので、ひたすらに走り続けるだけだ。
鉱山資料館 ロックフィールドで造られた下小鳥ダム

・白川郷方面に向かうが天生峠が通行止め

 国道471号との分岐を誤って通り過ぎ、引き返してきて白川郷方面に進路をとったが、天生峠全面通行止の表示を見つけて、はたと困ってしまった。険しい峠越えの難路とは聞いていたが、全面通行止では...。頭の中で迂回路を描いてみたが、富山県を経由したのでは大回りになり、とても夕食時間までには、今日の宿、中宮温泉に着けそうには思えなかった。車を路肩に寄せ、ロードマップを開いて考えたが、このまま進んで、国道360号線に出て、天生峠の手前から南下して、国道158号で牧戸まで出て、今度は国道156号を北上して、白川郷へ出るしかないことがわかった。たいへんな遠回りだが、あまり休憩もとらずに走り続ければ、なんとかなるように思われたので、とにかく進むことにした。荒町までは国道の比較的走りやすい道だったが、そこから迂回のため県道に入って、南下し始めてからは山道となった。途中、ロックフィールドで造られた下小鳥ダムの周辺には眺望の良い景色が展開していたので、小休止することにした。

・御母衣ダムから荻町合掌集落へ

 その後は、ダム湖畔を走っていったが、ほとんど対向車もなく、思うように車を走らせていく。しかし、夏厩で国道158号と合流する手前から、急にダンプカーが目に付くようになった。こんな、山中で砂利の採取でもしているのかといぶかしく思っていたが、前方に山肌を大きく削った工事現場が見えてきた。どうやら、そこに向かってダンプカーが集まっているようだ。なんの工事だろうと思っていると、それが、東海北陸自動車道の建設のためだと知れた。とても大規模なもので、山を削り、谷を埋めて、巨大なコンクリートの橋脚を造りだしている。こんな静かな山里の環境も景観も一変させてしまうような大土木工事だ。しかも、それが国道沿いに牧戸方面まで延々と続いているのだ。土砂を満載したダンプカーが蟻のようにぞろぞろとはい上がっていって土盛りをし、国道はその工事車両の出入りと搬送で大混雑している。はたして、こんな過疎の山里にこれほどの高速道路を通してどうなるというのだろうか?自然を破壊し、環境を汚染して、その見返りはあるのか?そんなことを感じざるをえないような状況なのだ。早くこんな現場は通過したいと思いながら、大型ダンプカーに挟まれ、慎重にハンドルをとりつつ、国道を走り続けた。牧戸から国道156号を北上すると間もなく、御母衣湖畔に出たが、狭く曲がりくねった道を対抗してくるダンプカーを交わしながらの運転で、のんびりと景色など見ている余裕などない。ひたすらに、注意して車を進めるだけだ。そうこうして、やっと夕方4時過ぎに、白川郷の中心集落荻町にたどり着いた。今から、15年ほど前に一度来たことがあるが、その時とほとんど変わらない大きな合掌づくりの家々が並んでいて、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。とてもみごとな光景なのだが、もうじっくりと見て回る時間の余裕はない。やっと、2、3ヶ所で車を止めて数枚の写真を撮っただけで、今日の最大の難所白山スーパー林道越えに挑むことにした。

