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私の旅日記

秘湯の旅日記(66)東信州の3湯めぐり(長野県)
2005.7.9-10

*2005年7月9日(土) 高峰高原湯の丸高原→立科温泉→岳の湯温泉

・高峰高原へ 

 朝、5時過ぎに自宅を立って、所沢インターまで行って、関越自動車道に乗って北上した。ほとんど渋滞もなく、順調に走り続け、上信越自動車道に乗り継いで西進し、横川サービスエリアで朝食休憩を取って、中華丼を食べた。その後は、さらに西へ走って、長野県境を越え、小諸インターで下りたんだ。
 それからは、チェリーパークラインに乗って、どんどん高度を上げていった。8時前には標高2,000mの高峰高原へ到着したんだけど、外は寒いくらいで、カメラを持って散策したが、花もまばらで、蝶も飛んでいず、短時間で切り上げて、次へ向かうことにした。尾根沿いに西へ走ったんだけど、ダートの林道が続いている。

・池の平湿原を散策 

 池の平の駐車場へ車を入れようとしたのだが、有料で500円もかかるというので、他に駐車する場所を探してみたものの、適当なところがなかったので、また戻ってきて、お金を払って、車を駐めることになった。ここから、標高2,000mの池の平湿原周辺を1時間半かけて歩いたんだけど、コマクサの群落がとても可憐で、たくさん写真を撮った。

・湯の丸高原を巡る 

 次に、湯の丸高原へと移動し、観光リフトに乗って上まで行って、散策しながら撮影したのだ。つつじ平というところまで歩いてみたんだけど、もうツツジは終わっていた。しかし、その木々の間をいくつかの蝶が飛び交っていたので、それをカメラに収めようと追いかけたんだ。ヒメウラナミジャノメモンキチョウコチャバネセセリなどがカメラに収まってくれた。しかし、蝶を追いかけ回している内に方向がわからなくなって、どっちに行ったらよいか迷ってしまったのだ。幸いなことに登山者がいたので、その後をついていったら、正規の登山道に出ることが出来て、ホッとした。ここでも、たくさんの蝶に出会うことが出来、ミドリヒョウモンテングチョウフタスジチョウクロヒカゲシータテハなどの撮影に成功した。

クロヒカゲ シータテハ

・日窪湿原を撮影 

 その後、林を抜けて、日窪湿原へと至ったんだけど、ちょうどアヤメが満開で、すばらしい景観を成していたので、ここでも多くの写真を撮ったのだ。こうやって、写真を撮りながら巡っていたら、すでに正午を過ぎていたので、駐車場へと戻り、下山することにした。
 南側へ下っていく途中に、「手打ち蕎麦」の看板が目に入ったので、立ち寄って昼食に天ざる蕎麦をたべたが、結構美味しかったのだ。

・立科温泉「権現の湯」に入る 

 腹を満たしてからは、千曲川を越えて、立科町へと至ったのだが、散策の汗を流すために、立科温泉「権現の湯」(入浴料400円)へ入浴していくことにした。見晴らしの良い小高い丘の上に建つ、近代的な日帰り入浴施設で、1998年4月にオープンした町営の施設とのことだ。全国でも数ヶ所しかない稀少な含銅泉で、温泉分析書によると銅の含有量が泉水1kg当たり2mgとなっていたので、こうつ温泉(徳島県)13.5mg、田子町落合川原源泉(青森県)2.75mgに次ぐものだと思われる。銅は、体内ミネラルとして必要なもので、とても貴重な泉質なのだが、濾過しているためか?なめたときのシビレ味がほとんど感じられなかったのが残念だ。一度源泉を味わってみたいと思った。しかし特に、露天風呂からの眺望が良く、蓼科山を望むことが出来たのに満足した。ところが、上がってきて外に出たら、雨が降り出していて、美ヶ原方面へのドライブを断念せざるを得ない雲行きなのだ。心残りではあったが、こういう時は無理をしても仕方がないので、近場の博物館巡りに切り替えることにした。

