富山県東部、黒部川上・中流部にある峡谷で、黒部川が飛騨山脈の西側の立山連峰と東側の後立山連峰との間を北流しています。黒部湖より上流を上ノ廊下、下流を下ノ廊下と呼んでいますが、標高差 1,500〜2,000mに及ぶ断崖絶壁がそそそり立ち、日本で最も深い峡谷の一つを形成しました。一般的には、宇奈月温泉からトロッコ式の黒部峡谷鉄道に乗って探勝します。黒部川上流の壮年期地形のみごとなV字谷を縫うようにして走り、スリル満点のトロッコ電車に揺られていきました。車窓にはすばらしい渓谷美が展開し、所々に温泉があって、途中下車して楽しむことができます。一帯は中部山岳国立公園に属する景勝地となっています。
(3)柿其渓谷(長野県)
柿其(かきぞれ)渓谷は数ある木曽路の渓谷の中でも特に美しいと言われています。入口にあたる恋路のつり橋(長さ約35m)より、上流8kmにわたって、すばらしい渓谷が続き、白い花崗岩、エメラルドグリーンの清流、そこに、美しい滝や瀬や淵が、みごとな景観を形造っています。春にはツツジ・シャクナゲ、秋には紅葉がみごとだとのことです。恋路のつり橋から牛ヶ滝までの約300mの遊歩道がお奨めコースですが、さらに上流には、霧ヶ滝、雷の滝、中兵衛峡などの景勝地があります。恋路のつり橋より、渓谷沿いに数分歩くと「黒渕」と呼ばれる場所に出ます。透き通るようなエメラルドグリーンの清流と白い花崗岩が神秘的な景観を現出しています。夏には、天然のプールのようになって、水に戯れる子供達の姿が見えるとか...。とにかくすばらしい所です。
さらに渓谷沿いにどんどんさかのぼっていくと牛ヶ滝という絶景の滝があります。
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エメラルドグリーンの黒渕 |
柿其渓谷の牛ヶ滝 |
(4)三段峡(広島県)
太田川の支流柴木川沿いの13kmにも及ぶ渓谷で、国の特別名勝にも指定されている日本屈指の名峡です。原生林の中に岩石と深い緑、澄んだ水が織りなす景観はみごとなもので、黒淵、猿飛、二段滝、三段滝、三ツ滝の五大景観が有名です。私は、林道を通って水梨駐車場に車を停め、徒歩で往復2時間以上かけて、猿飛、二段滝、三段滝と巡りました。最後に、三段滝へと至ったのですが、三段峡最大の見所といわれるだけのことはあって、すばらしい滝でした。奥行き120mの中に全長30mほどの三段の滝がみごとに構成されていました。
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二段滝 |
三段滝 |
(5)祖谷渓(徳島県)
徳島県西部、吉野川の支流祖谷川が四国山地を横切る横谷にある全長は10kmにも及ぶ渓谷で、V字形に浸食した谷で紅葉の名所ともなっています。降水量も多いために樹木が生い茂り、隔絶された深山幽谷の景観を形成しました。平家落人伝説のある日本有数の秘境で、スリルたっぷりのバスに乗っていきます。日本三奇橋の一つかずら橋(重要有形民俗文化財)があって渡ることができますが、14m下の谷底が見え、とても勇気がいりました。一帯は、剣山国定公園に属しています。
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かずら橋 |
祖谷渓 |
(6)高千穂峡(宮崎県)
宮崎県北西部、高千穂町の五ヶ瀬川にある峡谷で、全長約2km、洪積世後期に阿蘇山から噴出した高熱の火山灰が浸食の進んだ五ヶ瀬川の谷に堆積し、それが固まった溶結凝灰岩を再び川が浸食して形成されました。柱状節理が発達し、両岸に高さ50〜100mの絶壁を形成、滝、淵、瀬が連なっています。神秘の渓谷で、断崖を落下する滝のそばをボートで探勝出来ました。秋は紅葉が美しく、観光客も多く、名勝と天然記念物に指定され、祖母傾国定公園に属しています。また、九州の中央部にあり、天孫降臨の神話が伝えられていることでも知られてきました。
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高千穂峡(宮崎県) |