荻町合掌集落

・白山スーパー林道を越え、「親谷の湯」へ

 この集落から山道を上っていったところに料金所があったが、普通車3,150円というあまりの高さに目をむいた。しかし、今さら引き返すわけにも行かず、渋々通行料を払って、山越えにチャレンジした。道はヘアピンカーブの連続でどんどん高度を上げていく、確かに眺望は素晴らしいはずなのだが、雲が懸かって白山は見えない。しかし、ものすごい道だ。時速20qに制限されている区間があることでもその勾配のきつさがわかる。ギアーを2速で引っ張って、なんとか県境を越えて、石川県へと入ってきたが、こんな道でも観光バスが走っていて、追い越すのに苦労した。下り坂になってからも急勾配と急カーブが連続する。その途中に、ふくべの滝があり、ちょっと車を止めてみるが、なかなか見事なものだ。さらに下ったところに、「親谷の湯」と呼ばれる露天風呂へ下りる駐車場があり、なんとか、入浴してくる時間がありそうなので、停めることにした。案内板には往復するだけで40分かかると書いてあり、谷底に向かって長い階段が続いている。タオルを手に急いで階段を駆け下りていったのだが、この急な階段を帰りには上ってこなければならないのかと思うとげんなりする。谷底に下りてからは、渓谷沿いに上流に向かって小道を進むと前方にみごとな姥ヶ滝が見えてきた。時々、家族連れやカップルとすれ違うので、結構露天風呂に入浴しているのかと思ったら誰もいない。ただ川遊びと滝の見学に来ているだけだったのか....。それにしてもすばらしい露天風呂だ!姥ヶ滝の眼前に渓流沿いに作られていて、湯が竹筒からとうとうと注ぎ込まれている。しかし、とても開放的に作られていて、見物客からは容易に覗かれそうだ。それでも、あたりに人のいないことを確かめて、すばやく衣類を脱いで露天風呂に飛び込んだ。湯加減もちょうどよく、目の前の渓谷と滝のバランスも素晴らしい。私が今までに入った中でも5本の指に入るぐらいのワイルドな温泉なのだ。とても満足して、悦に入っていたのだが、たまに滝の見物客が覗いていくのが気にかかる。適当なところで、湯から上がって、体を拭いていたら、見物に来たカップルの若い女性と目があってしまった。向こうはびっくりして、あわてて視線を逸らしている。こちらも急いで衣類を身につけた。若い男性の方はこの露天風呂が気に入ったようで、入っていきたい様子だったが、女性の方はいやがっている。仕方がないので、自分一人でも入浴するといった感じで、服を脱ぎ始めた。私はそのやりとりを後目に来た道を戻っていった。案の定、帰りの上り坂は大変で、息を切らしながら上っていくこととなった。

姥ヶ滝を望む「親谷の湯」(混浴露天風呂) 姥ヶ滝

★「親谷の湯」(混浴露天風呂)に入浴する。<入浴料 無料>







「親谷の湯」のデータ
入浴料金 無料
入浴可能時間 (6月〜8月)午前7時〜午後6時、(9月〜11月)午前8時〜午後5時
*冬期から春期の白山スーパー林道閉鎖期間は行くことができない
住所、電話 〒937 石川県石川郡吉野谷村 <問合先>白山林道石川管理事務所 TEL(0761)6-7341
交通 白山スーパー林道の姥ヶ滝駐車場へ車を置いて、谷を下って30分

・山中の秘湯中宮温泉

 ここから、今日の宿中宮温泉までは、ものの10分足らずで、なんとか6時前には到着することが出来、ほっとした。渓谷沿いの谷間の傾斜地に縦に連なるようにして、4軒の旅館が並んでいて、その最奥が、私の泊まる宮村旅館だった。まさに、山中の秘湯といった趣で、白山登山道の中宮口に位置し、昔から湯治場として栄えてきたと聞いている。建物は鉄筋コンクリート5階建てだが、派手さはなく落ち着いたたたずまいを見せている。応対もていねいで、窓からは渓谷と山並みがよく見える。一息ついてから、さっそく浴場へと出かけた。ここは、男女別の内湯しかないが、湯は浴槽に豊富に注ぎ込まれ、長い竹筒で洗い場の方へも引かれていて、ちょっと独特の感じなのだ。飲用すると胃腸に良いと書いてあったので、さっそく飲んでみたが、ちょっと酸っぱい感じがするもののの飲用感は悪くない。湯はほとんど無色透明で、ちょっと熱めだが、まずまずの入り心地だ。のんびり湯に浸かり、長距離ドライブの疲れを癒して、出てきたらほどなく部屋での夕食となった。渓流の音をバックに静かに食事をとり、徳利を傾けるのも良いものだ。とても良い気分で、食事を済ませ、後はテレビを見ながら寝てしまった。

中宮温泉「宮村旅館」の外観 中宮温泉「宮村旅館」の浴室

☆宮村旅館(中宮温泉)に泊まる。<1泊2食付 10,650円(込込)>

宿


宮村旅館(中宮温泉)のデータ (閉館しました)
宿泊料金 1泊2食付 10,000〜15,000円(込別)
入浴料金 400円
外来入浴時間 午前9時〜午後5時
住所、電話 〒937 石川県石川郡吉野谷村中宮 TEL(07619)6-7124
交通 JR北陸本線金沢駅よりバス80分中宮温泉下車
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病