立科温泉「権現の湯」の外観 立科温泉「権現の湯」の露天風呂

★立科温泉「権現の湯」に入浴する。<入浴料 400円>







立科温泉「権現の湯」のデータ
入浴料金 大人400円(中学生以上)、小人200円(小学生)
営業時間

午前10時〜午後10時、毎週木曜休館

住所、電話 〒384-2307 長野県北佐久郡立科町大字山部363-2 TEL(0267)56-0606
交通 JR長野新幹線佐久平駅から千曲バス芦田行きで40分、終点下車後徒歩15分
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病




源泉名 立科温泉
湧出地 長野県北佐久郡立科町大字山部353-1
湧出量
知覚 黄褐色、微混濁、塩味を有する
泉質 含銅-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
泉温分類 40.0℃(温泉)
pH値 7.4(中性)
溶存物質総量 6,947.3r/s(低張性)
分析日 1996年8月13日
立科温泉「権現の湯」の公式ホームページへ

・資料館、博物館を見学 

 まず、隣りの望月にある歴史民俗資料館へ行ってみた。ここは、旧中山道の宿場町で、現在でもその面影をとどめる街並みが見られる。その中ほどに資料館があったのだが、1階に考古学資料、2階に宿場関係と民俗資料が展示してあって、興味深くてゆっくりと見学した。その後は、国道254号線を西へ走り、丸子町へと至って、ここの郷土博物館へも立ち寄った。旧役場庁舎のイメージを取り入れたというモダンな建物で、1階には考古資料、2階には製糸関係の資料が展示されていた。この町は、かつて生糸の生産で栄えたところで、全盛期には多くの工場が建ち並んでいたとのこと、とても興味深く見て回ったのだ。特別展示室には絵画もあって、いろいろと見ることが出来た。

望月町歴史民俗資料館 丸子町郷土博物館

・岳の湯温泉「雲渓荘」へ泊まる

  見学後は、武石村へ入り、今日の宿岳の湯温泉「雲渓荘」へと向かった。ここは、美ヶ原の中腹、標高1,000mの山中にある一軒宿で、渓谷に沿った静かな環境の中にある。村営の宿泊施設で、建物は鉄筋コンクリートのしっかりしたものだった。通された2階の部屋に荷物を置くとすぐに、浴場へと向かったが、内湯だけで、沸かしてはいるものの、一部源泉掛け流しになっていて、湯は結構ぬるぬる感もある。のんびりと湯に浸かり、旅の疲れを癒してから上がってきた。部屋でくつろいでいたら、ほどなくして1F食堂での夕食に呼ばれた。食卓には、刺身、天ぷら、蒸し物、蕎麦、茶碗蒸し、デザートなどが並べられ、食前酒として梅酒が一杯付いていた。お酒も冷やで2合頼んで、気持ちよく飲み食いしたのだ。食後は、部屋に戻ってテレビを見たんだけど、今はやりの液晶テレビで、色もきれいなのだ。横になって、のんびりしていたら、睡魔に襲われてきたので、眠りに就いた。

岳の湯温泉「雲渓荘」の玄関 岳の湯温泉「雲渓荘」の浴室

☆岳の湯温泉「雲渓荘」に泊まる。<1泊2食付 9,000円(込込)>

宿


岳の湯温泉「雲渓荘」のデータ
標準料金 1泊2食付 7,000〜11,000円(込込)
浴室 内湯2(男1・女1)
入浴料金 大人400円、子供200円
外来入浴時間 午前8時〜午後8時 年中無休
宿泊定員 鉄筋コンクリート造3階建 和室20室 計92名
住所、電話 〒386-0504 長野県小県郡武石村大字小沢根578 TEL(0268)85-2263
交通

JR長野新幹線上田駅より千曲バス武石線約60分「武石温泉」下車後タクシー約15分

*一般的適応症(浴用)
 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進




源泉名 岳の湯温泉
湧出地 長野県小県郡武石村大字小沢根578-2
湧出量 130g/分
知覚 ほとんど無色澄明、無味無臭
泉質 アルカリ性単純温泉
泉温分類 34.1℃(温泉)
pH値 9.1(アルカリ性)
溶存物質総量 246.2r/s(低張性)
分析日 2004年4月6日
岳の湯温泉「雲渓荘」の夕食 岳の湯温泉「雲渓荘」の朝食

