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熊本城復元天守閣(熊本県熊本市) |
小田原城復元天守閣(神奈川県小田原市) |
車窓からぼんやりと外を眺めていたら、岡の上に天守閣がそびえていて“ハッとした”なんて経験がありませんか。城下町は旅先でよく出会う風景です。江戸時代には政治、軍事、文化の地域的中心になっていたところですから、現在でも地方の中心都市となって栄えている所が少なくありません。又、武家屋敷や古い寺院が残っていて、町並みとして落ちついたたたずまいを見せているところもあります。日本的な風景として数えられるものの中に、必ずいくつかの城下町が上げられていることでしょう。誰でも城下町に対する思い出を持っているのではないでしょうか。
戦国時代以前の中世の城は山城といわれ、数十から数百m位の山の上に作られた、防御的機能に重点を置いたものが多く、城下町の発達も余りみられませんでした。また、天守閣というような大きな建物もなく、現在の遺跡としてもあまり見るべきものが残っていません。旅先で見かけるのは、安土桃山時代以降の城で平城、平山城と呼ばれ、平地にそびえ、軍事、政治の中心となっていたものです。規模も大きく、当時は石垣や土塁の上に天守閣や櫓が立ち並び、周囲を威圧していました。しかし、現在でも城の威容を保っているものはあまりありません、江戸時代には170余もあったのですが、今でも昔のままの天守閣がそびえているのは、12城にすぎません。又、近年鉄筋コンクリートで外見だけ復元したものも少なくありません。堀が埋められたり、石垣が崩されたりして、ほとんど形をとどめていないものさえあります。全く残念なことだと思います。ただ、最近になって、木造で江戸時代のままに復元しようという動きもあって、白石城(宮城県)、白河小峰城(福島県)、掛川城(静岡県)、大洲城(愛媛県)の天守閣が建てられ、周りの景観も整備されて、往時の姿をうかがえるようになりました。一度立ち寄ってみては如何でしょうか。 |