源泉名 中宮温泉
湧出地 石川県石川郡吉野谷村中宮
湧出量
知覚 無色透明
泉質 Na-塩化物・炭酸水素塩泉
泉温分類 65℃(高温泉)
pH値
液性分類 弱酸性
溶存物質総量 2,512r/s
浸透圧分類 低張性
夕食 朝食

*1998年7月19日(日) 白峰温泉→杉山鉱泉→大野→上河内温泉

・中宮温泉を後に

 朝は6時前に目覚め、6時半頃から朝の散歩に出かける。旅館を出て、すぐ上に温泉神社の小さな社がある。そこに参拝してから、さらに谷の上の方へと登っていった。左にカーブしたところに大きな砂防ダムがあり、道は登山道となってさらに上へ向かっている。なるほどこれがあの中宮道かと思ったが、今はこの道から白山登山をする人は少ないと聞いた。もう少し、上まで行ってみようと、ダムサイトをよじ登り、山道を進んでいったが、どんどん藪の中に入ってしまうので、途中であきらめて引き返してきた。しかし、中宮温泉はすごい場所に立地している。あらためて、眺めてみると、よくこんな谷間の傾斜地に旅館を作ったものだと感心する。冬季の豪雪はどうやって凌いできたのだろうか?長い歴史における人間の営みにはただただ感服するのみである。そんな、思いを感じながら、旅館に戻り、朝風呂に入って、散歩の汗を流した。こうやって入る温泉はとても気持ちがよく、至福の時という感じがしてならない。部屋に帰って、しばらくしてから朝食が運ばれてきたが、散歩と温泉の後で、とてもおいしくいただき、食が進んだ。

“白山恐竜パーク白峰”から手取川を望む

・“白山恐竜パーク白峰”へ

 8時半頃には宿を出て、渓谷を下っていったが、しばらく車を走らせると開けた所に出てきた。そこが、一里野で今ではスキー場、温泉、レジャー施設なども出来て、リゾート開発が進められているようだ。私は、通り過ぎるだけにして、瀬戸野からは国道157号線に合流し、手取川に沿って、上流にある白峰村に向かうことにした。この村は手取川総合開発によるダム建設で、多くの民家が湖底に沈んだと聞く。その手取川ダムサイトの公園に立ち寄って、湖面を眺め、近くにある展示館で、このダムのことについて学んだ。それによると、多数の家屋が立ち退き移転を強いられ、かなりの人がこの村を去っていったとのこと。これによって、金沢市などの都市部の用水や電力が確保されたことになるのだが、やむなく故郷を追われていった人の気持ちを思うとつらくなる。再び湖畔の道を進んでいきながら、最近この村が、恐竜の化石発掘で知られるようになってきたことを思い出した。周辺には、日本では珍しい中生代の地層が分布し、そこから発見されるというし、昨年“白山恐竜パーク白峰”という施設がオープンしたと聞いていたので、試しに立ち寄ってみることにした。川沿いの国道から急斜面を上った見晴らしの良い高台にその建物があった。とても斬新なかっこうをした建造物群が斜面に連なって建ち、恐竜の巨大像も置かれている。内部に入ると、結構見応えがありそうなので、ゆっくり見学することにした。恐竜の歴史や生態がわかりやすく展示されていて、大きな骨格標本もあり、子ども達が歓声を上げている。中でも一番ユニークなのが、化石発掘コーナーで、別料金を払うと岩石をハンマーで割って化石を探せるということで、家族連れが熱中していた。村の特徴を生かしたとても面白い施設だと感じながら、ここを後にして、白峰村の中心街へと向かっていった。

“白山恐竜パーク白峰”の巨大恐竜像

・“白山ろく民俗資料館”を見学

 ここには、周辺から民家を移してきた“白山ろく民俗資料館”がある。鉄筋コンクリート造りの資料館と茅葺きの民家が数棟移築復元してあって、昔ながらの村のたたずまいを形成している。その中でも、特に目を引いたのは、出づくり民家の復元で、夏の間集落を離れ、山間地の小屋に住んで、周囲を耕作していたもので、今では絶えてしまったと聞く。そんな、太昔から脈々と続けられてきた、人間の営みが戦後数十年の間に大きく変貌してしまったことを気づかされる。そして、山間地集落はダムによって水没させられ、やむなく都市部へ追われていく。しかし、それが、ほんとうの近代化で、人々の生活を良くしているのだろうか?都市部の生活環境の悪化を見るに付け、最近特に、疑問を感じざるをえない。そんな思いで、昔の田舎生活を見ていると、ついつい長居をしてしまって、そこを出たときにはもう昼を過ぎていた。