*2005年7月10日(日) 美ヶ原→霧ヶ峰白樺湖温泉→帰途へ

・朝の散歩へ

 翌朝は早起きして、6時過ぎから恒例の朝の散歩に出かけることにした。いつものように首からは、愛機ニコンD70をぶら下げて山道を登っていった。ちょうど雨も上がっていて、風がさわやかで、渓流のせせらぎが心地よく聞こえる。林道沿いには、ホタルブクロ、ウツボグサ、ノアザミ、ヒメジョオンなどの野草が花開いていて、そこここで立ち止まっては、シャッターを切っていった。1時間以上の散策となったんだけど、ヒメシジミコチャバネセセリヤマトスジグロシロチョウなどの蝶もカメラに収めて、宿へと戻っていった。

ヒメシジミ 

・傘を忘れる

 それから、朝風呂に入って散策の汗を流したのだが、この一時がとても気持ちよく、まさに至福の時なのだ。浴後、部屋で休んでいたら、ほどなくして8時からの朝食となり、食も進んだ。その後、出立の準備を終えて、8時半過ぎには気持ちよく、宿を出たのだが、この時、傘を忘れて来てしまった。(自宅に帰ってから気付いたのだが、時々旅先に置き忘れてくるのだ。全く困ったものだ!)

・美ヶ原へ

 天気予報では、雨となっていたが、ちょうどこの時は、小康状態となっていたので、思い切って、美ヶ原まで、上ってみることにしたんだけど...。曲がりくねった山道を慎重にハンドルを切りながら登っていったのだが、標高2,000m近くなると霧がかかって、極めて見通しが悪く、「美ヶ原高原美術館」へ着く頃には、強風が吹いていて、大きな風力発電機がブルンブルンとうなりを立てて、回転していた。とにかく、外にいても視界が悪くて、写真も撮れないので、とりあえず美術館内へ入ることにしたのだ。しかし、この美術館は、屋外展示が中心なので、肝心なところはあまり見られなかったが...。それでも、荒天の中で時間をつぶし、土産物も買うことが出来た。

美ヶ原高原美術館の外観 美ヶ原高原美術館の屋外展示

・霧ヶ峰高原を散策

 その後、和田峠を経て、霧ヶ峰方面へと向かったのだが、霧で視界が悪く、前を走る車が霞むほどで、景色はなにも見えない。仕方がないので、八島湿原を通過して、霧ヶ峰高原の駐車場に車を入れ、霧ヶ峰自然保護センター(標高1,675m)を見学した。館内を見ていたら、ニッコウキスゲなどの高山植物が今盛りなのを知り、蝶にも巡り会いたいので、雨が少し収まっているのを幸いに、周辺への散策へと向かうことに...。第1園地から第2園地へと遊歩道を歩いていったのだが、道はぬかるみ、野草が道に覆い被さっていて、ズボンの裾をぬらしてしまった。しかし、ニッコウキスゲの花が所々に見えて、それに吸い寄せられるように奥へ奥へと歩いていったのだ。そうすると、ミズナラ林の縁に、茶色っぽい蝶がいくつも舞っているのが目に入った。カメラを向けるものの、なかなか収まってはくれなかったんだけど、その内の一つが近くへ飛んできて、なんと私の服へとまって、じっとしているのだ。思わず接写してしまったが、この辺では標高の高いところでしか見られないウラジャノメだった。大きな目玉模様がいくつも並んでいて、なかなかユニークな姿をしている。
 そんな感じで、時々立ち止まっては、野草や蝶の写真を撮りつつ、第5園地まで登ってみると、それはそれはニッコウキスゲがたくさん咲いていて、それが霧に霞んで幻想的なのだ!とにかく、写真を撮りまくったことは言うまでもない。しかし、雲行きが怪しく、暗くなって、雨も落ち始めてきたので、帰路を急ぐことにした。それでも、早足で下りてきたおかげで、本格的に降り出す前に車に戻れて、ホッとした。だが、靴やズボンの裾は泥だらけだし、雨と汗でずいぶん濡れてしまっている。

