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伊勢屋(民宿)の外観 |
伊勢屋(民宿)の玄関 |
<宿泊記録>
☆1996年11月11日(金) 1泊2食付 8,300円(込込)で泊まる。
標準料金 |
1泊2食付 10,500円(込込)〜 |
住所、電話 |
〒399-6303 長野県木曽郡楢川村奈良井388番地 TEL(0264)34-3051 |
街道と宿場 |
中山道奈良井宿 |
創業 |
宿泊当時6代目 |
建物 |
160年前(天保年間)の建築で、出梁造り、袖卯建に特徴があり、江戸時代は下問屋兼脇本陣 |
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伊勢屋(民宿)の階段 |
伊勢屋(民宿)の二階 |
・奈良井宿へ到着する
仕事を終え、松本駅から中津川行きの普通列車に乗って、木曽路を目指した。塩尻を過ぎ、木曽谷に入りかけた頃、暮れかけた空から雪が降り出してきました。車窓から眺めていると、どんどん積雪が増してくるようで、無人駅に降り立つ、学校帰りの女子高校生たちが足を取られないように気をつけながらホームの雪を踏みしめています。私が下車する奈良井駅に着く頃はまだ夕方5時を少しすぎたばかりだというのにあたりはすっかり暗くなっていました。晩秋の山間の日暮れは早い、ホームに降り、ふりしきる雪の中を歩き出しましたが、まさかこの時期に雪になるとは思っていなかったので、用意もなく滑りやすい革靴で歩かなければならないのです。旧中山道の昔ながらの宿場の家並みの中を注意しながら進みましたが、それにしても寒さもこたえます。やっとのことで、目指す旅籠「伊勢屋」にたどり着いてホッと胸をなで下ろしました。
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伊勢屋(民宿)の柱組 |
伊勢屋(民宿)の浴室 |
・旅籠の造りと心地よいもてなし
そこは、聞きしにまさる昔ながらの旅籠の造りで、この構えはすばらしいのです。とにかく、中に入って案内を請うと、女将さんが出てきて、通りに面した古い部屋に通してくれました。旧中山道の往来の声が聞こえてきそうな部屋でとても気に入りました。先ず、風呂へと向かういましたが、この湯船が高野槇で作ったもので、木曽路
に来たという感じがしてこれも気に入りました。木の香りをかぎながらのんびりと湯に浸かって出てくると、裏庭にはほどよい積雪があって、その灯籠や植え込みに白くかぶってなかなか良い風情です。部屋に戻って、しばらくしてから夕食となりましたが、古びた座敷に泊まり客全員の夕食が並べられていました。今日の同宿は常連のような初老の男性3人連れと若いアベック、それに私の総勢6人でした。食卓には山菜や川魚など地元でとれた物が出されていて、とてもおいしく、地酒「杉の森」を飲みながら、女将さんにこの宿のことを尋ねてみると、建物は、160年前(天保年間)の建築で出梁造り、袖卯建に特徴があるとのことです。現在6代目ですが、かつては下問屋兼脇本陣だったと話してくれました。同宿者との会話もはずみとても楽しい晩餐でした。後は部屋に戻って、少し本を読んでから床につきました。
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伊勢屋(民宿)の夕食 |
伊勢屋(民宿)の朝食 |
・朝奈良井宿を散策する
翌朝は恒例の朝の散歩に出ようと思いましたが、雪も積もっていて寒そうなので宿を出立してから宿場を巡ることにして、しばし部屋で本を読むことにしました。8時頃になって、夕食と同じ部屋でそろっての朝食となりましたが、これもまたおいしかったのです。とても満ち足りた気持ちになって、荷物をまとめ、宿を出るときに聞いたら、「宿場を巡るのにじゃまでしょうからその間預かってあげます。」との女将の親切な言葉、厚意に甘え、手ぶらで街並みを回ることにしました。しかし、この宿はとても印象深く、機会があったらまた訪ねてみたいものだと感じました。尚、ここの宿場は、国の重要伝統的建物群保存地区に指定されていて保存対策が取られています。
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中山道奈良井宿の町並み |
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旅籠 越後屋 |
上問屋史料館 |
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