白山ろく民俗資料館

・白峰温泉「総湯」へ入る

 まあ、私の旅はいつもそんなものなので、ついでにここの白峰温泉にも入ることにして、村営の共同浴場である総湯に向かった。入浴料330円を払って、中に入ったが、少し大きめな銭湯といった感じで、村人や登山客で結構混んでいた。湯加減もちょうどよく、入りやすい湯で、午前中の汗を流した。

白峰温泉「総湯」の外観

★白峰温泉「総湯」に入浴する。<入浴料 330円>







白峰温泉「総湯」のデータ
利用料金 大人330円
営業時間 午前10時〜午後9時、毎週火曜日休館
住所、電話 〒920-25 石川県石川郡白峰村白峰 TEL(07619)8-2839
交通 JR北陸本線金沢駅から北鉄バス1時間50分
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・やけど・慢性皮膚病




源泉名 白峰温泉2号井
湧出地 石川県石川郡白峰村白峰
湧出量 81.0g/分
知覚 無色澄明、弱塩味
泉質 Na-炭酸水素塩泉
泉温分類 37.2℃(温泉)
pH値 8.0
液性分類 弱アルカリ性
溶存物質総量 2,449r/s
浸透圧分類 低張性

 ・温泉の詳細なデータを知りたい方は→白峰温泉(総湯)分析書

・白峰の街を散策する

 その後は、近くの大衆食堂で昼食をとり、古い町並みがあるあたりを訪ねてみた。どうやら、昨日が祭りだったようで、沿道にはちょうちんが飾られたままになっている。車を道路端に駐めて、少し歩いてみることにした。古くて立派な寺があり、屋根を修理するために何人かが、上って作業していた。それが、なんともいえないのんびりした感じで思わずシャッターを切ってしまった。ここらへんでは、立派な構えをした寺院では浄土真宗が多い、戦国時代の加賀一向一揆の伝統を今に引き継ぎ、信者も多いと聞いた。そこから少し行くと、白山本地堂があり、仏像が拝観できると書いてあったので、見せてもらうことにした。説明を聞くと、白山山上に祀られていたものだったが、明治維新の廃仏毀釈のときに危うく壊されかけたのを、この寺の住職が払い下げてもらったということで、国の重要文化財に指定されているものもある。旅先で、時々この廃仏毀釈の話を聞くことがあるが、なんとも愚かしいことで、それによってなくなった仏教文化財の数ははかりしれない。一時の過激な考え方が、日本の文化遺産を多数喪失させてしまったのだ。そんな歴史の一こまを考えながら、再び車に乗って、谷峠を越えて福井県に向かうことにした。

白峰の町並み

・秘湯杉山鉱泉へ

 最近は山間地の道路整備が進み、この国道157号もずいぶん改良されていて、走りやすくなっている。なんなく、新谷トンネルで峠を越えて、福井県側に至ったが、この下りの眺望はすばらしい。はるかに勝山方面が見渡せ、とてもいい気分でハンドルを切っていったのだが、途中、杉山鉱泉の入口標識を見つけ、行き過ぎた所で車を停めて、地図と案内書を確認してみた。じつは、もう少し下ったところにある新しい勝山温泉に入湯するつもりでいたのだが、山中の秘湯杉山鉱泉も悪くないなと思い直したのだ。結構、近くにありそうなので、思い切って脇の山道に入ってみることにした。しかし、道は細く、曲がりくねっていて、行けども行けども山ばかりで、人家は全然ない。ほんとうにこんなところにあるのだろうかと思い始めた頃に、入り口の標識を見つけた。そこから、車一台やっと通れるほどの急坂を登り詰めた高台に杉山鉱泉はあった。国道から3qほど入ってきたのだが、まさに山中の自然の中、秘湯といえる立地条件だ。さっそく、入浴料500円を払って、浴室に向かったが、結構新しく、展望の良い内湯の岩風呂で、大小2つの湯船がある。小さい方の湯は褐色に濁っていて、鉄分を含んでいそうで、大きい方の湯は無色透明で、泉質はやわらかい。交互に入りながら山並みを眺めているととても気分が良い。しばらく、ゆったりと浸かってから上がってきて、ついでに付近を散策してみた。あじさいなどの花がきれいに咲き乱れ、遠方に白山を望んですばらしい眺望だ。しばし、カメラを構えて、シャッターを切った。

