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自然を訪ねる旅
*自然を訪ねる旅(6) <活火山めぐり>
活火山の思い出 活火山について 活火山六題 活火山めぐりクイズ

☆活火山の思い出

 旅行先では、活火山を見学したことがないでしょうか。現在でも噴煙を上げている火山で、火口付近に近寄れないところもありますが、平穏時は火口を見学することができる場合もあります。
 しかし、ひとたび火山が噴火すると噴石が飛び散ったり、溶岩が流れ出したりして、大惨事になることもしばしばです。2014年(平成26)9月27日の御嶽山の噴火によって、登山者の多くが巻き込まれた惨事は記憶に新しいところではないでしょうか。
 このような噴火被害について、遺跡公園として残されているところもあり、溶岩流の跡や巨大な噴石などを見るとそのすさまじさを実感できたりします。その一方で、水の流れを堰き止めて、大小の湖沼を創出したり、奇怪な溶岩地形を造り出して、後に風光明媚な観光地となったりしました。また、地熱により、温泉を湧出させたり、地熱発電に利用されたりして、火山の恩恵に浴することもあるのです。
 旅行先で、噴火被害に心を痛めながらも、風光明媚な地を愛でつつ、温泉に浴するのも良いかと思うのですが.....。

☆活火山について

 活動的で近い将来噴火を起こす可能性のある火山のことですが、日本では、おおむね過去1万年以内に噴火した記録があるか、現在活発な噴気活動のある火山とされています。
 火山噴火予知連絡会によって、(1)過去1万年間の噴火の頻度、規模、爆発性などを定量化した1万年活動度指数、(2)過去100年間の観測データに基づく100年活動度指数。の2つの尺度が決められ、これによって、活火山はA・B・Cの3段階に分類されました。(ただし、海底火山と北方領土の火山は、データ不足のため評価の対象外)2017年(平成29)7月現在、Aランク(最も活動度が高い)の火山は13、Bランク(活動度は中程度)は36、Cランク(活動度は最も低い)の火山は38、対象外の火山は23で、合計110となっています。

日本の活火山一覧へ

☆活火山六題

活火山地図

 私が、日本全国を旅した中で立ち寄った、活火山の中から、気に入った所を6つ、特別に選んでみました。

(1)有珠山(北海道有珠郡壮瞥町・虻田郡洞爺湖町・伊達市)

 洞爺湖の南に位置する二重式火山で、直径約1.8 km の外輪山の中に大有珠(標高737m)、小有珠などの溶岩円頂丘やオガリ山、有珠新山(669m)などの潜在円頂丘が形成されています。また、山麓にも溶岩円頂丘の昭和新山や、潜在円頂丘の金比羅山、四十三山(明治新山)などが有りました。江戸時代から噴火活動が活発化し、20世紀中だけでも4度も噴火活動が観測された、活発な活火山です。有珠善光寺・善光寺自然公園には、大小様々な溶岩の塊が散在していますし、昭和新山は、1944-45年(昭和19-20)の有珠山噴火で隆起して出来た溶岩ドームとして有名になりました。1977年(昭和52)の噴火で断層ができて建物が破壊された跡が、火山遺構公園として残されていますし、2000年(平成12)の噴火で落下した噴石の直撃を受けた建物跡である旧とうやこ幼稚園や熱泥流が発生して埋まった建物跡が遺構公園しとして保存されています。また、拠点施設としては、「道の駅 そうべつ情報館」「洞爺湖ビジターセンター・火山科学館」があって、見学しながらいろいろと学ぶことができました。

洞爺湖から見た噴煙を上げている有珠山(1978年7月撮影) 有珠山の「1977年火山遺構公園ジオサイト」

(2)磐梯山(福島県耶麻郡猪苗代町・磐梯町・北塩原村)

