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中山道妻籠宿松代屋(長野県木曽郡南木曽町) |
中山道奈良井宿越後屋(長野県塩尻市奈良井) |
☆旅籠とは?
「はたご」という言葉はもともとは旅の時、馬の飼料を入れる籠(かご)の事でした。それが、旅人の食糧等を入れる器の意味になり、さらに食事を提供する宿屋を言うようになりました。江戸時代には宿場ごとに多くの旅籠があって泊まり客で賑わいました。しかし、明治時代になって旧街道が廃れ、鉄道網が発達してくると、徒歩や牛馬による交通が減少し、旅籠も廃業に追い込まれたり、駅前に移転するところが相次ぐようになり、現在でも、旧宿場町の同じ場所で昔のままに旅館を営んでいるものは数えるほどしかありません。
☆旅籠めぐりのススメ
旧街道を旅するときは、旅籠ほどそれに似つかわしい宿はないと思います。昔ながらのたたずまい、歴史を感じさせる応対の良さ、まさに旅籠文化とでも言うようなものが息づいているのです。ほんとうに歴史的に価値のある文化財がたんなる旧跡としてあるのではなく、現在でも宿泊できる生きている形で存在しているのはとても大切なことだと思います。旧街道を巡る人だけでなく、日本の文化を愛する人にはぜひ泊まってもらいたいと考えています。また、現在は営業していなくても、資料館として公開され見学できるところもあります。そんなところを訪れながら昔の旅人の様子を知るのも面白いかと思います。
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