山中の一軒宿杉山鉱泉「織田館」 山々の眺めがすばらしい浴場

★杉山鉱泉「織田館」に入浴する。<入浴料 500円>

宿


杉山鉱泉織田館のデータ (廃業しました)
宿泊料金 1泊2食付 9,000〜17,000円(込別)
入浴料金 500円
住所、電話 〒911 勝山市北谷町杉山27-4 TEL(0779)83-1300
交通 京福電鉄勝山駅下車車20分
温泉名 杉山鉱泉
泉温と成分 源泉19度の含鉄泉(緩和性低張性冷鉱泉)
温泉の効能 神経痛・筋肉痛・関節痛・リウマチ・胃腸障害・疲労回復など

・城下町大野を巡る

 再び、車で坂を下り、国道157号線に復して、道を進んだ。そのまま、勝山市内を通り過ぎ、さらに走って、大野市街に入ってきたら、前方の小山の上に大野城が見えてきた。10年以上前に一度来たことが、とても落ち着いた、良い町並みが残されていた記憶がある。急に、立ち寄ってみたくなって、城下の無料駐車場に車を駐めた。隣の神社境内にある郷土資料館を見学後、神社に参拝してから、城山を登り始めた。結構、きつい坂が葛折になって続いていて、息を切らせながら上がっていった。10分ほどで山頂に着いたが、復元された鉄筋コンクリートの天守閣が建っていた。中に入ってみたが、最上階からは、市街が一望のもとに見渡せ、大名になったような気分になる。寸時の満悦感を後に、再び城山を下り、今度は復元された武家屋敷に立ち寄ってみることにした。前回来たときは、一般公開されていなかったので、見ていないのだが、その庭園はすばらしかった。こんな、広い敷地に屋敷を構え、みごとな日本式庭園を眺めながら暮らせたらどんなに良いだろう....。もっと、ゆっくり見続けていたかったのだが、もうあまり時間がない、早々に辞去して、車に乗った。市街をぐるっと、巡ってから、今日の宿上河内鉱泉に向かうことにして、まず、お清水に立ち寄ってみた。しかし、ほんとうにきれいな清水がこんこんと湧き出していて、とても市街地にあるとは思えない。みていると、近所の若いお母さんが子ども連れ出来て、洗濯を始めた。この泉は、今でも生活の中に息づいているのだ。なんとも、ほほえましい洗濯をする親子の姿を後目に、再び車で市街を巡ってから、国道158号線で進路を西にとった。

