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私の旅日記

秘湯の旅日記(62)岩手県・秋田県の4湯めぐり
2005.4.28-29

4/28(木) 4/29(金)
湯川温泉 真昼温泉 三ツ又温泉 南郷温泉

*2005年4月28日(木) 歌津崎→岩井崎御崎岬→湯川温泉

・東北自動車道を北へ 

 朝5時前に出立し、東北自動車道を北に向かった。連休前日の平日のこととて、道路は全く混んでなくて、すいすいと走って福島県へと至った。宮城県境近い国見サービスエリアで朝食休憩を取ってからは、一気に古川インターまで行って、高速を下りた。

・歌津崎へと至る 

 その後、進路を東へ取り、南三陸海岸を目指した。途中、「道の駅津山」で小休止してから、泊崎半島の南端、歌津崎へと至った。ここは南三陸金華山国定公園にも指定されている景勝地で、「名勝 尾崎」と書いてあったが、尾崎神社が鎮座し、その突端から見た太平洋は、雄大で、天気も良かったので、パチパチと写真を撮ったのだ。
 しかし、目当ての歌津埼灯台が見つからず探し回った末、少し戻った丘の上に発見した。ここからは、海はよく見えないのだが、とてものどかな農村風景が広がっていて、灯台と共にカメラに収めておいた。ツバキやタンポポ、ヒメオドリコソウなどが咲き、チョウが舞っていた。灯台の隣には、泊浜唐船番所跡の碑が立っていたが、江戸幕府の鎖国政策により天保年間〈1646年〉、仙台藩の二代目藩主伊達忠宗のときに外国船の監視所として設置されていたとのことだ。

・岩井崎を散策する 

 その次は、さらにリアス式海岸沿いに北上し、岩井崎へと至った。ここは、陸中海岸国立公園の最南端にあたり、松林の中に岩井埼灯台が立っていたので、まずそれをカメラに収めてから、周辺を散策したのだ。浸食され、ゴツゴツした海岸線はとても風光明媚で、波が押し寄せると大音響とともに10数mものしぶきを上げる潮吹岩というのがある。ちょうど潮を噴き上げた瞬間を撮っておいた。林の中には、当地出身の第9代横綱「秀の山雷五郎」の銅像や記念碑も建っていた。さらに先端へと歩いていくと、「みゃー」「みゃー」とウミネコの声がする。見ると海浜の岩礁に数百羽くらいの集団で、羽を休めていた。それで、砂浜を渡って、岩礁に近づきウミネコの写真を撮ろうとしたのだが、一斉に飛び立ってしまった。でも、その飛翔の姿を捕らえられて、結構いい写真になったかな?

岩井崎の潮吹岩 岩井崎のウミネコ

・昼食はブリカマの焼魚定食 

 撮影後は、さらに北に向かって車を走らせ、気仙沼市街を通り過ぎて、唐桑半島へと向かった。もう昼をだいぶ過ぎていたので、食事の出来るところを探したのだが、岬の先にはなくて、少し戻って、「食楽 まるさん」という店で食事することになった。でも、美味しいブリカマの焼魚定食(1,150円)を頂くことができたのだ。

・御崎岬を訪ねる 

 食後は、先端の御崎岬(おさきさき)へと至り、御崎神社前の駐車場へ車を駐めて陸前御崎岬灯台まで歩いて行った。周辺には、八隻曳(御崎神社の祭神が八隻の舟で上陸したと伝えられ、千畳敷とも呼ばれる平らな岩場)、児置島(海女が子供を置き忘れたという島)、陽沼・陰沼(イザナギの神、イザナミの神が鎮座したとされ、縁結びの地として知られるところ)などの景勝地があって、遊歩道で巡ってきたが、太平洋の眺めがすばらしい!もちろん、パチパチと写真をたくさん撮ったことは言うまでもない。鯨塚高村光太郎文学碑などもあって、ほんとうに見所の多いところだった。