ウラジャノメ 
霧ヶ峰高原のニッコウキスゲ

・白樺湖温泉「すずらんの湯」へ立ち寄る

 どこかの温泉で一浴したいと思い白樺湖方面へ車を向けることにした。途中、車山なども立ち寄っていきたかったのだが、だいぶ雨も降っていて、断念した。続く霧の中を慎重に運転しながら高度を下げていくと、徐々に視界が開け、標高1,416mにある白樺湖畔へ着く頃には、雨もほとんど降っていない感じとなった。
 昼をだいぶ過ぎていたので、まず、湖畔の蕎麦屋で腹を満たし、白樺湖温泉「すずらんの湯」へ入ることにした。入浴料は700円取られるが、ここの露天風呂は、湖にせり出すように造られていて、眺望がすこぶるいいのだ。冷えた体を温め、汗を流してリフレッシュできた。

白樺湖温泉「すずらんの湯」の外観 白樺湖温泉「すずらんの湯」の露天風呂

★白樺湖温泉「すずらんの湯」に入浴する。<入浴料 700円>







白樺湖温泉「すずらんの湯」のデータ
入浴料金 大人 700円、子供400円(小学生以下)
営業時間 午前10時〜午後10時 無休 (火・木曜日は12時 OPEN)
住所、電話 〒391-0301 長野県茅野市北山白樺湖3419-84 TEL(0266)68-3424
交通 JR中央本線茅野駅から諏訪バス白樺湖方面行き50分グランド前下車後すぐ
*一般的適応症(浴用)
 
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進

*泉質別適応症(浴用)
 
きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病




源泉名 白樺湖温泉2号
湧出地 長野県茅野市北山字木道3419-84
湧出量 103g/分
知覚 ほとんど無色澄明、塩味・苦味を有す
泉質 ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
泉温分類 35.2℃(高温泉)
pH値 8.2(弱アルカリ性)
溶存物質総量 1,508r/s(低張性)
分析日 2004年4月30日
白樺湖温泉「すずらんの湯」の公式ホームページへ

・女神湖で撮影

 その後は、女神湖方面へ車を進ませ、標高1,540mの湖畔で小休止したのだが、雨もすっかり上がって、晴れ間さえのぞくようになった。ほんとうに、山の天気は変わりやすいのだ。土手にヒメジョオンなどがたくさん咲いていたんだけど、いろいろな蝶が群れていた。そこで、ギンボシヒョウモンキマダラセセリモンキチョウなどを撮影することが出来たのだ。
 もう帰途に着くことにして、峠を越えて、佐久方面へと向かっていったんだけど、途中ヒョウモンチョウが飛んでいるところを見つけ、急に車を駐めたんだ。カメラを持って近づくと、地表に数匹群れて給水しているのを発見した。ミドリヒョウモンウラギンヒョウモンだったが、バッチリ接写することが出来た。その仲間に入れてもらえないのか、周辺をテングチョウが飛びまわって、様子をうかがっていたのが印象に残った。

ギンボシヒョウモン ミドリヒョウモン

・帰途に着く

 撮影後は、一気に山を下り、国道142号線を経て、佐久インターまで行き、上信越自動車道へ乗った。幸いなことに帰路にたいした渋滞もなく、順調に走って、関越自動車道へ乗り継ぎ、夕方6時過ぎには戻ってくることが出来た。
 今回の旅は、標高2,000m前後の高原を巡っての高山植物や蝶、自然風景の撮影が主だったものの、後半は雨に降り込められて、充分撮影できなかったのが、残念だ。それでも、計800枚くらい写真は撮ったかな...。特に、日窪湿原のアヤメが満開で、それはそれはすばらしく、また、霧ヶ峰高原では、ニッコウキスゲがたくさん咲き、それが霧に霞んで幻想的だった。そんなすばらしい光景だったから、計4時間以上歩いてもあまり苦にはならなかったのだが、雨に降られたから、靴もズボンも泥だらけになってしまったんだけど...。

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