*2004年9月22日(水) 稚内→利尻島
・利尻島へ
遅い夏休みを取り、9泊10日の北海道旅行に出て、函館に上陸してからは、日本海沿いに温泉を巡って北上してきた。5泊目に、苫前町の「ななかまどの館」に泊まり、そこを早朝立って、サロベツ原野を経由して、ノシャップ岬へとやってきた。岬周辺と稚内灯台を撮影後は、利尻島へ渡るフェリーの時刻を見計らって、10時半頃には稚内港へと至った。そして、自家用車を駐車場に置いて、11時10分発の利尻島行きへと乗り込んだのだ。フェリーで車を運ぶより、島内でレンタカーを借りる方がずっと安いのでそうしたのだが...。昼食は船内で弁当を食べ、デッキから稚内方面を見ていたが、さっき撮影してきた稚内灯台が、浮かび上がり背景に利尻富士が入り込んできて、みごとな構図になったので、何回かシャッターを切った。そうこうしている内に、1時間40分ほどの船旅を終え、鴛泊港へと入っていった。いよいよ念願の利尻島への上陸だ!
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利尻航路のフェリー上から見た稚内灯台と利尻富士 |
・姫沼に立ち寄る
その後は、フェリーターミナル前のトヨタレンタカーで軽自動車(5時間9,450円)を借りて島内一周することにして、時計回りで出発した。まず最初に立ち寄った姫沼は、自然に包まれたとても静かなところで、湖面に映える利尻富士(標高1,720m)が見事なのだ。ここでも、一周しながら写真を撮りまくった。
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姫沼から利尻富士を望む |
・石埼灯台を撮影
その次に立ち寄ったのが、石埼(いしさき)灯台で、赤と白に塗られたノッポな灯台は遠くからでも目立つのだ。ここは、利尻島の東海岸にあたり、利尻水道に出っ張ったところに石埼がある。対岸は北海道のサロベツ原野で、晴れていれば北海道が見渡せるという。また、後ろには、利尻富士を仰ぎ見ることも出来る。この灯台は、1943年(昭和18)10月3日に初点灯した当時は、北海道一の灯塔高を誇っていたが、1966年(昭和41)稚内灯台の移設に伴って抜かれて、第2位となってしまったのだ。
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石埼灯台 |
石埼から見た利尻富士 |
・利尻島郷土資料館とオタトマリ沼に立ち寄る
その後は、「利尻島郷土資料館」見学したが、1913年(大正2)に建てられた旧鬼脇村役場庁舎を保存したもので、館内にはアイヌ民族や和人の歴史が展示され、自然と動植物の展示もあり、勉強になった。次のオタトマリ沼を巡る頃には、雨が降りはじめてきたのだが、背景の利尻富士と沼の景観がすばらしく、何枚も写真を撮った。
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利尻島郷土資料館 |
オタトマリ沼 |
・仙法師御崎へ
仙法師崎(せんぽおしさき)へ至った頃は、小雨程度だったので、仙法志埼灯台を撮影後、仙法師御崎公園を散策してみた。ここは、利尻島の最南端にあたり、仙法志ポン山から流出した溶岩流が海岸まで達し、荒磯に奇岩が点在していて、独特の風景を成している。バックには、利尻富士が見事な姿を見せ、遊歩道の散策がお勧めなのだ。アザラシが生息していることで知られていたが、先の台風18号でどこかに行ってしまい、まだ戻ってこないとか...。姿を見ることが出来なかったのは残念だ。その後、「利尻町立博物館」に入る頃には、雨は本降りとなってきて、とても写真を撮り続けられる状態ではなくなってしまった。
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仙法志御崎公園から利尻富士を望む |
仙法志御崎公園の海岸線 |
・沓形岬灯台へ至る
以後は心残りだったが、人面岩や見返台園地展望台をパスして、沓形岬灯台だけは立ち寄っていくことにした。傘を差しながら、灯台を撮影したのだが、すでに灯りが点され、灯台らしさを感じさせていた。沓形岬は、火山から流れ出した溶岩が日本海に達し、沓(くつ)のような形の岬を形成したことから名付けられたと思われる。ここからの眺望はすばらしく、前方には日本海から礼文島が望めるし、バックには利尻富士が雄姿を見せていた。遊歩道も整備されているので、天気の良いときにはじっくりと散策したいものだ。当日は雨で見られなかったが、日本海に沈む夕陽がすばらしいとのことだ。
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沓形岬灯台と利尻富士 |
日本海から礼文島を望む |
・栄浜埼灯台を撮影