陸前御崎岬灯台 児置島

・湯川温泉へ急ぐ 

 その後は、時間を使いすぎたので、一気に今日の宿泊地、湯川温泉へ急ぐことにした。海岸部には良い温泉がないので、ずいぶん内陸に宿を取ってしまい、距離がかなりあるのだ。陸前高田市から国道343号線を西へ向かってひたすら走り、「道の駅みずさわ」で小休止してからは、北上市を経由してやっとのこと6時過ぎに奥羽山中の湯川温泉へと至った。

・湯川温泉「萬鷹旅館」に泊まる

   周辺にはまだ積雪が1m以上残っていて、海岸部との違いを目の当たりにした。ここは、川沿いに鄙びた温泉街を形成していて、その一軒「萬鷹旅館」へと入った。木造2階建、6室しかない小さな旅館だけど、とても雰囲気が良いし、最初の応対から親切丁寧だった。こういう宿に経験上ハズレはないのだ。部屋に荷物を置くとさっそく浴室へと向かったのだが、男女別の内湯のみなものの、熱めの源泉掛け流しのお湯が心地よく、ゆっくりと長旅の疲れを癒した。それにしても、今日はずいぶんと走ったものだ...。浴後ほどなくして、部屋での夕食となったが、お膳には、釜飯、手打ち蕎麦、刺身、ワラビ、フキノトウ、コゴメ、岩魚塩焼、山菜天ぷら、牛刺など10数品が並びすごく豪華だ。とても1泊2食付8,550円(込込)の食事とは思えない。特に、手打ち蕎麦は絶品で、お酒も2合頼んで、美味しく飲みかつ食べた。食後は、ゴロリと横になって、テレビを見ながら明日のコースを考えていたが、カタクリの花を見て、秘湯巡りをしようなどと考えていたら眠くなってしまった...。 

湯川温泉「萬鷹旅館」の外観 湯川温泉「萬鷹旅館」の浴室

☆湯川温泉「萬鷹旅館」に泊まる。<1泊2食付 8,550円(込込)>

宿


湯川温泉「萬鷹旅館」のデータ
標準料金 1泊2食付 8,550〜10,650円(込込)
浴室 内湯2(男1・女1)
入浴料金 200円
外来入浴時間 午前10時〜午後3時 年中無休
宿泊定員 木造2階建 和室6室 計25名
住所、電話 〒029-5514 岩手県和賀郡湯田町湯川52-108-1 TEL(0197)82-2304
交通

JR北上線ほっとゆだ駅から湯川温泉行バス10分萬鷹前下車すぐ

 *一般的適応症(浴用)
 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)

 きりきず・やけど・慢性皮膚病・動脈硬化症・高血圧症




源泉名 湯川中ノ湯温泉(混合泉)
湧出地 岩手県和賀郡湯田町湯川
湧出量
知覚 無色透明
泉質 ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉
泉温分類 68.2℃
pH値 7.9
液性分類 弱アルカリ性
溶存物質総量 1,185r/s
浸透圧分類 低張性
ラドン含有 0.60マッヘ/s
分析日 1994年12月1日
湯川温泉「萬鷹旅館」の夕食 湯川温泉「萬鷹旅館」の朝食

*2005年4月29日(金) 沢内村→三ツ又温泉南郷温泉→横手市内へ

・朝の散歩へ

 翌朝は早起きして、6時過ぎからカメラを持って散策に出た。小鬼ヶ瀬川に沿う温泉街をぶらぶらと南に向かって歩いたのだが、湯治場らしい風情があっていい。すぐに街並みも途切れて、林道になったものの、残雪が多く、車は通行止めになっている。そんな雪の上を歩いていったのだが、雪解け水が、谷を勢いよく流れ、崖沿いには滝を成している。道端の雪の切れ目からはフキノトウが芽を出しているものの、まだ雪が消えるまでにはしばしかかりそうだ。宿の女将も言っていたが、今年は大雪で、花が咲くのも遅れているとか...。それでも、残雪の様子や川霧の漂う感じをカメラに収めて1時間ほどで宿へと戻ってきた。その後、朝風呂に入って、朝食を済ませ、出立の準備を整えた。