 猪苗代湖の北にそびえる成層火山(標高1,816m)で、現在も沼ノ平火口内など数か所で小規模な噴気活動は継続しています。1888年(明治21)7月15日の水蒸気爆発により小磐梯が山体崩壊を起こし、発生した爆風と岩屑なだれにより北麓の集落(5村11集落)が埋没するなどの被害を及ぼし477人の死者を出しました。この山体崩壊により長瀬川とその支流がせき止められ、桧原湖、小野川湖、秋元湖、五色沼をはじめ、大小さまざまな湖沼が形成され、現在の裏磐梯の景観は、この時に形成され、磐梯朝日国立公園の一部となっています。現在は、五色沼湖沼群とよばれる、毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、弁天沼、瑠璃沼、青沼などを巡る遊歩道があって、特に紅葉の季節は美しく、人気コースになりました。近くにある「磐梯山噴火記念館」は、磐梯山の噴火100年を記念して、1988(昭和63)年に作られた火山の博物館で、1888(明治21)年の噴火の様子を大型模型と大型映像で再現しています。当時の火山研究の成果や多くの噴火写真を展示し、子どもたち向けには、磐梯山地方の民話を紙芝居風に紹介。日本や世界の火山を紹介し、世界で初めて作られた地震計の模型も展示していました。

猪苗代湖から見た磐梯山
西吾妻スカイバレーから見た磐梯山の遠景

(3)浅間山(長野県小諸市・群馬県吾妻郡嬬恋村・長野原町)

 長野県と群馬県境にあるある安山岩質の成層火山(標高2,568m)で、活発な活火山として知られ、過去に何度も噴火を繰り返してきました。とりわけ、1783年(天明3)の大噴火では、鎌原村が溶岩土石流の下敷きとなり、鎌原観音堂の階段を駆け上がった人だけが助かりました。近年、発掘調査が行われ、当時の村の生活や災害の規模が把握され、注目を集めています。隣接する「嬬恋郷土資料館」では、埋没した鎌原村から発掘された品々などを中心に展示し、火山災害と生活文化の実態に迫っています。映像コーナーでは、天明3年の噴火の悲劇と、浅間山の美しい自然を、手軽に見ることが出来ました。これらによって、浅間山の噴火被害の恐ろしさを学びました。しかし、鎌原観音堂に駆け上がった僅かな村人が、生き残ったもの同士で家族関係を結び、村を復興させたことを知り、人の歩みの力強さを感じたのです。また、鬼押出し溶岩に囲まれた中を散策できる「鬼押出し園」や「浅間園」、「浅間火山博物館」も噴火と溶岩流のすさまじさを体験できるところでした。湯の平高原の入口には、小諸市の「火山館」もあります。

浅間山登山道から見た浅間山 鎌原観音堂

(4)伊豆大島(東京都大島町)

 全島が、玄武岩からなる成層火山で、数万年前から活動を始め、1986年(昭和61)の噴火では、全町民が約1カ月島外に避難したことは有名です。現在は、三原山(標高758m)の火口付近まで行くことができるようになりました。駐車場や茶屋のあるところから、火口までは、徒歩で往復1時間半から2時間かかるとのことでしたが、外輪山を下り、火口原を横切り、内輪山を登って行くので、結構ハードでした。途中には、三筋の溶岩の流れの跡が残っていて、噴火のすさまじさを感じます。なんとか噴火口の見える位置まで上がっていきましたが、風が強くて閉口したものの、はるか海の向こうに富士山も見えて、感動しました。その後は、元町方面へ戻り、「伊豆大島火山博物館」へ行って、展示や映像を見て火山のことを学びましたが、結構充実していたのです。その後、島の南西側の一周道路を南下していきましたが、その道路沿いにある「地層大切断面」は、伊豆大島の火山噴火史を物語るもので、高さ30m・長さ800mに わたって続きみごとなものでした。さらに島の南部にある波浮港にも行きましたが、ここは、9世紀の割れ目噴火による水蒸気爆発で出来た火口跡に水がたまったもので、1703年(元禄16)の大地震と大津波によって、外壁が一部崩れ、外海と繋がったものです。