大野城天守閣より城下町を望む

・やっと上河内鉱泉にたどり着く

 途中、一乗谷からは国道をはずれ左折するつもりだったが、先日の豪雨で通行止めの表示、仕方ないのでその先で曲がったら、道を間違え、反対方向に行ってしまった。行ったり来たりして、やっと道を見つけ、県道を南下し、峠を越えて鯖江市域の方へと入っていった。河内田からは、東に進路を取り、山間地に分け入っていった。道は細く、この先に温泉があるとは思えない、しかも、またもや道路決壊で通行止め、迂回してなんとか6時には今日の宿、旭鉱泉旅館までたどりついた。谷の最奥にある古びた木造2階建の一軒宿で、秘湯の雰囲気が漂っている。部屋に通されて、浴場の案内を受けた時に、飲泉所が別にあることを知らされた。入浴の前に行ってみると、裏手の薬師堂に薬師像が祀ってあり、その前に泉が湧き出している。効能書きを見ると、鉄分を含んだ二酸化炭素泉で、褐色を呈し、試しに柄杓で汲んで、飲んでみるとラムネのような味がした。へえー、これが源泉なのかと思い、なんだか霊験あらたかな感じがして、思わず手を合わせてしまった。なんとも不思議な雰囲気なのだ。その後、浴場に向かったが、こちらは無色透明の湯で、飲泉したものとは違うようだったが、今日一日の疲れを癒してくれた。よく、体を洗って、出てきたら、すぐに食堂で夕食となった。これが、まあー、アットホームな食事で、女将も旦那も同じテーブルで食べている。しかも、旦那はステテコ姿でくつろぎながら、話をしている。なんだか、大家族で団欒しているような雰囲気で、私を含め、3組7名ほどの泊まり客も自然と話を交わせるのだ。女将は、「うちの湯は昔から霊験あらたかで、万病に聞くといって、湯治客が多い。」と語る。こういう、昔ながらの湯治場を守っている宿は貴重だ。多くが、近代的なホテルや旅館に衣替えしていく中にあって、脈々と昔ながらのスタイルを続けている。その中には、湯治場文化とでもいえるような独特なものがあって、私は、とても興味あるのだ。今回は、いい宿に巡り会ったと思わずにはいられなかった。語らいながら、おいしく酒を飲み、かつ食べて楽しい夕食を終えて、部屋へと戻っていった。後は、テレビを見ながら寝てしまった。(注:上河内温泉“旭旅館”は1999年10月1日で廃業した)

上河内温泉“旭旅館”の外観 上河内温泉“旭旅館”の薬湯

☆旭旅館(上河内温泉)に泊まる。<1泊2食付 6,650円(込込)>1999年10月1日で廃業!

宿


上河内温泉“旭旅館”のデータ 1999年10月1日で廃業!
宿泊料金 1泊2食付 6,500〜7,500円(込別) 
入浴料金 400円
外来入浴時間 午前9時〜午後5時
住所、電話 〒916-12 福井県鯖江市上河内町 TEL(0778)65-0005
交通 JR北陸本線鯖江駅より福鉄バス上河内方面行き35分終点下車
 




源泉名 河和田鉱泉
湧出地 福井県鯖江市上河内町
湧出量
知覚
泉質 含Fe(U)・二酸化炭素-Na・Ca-炭酸水素塩・塩化物泉
泉温分類 9.5℃(冷鉱泉)
pH値 6.85
液性分類 中性
溶存物質総量 4,214r/s
浸透圧分類 低張性
海の幸の並ぶ夕食 朝食

*1998年7月20日(月) 九頭竜温泉→和泉村散策→白馬洞→帰宅

・周辺を散歩してから薬湯へ入る

 朝6時頃起床し、6時半過ぎから散歩に出かけた。少し行った、旅館の入り口の所に古い石碑が建っていて、「三国之炭酸泉」と書いてあり、この温泉のことを言っているのだと思ったが、ずいぶん年代物だ。そこから、どんどん山の方へ入っていったが、いけどもいけども森の奥へ入って行くばかりで、人家は一軒もないし、景色もあまり代わり映えしないので、途中から引き返し、逆方向の集落の方へと歩いていってみた。ほんとうに、落ち着いた感じの山間集落があって、朝の営みが始まっている。そんな中をぶらぶらと散策して、小一時間ほどで、宿へと戻ってきた。すぐに、食堂での朝食となったが、きもちよい散策のためか、食事が進んだ。この宿には源泉を使った薬湯と呼ばれる湯船が別棟にあるのだが、入浴時間が限られ、昨日は到着が遅れたため入れなかった。今日も9時からと張り紙がしてあったので、女将さんにもう少し早くから入れないかと朝食前に頼んでみたら、食後入れるように準備してくれるとのことだった。食事を済ませ、さっそく薬湯へと向かった。別棟の小さな湯船は褐色の湯をたたえ、入ってみると細かな泡がまとわりつく、これが、二酸化炭素なんだなとその感触を味わった。日本では珍しい泉質なのだが、実に不思議な入り心地で、狭い浴室の中に一人いると、なんだか神秘的な感じがして、とても効き目がありそうに思えてくるのだ。そんな、いつまでも心に残る浴後感を大切にして、8時半には宿を出て、九頭竜湖方面に進路をとった。