小鬼ヶ瀬川に落ち込む滝 一面の残雪

・碧祥寺博物館へ立ち寄る

 8時半過ぎには、宿を立ち、カタクリの花を見ようと沢内村へと向かった。途中、碧祥寺博物館へ立ち寄ってみたのだが、これが結構大きな施設で、5棟の建物に分かれて、たくさんの民俗資料が展示してあった。特に、マタギの生活資料には興味深いものがあり、古来から連綿として続けられてきた狩猟生活には引きつけられた。今では、ほとんど失われてしまっているけど、これが人間が生きてきた原点のようにも思えたのだが...。この沢内村は、日本で初めて乳幼児医療の無料化を実現するなどして、福祉の村と言われてきたのだけど、この寺の住職だった太田祖電さんが長きにわたって村長を務めていたことを知った。これは、新しい発見だった。しかし、今後の合併によって、福祉の村の将来も危ぶまれているが...。

碧祥寺の本堂 碧祥寺博物館の第一資料館

・安ヶ沢のカタクリ群落を見に行く

 その後、北に向かって、安ヶ沢のカタクリ群落を見に行ったのだが、今年はまだ残雪が多くて、あまり咲いていなかった。しかし、いくつかはその可憐な花をカメラに収めることが出来た。それに、周辺にはミズバショウやキクザキイチゲ、ショウジョウバカマ、フキノトウなどの野草がいろいろと咲いていて、次々とシャッターを切っていったのだ。雪解け水の流れと田んぼの残雪のバックに白い山々を撮し込んで見たりと、ここだけで、数十枚も写真を撮ってしまった。

安ヶ沢の景観 安ヶ沢のカタクリの花

・真昼温泉へ入る

 撮影後は、来た道を戻って、途中から脇道に逸れ、真昼温泉に立ち寄っていくことにした。ところが、山村集落の中に目立たなく建っている共同浴場だったから、前を2度も通り過ぎてしまった。それでも、なんとか見つけて、315円で入浴したのだが、男女別の内湯だけの小さな施設ではあるものの、1996年に改築したとのことで、比較的きれいだった。源泉35.5℃の単純温泉なので、加熱しているようだが、掛け流しになっていて、ぬるぬる感もあった。

真昼温泉「共同浴場」の外観 真昼温泉「共同浴場」の浴室

★真昼温泉「共同浴場」に入浴する。<入浴料 315円>







真昼温泉「共同浴場」のデータ
浴槽 内湯2(男1・女1)
入浴料金 大人 315円、子供 157円
営業時間 (夏期)午前10時〜午後9時、(冬期)午前10時〜午後8時 第1、3月曜日休館
住所、電話 〒029-5613 岩手県和賀郡沢内村大字前郷6-154-2 TEL(0197)85-2420
交通 JR北上線ほっとゆだ駅から車で15分
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進





源泉名 真昼温泉1号泉
湧出地 岩手県和賀郡沢内村大字前郷
湧出量
知覚 無色透明
泉質 単純温泉
泉温分類 35.3℃(温泉)
pH値 8.9
液性分類 アルカリ性
溶存物質総量 790r/s
浸透圧分類 低張性

・三ツ又温泉へ立ち寄る

 入浴後は、岩手湯本温泉街を通り過ぎて、国道107号線へ出て、西進した。ちょうど12時になったので、国道脇の食堂で、馬刺定食(1000円)を食べてから、左折して山越えにかかった。山内村の最奥にある三ツ又温泉へと至ったのだけど、その先はまだ積雪が多く峠道は閉鎖されていた。ここは、横手川沿いの秘湯感漂う一軒宿で、周囲は山ばかりの静かな立地だけど、谷川は雪解け水が音を立てて流れていた。入浴料は200円、浴室は男女別の内湯だけで、源泉温度が25.4℃と低いアルカリ性単純温泉なので、加熱循環させているようだけど、ぬるぬる感はあった。カラン水も温泉を使用しているようで、ひねると弱い硫化水素臭がするのだ。ゆったりと湯に浸かって上がってから、再び来た道を引き返していった。