それからは、もう出発地へ戻るだけにしようと思っていたのだが、車窓から見えた栄浜埼(さかちゃまさき)灯台だけ少し立ち寄ってみた。ここは、礼文水道の入り口にあたり、北西方向には礼文島がはっきりと見る。南方向には、沓形岬までの海岸線が見渡せ、目を後ろに転ずれば、南東方向に利尻富士が望めるところなのだ。その後、ようやく一周し終わって、鴛泊のレンタカー屋へ帰着した。
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栄浜埼灯台 |
栄浜埼から南方向(沓形岬)を望む |
・利尻富士温泉「旅館雪国」へ泊まる
車を返してから、利尻富士温泉「旅館雪国」まで送ってもらったが、眼前に海が開け、ペシ岬が眺望できる良い立地の宿だ。部屋に荷物を置くとすぐに一風呂浴びたのだが、ここの浴槽には、温泉が使われていた。浴後は、食堂での夕食となったが、食卓には、生ウニ、刺身(イカ、エビ、ヒラメ)、ズワイガニ、サケ、イクラ、昆布など新鮮な海の幸が勢揃いし、とても美味しかったのだ。お酒を2合ほど頼んで、飲みかつ食べた。食後は、部屋に戻って、テレビを見ながら明日のコースを思案したのだが、天気がどうなるかちょっと心配していた。そうこうしている内に、寝てしまったのだが...。
☆利尻富士温泉「旅館雪国」に泊まる<1泊2食付 9,450円(込込)>
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利尻富士温泉「旅館雪国」の外観 |
利尻富士温泉「旅館雪国」の浴室 |
温
泉
分
析
表 |
源泉名 |
利尻富士温泉 |
湧出地 |
北海道利尻郡利尻富士町鴛泊字栄町227-7 |
湧出量 |
171g/分 |
知覚 |
? |
泉質 |
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 |
泉温分類 |
41.3℃(温泉) |
pH値 |
?(弱アルカリ性) |
溶存物質総量 |
?(低張性) |
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*一般的適応症(浴用)
神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
*泉質別適応症(浴用)
きりきず・やけど・慢性皮膚病・慢性婦人病・虚弱児童
宿
泊
施
設 |
利尻富士温泉「旅館雪国」のデータ |
宿泊料金 |
1泊2食付 8,550〜15,900円(込込) |
浴室 |
内湯1(男1・女1) |
定員 |
木造2階建 和室15室 60名 |
住所、電話 |
〒097-0101 利尻郡利尻富士町鴛泊字港町4-2 TEL(0163)82-1046 |
交通 |
利尻島鴛泊フェリーターミナルより徒歩10分 |
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利尻富士温泉「旅館雪国」の夕食 |
利尻富士温泉「旅館雪国」の朝食 |
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鴛泊灯台 |
*2004年9月23日(木) 利尻島→礼文島→稚内
・ペシ岬へ
翌朝、早く起きだして、少し宿の周辺を散策してみたのだが、すぐ前は、きれいな海で、鴛泊港からペシ岬を望むことができた。頂上に鴛泊(おしどまり)灯台が立ち、その姿が美しく、興味をそそられたので、登ってみたくなったのだ。そこで、朝食をすませてから、手早く荷物をまとめ、宿を早めに立って、ペシ岬の頂上まで上がってみることにした。
この岬は、鴛泊港の端にあり、標高90mほどの巨大な岩山で、鴛泊灯台が立っていることから、「灯台岩」とも呼ばれている。また、岬の北部断崖は海鳥の繁殖地として有名なのだ。港から、徒歩15分ほどかけて、頂上まで至り、四方を眺めたのだが、前日とはうってかわって、すばらしい晴天で、空は澄み、海は青々としていた。左手には礼文島、はるか北方にはサハリンの島影も望むことが出来て感動した。振り返れば、鴛泊港から利尻富士もくっきりと姿を表し、まさに絶景で、フェリーの入港してくる背景に撮し込んだ。
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南方向(利尻富士)を望む |
北方向(サハリン)を望む |
・礼文島へ
その後、10時5分発のフェリーに乗って、礼文島香深港へと向かったが、、ペシ岬の北壁周辺は、海鳥の営巣地となっているそうで、多くの鳥の姿を見かけた。特に、フェリーにはエサを求めて、近寄ってきて、乱舞するのだ。そんな海鳥の姿の背景に、ペシ岬を撮し込んでみた。
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フェリー上からペシ岬を望む |
海鳥とペシ岬 |
・上泊埼灯台へ