「アドベンチャー中竜」の地下120mの見学坑道

・アドベンチャー中竜へ

 一乗谷、越前大野と昨日とは逆のコースをとり、さらに東へ向かって、山間地へ入っていった。九頭竜川は深い渓谷を刻み、それに沿って、曲がりくねった国道158号線を進む、まず目指したのは中竜鉱山だ。以前は日本亜鉛の主力鉱山だったが、今は、休業中で、アドベンチャー中竜として観光施設となっている。ここの魅力は、奥行1,800m、地下120mまで、バスで入洞でき、坑道見学が出来る点にある。駐車場に車を入れ、バス停でに入洞するためのバスを待ったが、何組か家族連れも来ている。到着したマイクロバスは外見上は普通の車と変わらず、これで地下深くまで下りていけるのだろうかと疑問に思った。しかし、バスはしばらく渓谷沿いを快調に走った後、いきなり坑口の中に飛び込み、急勾配をエンジンブレーキの音を響かせて下っていった。そこは、ほんとうの坑道で、薄暗い狭いトンネルをかなりのスピードで折れ曲がりながら進んでいき、地下120mの見学坑道の前で停まった。車外は、ひんやりとし、年中気温18℃で変わらないと聞いた。そんな中、見学コースを進んでいったが、順路に従って色々な採掘用機材が展示されている。それによると、この鉱山の機械化がかなり進んでいて、車両を使った採掘が行われていたことがわかり、一周30分ほどのコースを興味深く、見て回ることができた。今までも、いろいろな観光坑道に入ったことがあるが、入り口から数百mしか入れないところが多く、これほど地底深く入洞したのは初めての経験だった。とても、貴重な体験を刻んで、再び地上へと戻っていった。

・九頭竜温泉平成の湯に立ち寄る

 再び、車で来た道を引き返し、今度は九頭竜温泉平成の湯に立ち寄ってみることにした。国道沿いにある、まだ新しい建物で、男女別の大浴場と露天風呂がある。圧注浴の設備も付属し、入浴すると肌がすべすべしてくるアルカリ性単純泉でとても入りやすい湯だった。のーんびり湯に浸かって出てきてから、昼食のできる所をさがした。

平成の湯(九頭竜温泉)の外観

平成の湯(九頭竜温泉)に入浴する。<入浴料 500円>







平成の湯(九頭竜温泉)のデータ
利用料金 大人500円、小人(12歳以下)250円
営業時間 午前10時〜午後9時、毎週火曜日休館
住所、電話 〒912-0207 福井県大野郡和泉村下山63-2-53 TEL(0779)78-2910
交通 JR越美北線越前下山駅より無料送迎バスあり
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進




源泉名 九頭竜温泉
湧出地 福井県大野郡和泉村下山
湧出量
知覚
泉質 アルカリ性単純温泉
泉温分類 26.1℃(低温泉)
pH値
液性分類 アルカリ性
溶存物質総量 580.4r/s
浸透圧分類 低張性

・和泉村の散策

 少し国道を走って、和泉村の中心集落の近くに「なかやま」というそば屋を見つけて、入ってみた。メニューにおろしそばとざるそばしかないシンプルな店で、ざるそばの方を注文してみたが、地元産玄そばのひきたて粉を使った打ち立て、茹でたてのそばと言うだけのことはあってなかなかのものだった。食後は、越美北線の終点九頭竜湖駅裏にある青葉の笛の里に行ってみた。青葉の笛の伝説は有名だが、ここにそのゆかりの地があることは知らなかった。日本中にある“青葉の笛”のことが展示してあり、色々な笛に対する知識が豊かになった。隣にある穴馬民俗館も見学してから、再び東に向かって車を走らせることにした。

「青葉の笛の里」にある像

・白馬洞を見学して帰途へ

 ここから先は九頭竜湖湖畔を行くことになり、とても眺望が良い、10qほど走ってから白馬洞へも寄ってみることにして、左折した。ここは、それほど大きな鍾乳洞でもなく、30分もかからずに出てきてしまったが、しばし、ひんやりとした冷気を味わうことはできた。ずいぶん寄り道ばかりしていたので、もう残された時間はあまりない、後は、ひたすら帰途につくしかない状況だ。一気に、油坂峠を越え、岐阜県に入って、国道156号線を南下、郡上八幡からは国道256号線に道をとって、飛騨金山に出た。そこからは、白川町を経由して、中央自動車道恵那インターに出て、高速自動車道に乗って、家路を急いだ。

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