三原山の遠景  三原山火口

(5)阿蘇山(熊本県)

 九州中央部に位置する活火山で、外輪山と数個の中央火口丘から成り、外輪山は南北25km、東西18kmに及び世界最大級の阿蘇カルデラを成しています。中央火口丘群のうち、最高峰の高岳(1,592m)をはじめ、根子岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳の五峰を阿蘇五岳と呼んでいました。現在も噴煙を上げているものの、平穏時は火口を見学することができる中岳には、自動車道やロープウェイで行くことが出来ます。また、大観峰からは、阿蘇カルデラが一望できますし、北外輪火砕流の跡では、広大な火砕流台地を見ることができ、らくだ山では、岩脈の表面の様子や柱状節理を観察できました。南阿蘇湧水群や池山・山吹では、湧水地や湧出する水の恵みが感じられます。火山の恵みである温泉も小国郷温泉で体感でき、宿泊することもできました。拠点施設としては、「阿蘇火山博物館」、「道の駅阿蘇/ASO田園空間博物館」があり、立ち寄って、いろいろと学習できます。

阿蘇山中岳火口 阿蘇山の草千里が浜

(6)桜島(鹿児島県鹿児島市)

 約29,000年前の巨大な噴火によって、姶良カルデラが形成され、そこに海水が流れ込み錦江湾となりました。その後、約26,000年前にカルデラの南端で起きた噴火で誕生したのが桜島(標高1,117m)で、成層火山を成しています。有史以来頻繁に噴火を繰り返してきましたが、1914年(大正3年)1月12日に始まった大正大噴火では、多量の溶岩が流出して大隅半島と陸続きになり、死者58名を出し、黒神集落の埋没鳥居は、その脅威を今に伝える災害遺産となりました。湯之平展望所は、一般人が登れる最高地点の標高373mにあり、北岳の荒々しい山肌を間近に見ることができ圧巻です。錦江湾の向こう側には、鹿児島市街地の街並みが広がり、日没後にはその夜景も楽しめるスポットとなりました。また、溶岩なぎさ遊歩道は、「桜島」溶岩なぎさ公園と烏島展望所を結ぶ、全長約3qの遊歩道で、大正大噴火で流れ出た溶岩地帯の上につくられています。この道は、「遊歩百選」にも選ばれ、貴重な生物も生息していて、海の観察も楽しめ、周辺には、金子 兜太をはじめ、有名俳人の桜島にゆかりのある句碑が立ち並んでいました。黒神ビュースポットは、現在活発な噴火活動を続けている昭和火口を観察するのに最も適した展望所で、昭和溶岩の上にあり、溶岩堤防などの火山地形、砂防施設、植生遷移などが観察できます。拠点施設でもある「桜島ビジターセンター」は、シアタールームの大型スクリーンにより生きた桜島の魅力を紹介していました。また、展示室では、大噴火の歴史や地形の変化、植物の変遷を模型や展示で分かりやすく解説し、大迫力の映像と音響で桜島の噴火も体感できます。

磯庭園から見た桜島 黒神集落の埋没鳥居

・・・活火山めぐりクイズ・・・

 以下の鍾乳洞の名前は?

1)1707年の宝永噴火で江戸方面に多大な降灰等による大被害をもたらし、その後噴火していない火山は?
2)太平洋上の円形火山島で度々噴火し、2000年の大噴火では、4年以上の全島避難をさせられた島は?
3)大正時代の1915年に噴火し、泥流によって梓川を堰き止め、上高地に大正池を形成させた火山は?
4)2014年9月27日噴火、火口付近の登山者ら58名が死亡した、戦後最悪の火山災害をもたらした火山は?
5)198年ぶりで、1990年に噴火が始まり翌年6月3日の火砕流で43人の命を奪う惨事となった火山は?

 *いくつわかりましたか? 解答はこちらです。

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