礼文島上陸後、今度は礼文島レンタカーでまた軽自動車(5時間9,000円)を借り、島内を巡った。まず東海岸を北に向かって走り、上泊崎へ立ち寄った。車を置いて、上泊埼(うえどまりさき)灯台にまで登ってみたが、灯台は小さなものでした。しかし、ここは礼文島東岸から少し東に突き出していて、南東方向に利尻富士がくっきりと見えたし、東方には稚内のノシャップ岬を望むことも出来た。また、背後は緩やかな丘陵になっていて、のびやかな風景が広がっていて、感激した。
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上泊埼灯台 |
上泊崎から南東方向(利尻島)を望む |
・金田ノ岬へ
次に、再び北上し、海岸沿いの道路を回り込んで、金田ノ岬へと至った。ここにも、赤と白の縞模様に塗られた金田ノ岬灯台があったのだが、登り口がわからず、下からカメラで写すだけになったのが残念!ここからみるさいはての海は天気も良く凪いでいて、静かで、対岸のスコトン岬や海驢島(とどしま)もはっきり見えた。
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金田ノ岬灯台 |
金田ノ岬から西方向(海驢島)を望む |
・スコトン岬へ至る
その後は、船泊へ至り、食堂に入ってミソチャーシューメンを食べてから、最北端スコトン岬へと向かったのだ。駐車場へ車を置いて歩いていくと、眼前にすばらしい景色が広がっていく。北には無人のトド島が浮かび、天気が良ければはるかに宗谷海峡からサハリンを望むことができる。東には金田ノ岬が長く延び、西には日本海、そして振り返れば南東方向に船泊港から利尻富士までを見渡すことが出来、すばらしい眺望なのだ。展望台からは、トド島の上に海驢島(とどしま)灯台が見える。もう少し近づいて撮影したかったので、急勾配の崖道を下り海岸線まで出て、先端の岩礁にとりついた。ここには、船小屋があったのだが、その荒れた風情が、さいはての旅情にマッチしていて、何回もシャッターを切ってしまった。
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海驢島灯台 |
スコトン岬 |
・澄海岬まで登る
撮影後は、来た道を引き返し、途中から西上泊方面へと向かったが、その道筋は、樹木の生育が乏しい一面の緑地となっていて、独特の景観を成している。行き止まりとなっている漁港の岸壁近くの駐車スペースに車を入れ、澄海(すかい)岬まで、徒歩で登っていったのだが、ここから見る海岸線の風景は、すばらしいもので、思わず感嘆の声を上げてしまった。写真を撮りまくったことは、言うまでもない。
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澄海岬からの眺望 |
・桃岩展望台へ向かう
それからは、来た道を戻り、船泊から久種湖畔を経て、東海岸へと復した。海沿いに南下して、一端香深へ出てからは、峠越えをして、桃岩展望台へと向かったのだ。以前から桃岩のすばらしさは聞いていて、一度訪れたいと思っていたのだが、そこには、噂に違わない絶景が展開していた。時間の許す限り、遊歩道を歩いてみようと思い、元地灯台方面へ30分ほどの散策を試みた。特に、利尻富士が大きく見えて、それはそれはすばらしいのだ。ここでも、時々立ち止まりながら、シャッターを切りまくった。
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桃岩 |
桃岩付近から見た利尻富士 |
・郷土資料館を見学後、礼文島を離れる
その後は、一端元地港まで出てから引き返して、香深のフェリー乗り場へと戻っていった。レンタカーを返してから、出港までの待ち時間に「礼文町郷土資料館」へも行ってきたが、この島がかつてはニシン漁で栄えていたことがわかった。今は、ホッケやイカなどの漁が中心とのことだが...。
しかし、今回の旅の中では、礼文島が天気も良くて最高だった。さいはての島には、大自然がいっぱい残されていて、すばらしい景色で、たくさん写真も撮ったのだ。そんな思いを抱いて、16時20分発の稚内港行きフェリー「クイーン宗谷」号(3,531トン)へと乗り込んだ。
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礼文町郷土資料館 |
香深港の「クイーン宗谷号」 |
・すばらしい夕陽
途中、日が暮れかけていき、船上から礼文島に沈むすばらしい夕陽も見ることができた。利尻富士もオレンジ色に染まって、またまた日が暮れるまで、写真を撮り続けたのだ。
フェリーは、18時15分の定刻を少し過ぎて、稚内港へ着岸し、自家用車を駐車場から出して、今日の宿、稚内温泉「温泉民宿北乃宿」へ急いで走っていった。
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フェリーから見た利尻富士と礼文島の夕暮れ |
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