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古(いにしえ)を訪ねる旅
 旅籠宿泊記B 桝又旅館<東海道水口宿>
東海道桝又旅館(滋賀県甲賀市) 桝又旅館の看板

<宿泊記録> 注:現在は廃業して建物も残っていません。

☆1996年7月13日(土) 1泊朝食付 5,000円(込込)で泊まる。

標準料金 1泊朝食付 5,000円〜(込込) 宿泊当時の料金で、現在は廃業して建物もありません!
住所、電話 〒528 滋賀県甲賀市水口町本町2-5-41 TEL(0748)62-0032
街道と宿場 東海道水口宿
創業
建物 200年前の江戸時代後期のもので昔の旅篭のイメージを良く伝えている
桝又旅館の内庭 桝又旅館の庭園

・水口宿へ到着する

 夕方、6時過ぎに水口宿に入り、アーケードをくぐって宿に着いた。本の写真で見ていたとおりの古い旅篭風の構えでなかなか風情があり、女将さんがすぐに出てきて応対もとても良い。泊り客は私一人だけのようで奥の八畳二間続きの座敷に通され、まず風呂に入るが、湯加減もちょうどよく満足した。その後、宿では夕食が出ないので、外へ食べにいく。教えてもらった「樽」という居酒屋は場末の雰囲気があって私好み、ついつい酒がすすんだが、色々食べて会計は 4,200 円だったので良心的な方だと思った。宿へ戻ると亭主がやってきて、色々と郷土の話をしてくれる。郷土資料館のボランティアをやっているとのことでなかなか詳しい。ここの宿は江戸時代の元禄年間の創業で現在9代目とのこと、現在の建物も 200年前のもので昔の旅籠のイメージを良く伝えてはいるが、老朽化が進んでいるのが惜しまれる。この宿も私の代で終わりかもしれないとなさけない話をしていたが、最近は常連客もほとんどないようで宿帳を見てもあまり泊り客がないのが心配だ。こういう伝統的な宿はいつまでも残してほしいものだと話をする。1時間位話をして亭主は戻って行ったが、その後少し本を読んでから床につく。

桝又旅館の玄関内衝立 桝又旅館の朝食

・朝水口宿を散策する

 朝6時半から水口宿を散策する。旧東海道が三筋に別れているのが特徴で、街道筋に結構古い建物が見られる。大徳寺には葵の紋のある門があり家康の腰掛石と言うのがあった。大岡寺には芭蕉の句碑があり、鴨の長明に縁が有るとかで歴史を感じさせる、さすが京都に近いことはあると思った。札ノ辻周辺には古い旅篭や商家風建物が残されていて、昔から続いているのか、鍛冶屋、仏壇屋、呉服屋等の商いをしている店がある。本陣の跡は石碑のみで、脇本陣の跡は二軒の家に別れ、だいぶ改造が加えられている。7時半過ぎに宿に戻り朝食をとる。食事が終わると待ちかねたように亭主がやってきて、色々郷土の話をしてくれる。

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