三ツ又温泉の外観 三ツ又温泉の浴室

★三ツ又温泉に入浴する。<入浴料 200円>

宿


三ツ又温泉のデータ
標準料金 1泊2食付 7,500〜10,000円(込込)
浴室 内湯2(男1・女1)
入浴料金 200円
外来入浴時間 午前10時〜午後4時 年中無休
宿泊定員 木造2階建 和室10室 計50名
住所、電話 〒019-1104 秋田県平鹿郡山内村三又字甲79 TEL(0182)53-5100
交通

JR北上線相野々駅から三ツ又行きバス40分終点下車後徒歩20分(宿泊者送迎あり)

*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進




源泉名 三ツ又温泉
湧出地 秋田県平鹿郡山内村三又
湧出量
知覚 無色透明
泉質 アルカリ性単純温泉
泉温分類 25.4℃(低温泉)
pH値
液性分類 アルカリ性性
溶存物質総量
浸透圧分類 低張性

・南郷温泉「共林荘」へ立ち寄る

 同じ村内の横手市へ出る県道沿いに、南郷温泉「共林荘」(入浴料300円)というのがあったので、ここにも立ち寄ってみたのだが、ここがとても良いお湯だったのだ。浴場は男女別に2つずつあって、まず、本館元湯の方に入ったのだが、源泉46.6℃の単純硫黄泉がとうとうと掛け流しになり、硫化水素臭もし、ぬるぬる感もあって、とても気持ち良い。その後、もう一つの新館大浴場へも入ったのだが、こちらは、源泉47℃の単純温泉で掛け流し、露天風呂や打たせ湯もあって気に入った。偶然立ち寄った温泉で、こんな良いお湯にめぐりあえるとは思ってもみなかった。

南郷温泉「共林荘」の外観 南郷温泉「共林荘」の本館元湯

★南郷温泉「共林荘」に入浴する。<入浴料 300円>

宿


南郷温泉「共林荘」のデータ
標準料金 1泊2食付 8,150〜11,150円(込込)
浴室 内湯4(男2・女2)、露天2(男1・女1)
入浴料金 大人 300円、小人 200円
外来入浴時間 午前6時〜午後9時 年中無休
宿泊定員 鉄筋コンクリート造3階建 和室33室 計162名
住所、電話 〒019-1105 秋田県平鹿郡山内村南郷字大払川139-1 TEL(0182)53-2800
交通

JR北上線相野々駅から三ツ又行きバス15分南郷温泉下車後すぐ

*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・慢性皮膚病・糖尿病・慢性婦人病




源泉名 南郷温泉1号井
湧出地 秋田県平鹿郡山内村南郷
湧出量 250g/分
知覚 無色透明、微弱硫化水素臭、無味
泉質 単純硫黄泉
泉温分類 46.6℃(高温泉)
pH値 8.5
液性分類 アルカリ性
溶存物質総量
浸透圧分類 低張性




源泉名 南郷温泉2号井
湧出地 秋田県平鹿郡山内村南郷
湧出量 250g/分
知覚 無色透明、無味、無臭
泉質 単純温泉
泉温分類 47℃(高温泉)
pH値 8.4
液性分類 弱アルカリ性
溶存物質総量
浸透圧分類 低張性
南郷温泉「共林荘」の新館大浴場 南郷温泉「共林荘」の露天風呂
南郷温泉「共林荘」の公式ホームページへ

・横手市内へ

 湯を堪能して上がってきてからは、さらに西へ走って、横手市内へと至り、桜咲く横手公園へと登っていった。

秘湯の旅日記(63)<山形県・福島県の4湯めぐり>へ続く
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